米国の2022年7月までの年間人口増加率0.4%、過去最低記録した2021年から回復
(米国)
ニューヨーク発
2022年12月26日
米国商務省センサス局は12月22日、2022年7月までの米国の1年間の人口増加率が0.4%だったと発表した。過去最低の伸び率を記録した2021年7月までの1年間(0.1%増)からは改善した(2022年1月4日記事参照)。7月時点の最終的な総人口は約3億3,329万人となった。
2021年7月比の人口増加は125万6,003人で、出生数から死亡数を引いた自然増が24万5,080人、移民増が101万923人だった。出生数の前年からの増加幅は2007年以来の大きさとなり、移民増は2021年の前回調査の約2.7倍と、新型コロナウイルスの影響による落ち込みから大きく回復した。州別に見ると、人口増加率が最大の州は、フロリダ州(1.9%増、増加後の人口約2,224万人)で、次いで多い順に、アイダホ州(1.8%増、約194万人)、サウスカロライナ州(1.7%増、約528万人)だった。逆に減少率が大きかったのは、ニューヨーク州(0.9%減、約1,968万人)で、次いで、イリノイ州(0.8%減、約1,258万人)、ルイジアナ州(0.8%減、約459万人)となっている。ニューヨーク州は前回調査時点でも1.6%減と、2番目に高い減少率を記録しており、今回調査では鈍化したものの、人口の減少傾向は続いている。また、2021年と同じく、50州と首都ワシントンの全てで国外からの移住者は増加しており、そのうち上位はカリフォルニア州(増加数12万5,715人)、フロリダ州(12万5,629人)、テキサス州(11万8,614人)となっている。
関連するデータとして、米国疾病予防管理センター(CDC)は2021年の米国人の平均寿命が76.4歳で、2020年に比べ0.6歳短くなったことを明らかにした。1943年(前年比2.9歳減)以来最大の1.8歳減を記録した2021年からは大きく鈍化した。また、7月に発表した暫定値(2022年9月2日記事参照)からは0.3歳長くなっている。性別でみると、男性は73.5歳(同0.7歳減)、女性は79.3歳(同0.6歳減)だった。死亡要因別では、1位が心臓病(69万5,547人、シェア20.1%)、2位はがん(60万5,213人、シェア17.5%)、3位が新型コロナウイルス(41万6,893人、シェア12.0%)と、2021年から順位は変わっていないが、3位の新型コロナは前年のシェア10.4%から上昇した。
2021年の合計特殊出生率もわずかに増加しており(2020年:1.64、2021年:1.66、2022年5月25日記事参照)、これらを踏まえると、人口増の鈍化傾向に歯止めがかかったようにみられるが、新型コロナ禍からの反動が大きい可能性もある。人口動態は経済成長に大きく影響を与えることなどから、2023年以降も米国の人口増が続くか注目される。
(宮野慶太)
(米国)
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