11月のカナダ消費者物価指数、前年同月比6.8%上昇
(カナダ)
トロント発
2022年12月22日
カナダ統計局が12月21日に発表した11月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比で6.8%と、10月の上昇率(6.9%、2022年11月18日記事参照)を0.1ポイント下回って伸びが減速した。住宅ローンの金利負担や家賃の上昇幅が大きかったが、ガソリンや家具の上昇幅が鈍化し、上昇率は抑えられた(添付資料表参照)。
統計局によると、ガソリンは10月に前年同月比で17.8%上昇した後、11月には13.7%上昇へと伸びが減速した。前月比では、10月の9.2%上昇に比べて、11月は3.6%下落した。米国西部の製油所の再開で、主にカナダ西部のブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州の価格が下落したという。
一方、食料品は、10月の前年同月比10.1%上昇から、11月は10.3%上昇と伸びが加速した。そのうち家庭用食品は10月の11.0%上昇から、11月は11.4%上昇へと加速し、2021年12月以降継続して全品目CPIを上回る上昇を続けている。
また、住居関連も、主に住宅ローン金利負担と家賃の上昇圧力により、前年同月比で7.2%上昇した。
発表を受けて、TDエコノミクスのマネジング・ディレクター兼シニアエコノミストのレスリー・プレストン氏は「カナダの家計は高いインフレ率と金利上昇の重荷に耐えかねており、小売売上高はここ数カ月で勢いを失っている。これは、家具や衣料品などのカテゴリーに表れ始めている物価上昇圧力の軟化につながると予想される」とした上で、次回の政策金利について「カナダ中央銀行は0.25ポイントの利上げを行い、その後いったん停止して、1年間の劇的な引き締めが景気に与えた累積的な影響を評価すると予想する」とコメントした(TDエコノミクス12月21日)。
次回政策金利の発表は2023年1月25日に予定されている。
(飯田洋子)
(カナダ)
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