9月のカナダ消費者物価指数、前年同月比6.9%上昇

(カナダ)

トロント発

2022年10月20日

カナダ統計局が1019日に発表した9月の消費者物価指数(CPI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、前年同月比で6.9%上昇し、8月の上昇率(7.0%、2022年9月21日記事参照)0.1ポイント下回り、3カ月連続で伸びが減速した(添付資料表参照)。

統計局によると、9月の物価上昇率減速の主因はガソリン価格の下落だ。前月比でみると、世界的な原油供給量の増加から、ガソリンは8月の9.6%減に続き9月も7.4%減で、3カ月連続で下落した。前年同月比では、8月の22.1%増から9月は13.2%増と伸びが鈍化した。

ただ、食料品は前年同月比10.3%増で、このうち家庭用食品は11.4%増と、19818月(11.9%増)以来の上げ幅となった。家庭用食品は、天候不順、肥料や天然ガスなどの生産コスト上昇、さらにロシアのウクライナ侵攻に起因する地政学的な要因などにより、202112月から10カ月連続で全品目のCPIを上回るペースで上昇している。

また、食品とエネルギーを除いた物価指数は前年同月比5.4%増で、8月の5.3%増と同程度の上昇となった。中でも、耐久財の家具(812.2%増、913.3%増)や乗用車(87.3%増、98.4%増)の上昇が加速した。

発表を受けて、TDエコノミクスのマネージング・ディレクター兼シニアエコノミストのレスリー・プレストン氏は「中央銀行は今年これまでに3.0ポイントの利上げを行い、その影響は住宅から個人消費に至るまで経済全体に及び始めているものの、CPIは目標範囲の13%から2ポイント以上離れており、さらなる需要減退が求められている」とした上で、「本日の統計局発表は、来週の中銀政策金利発表での0.5ポイントの大幅な利上げの必要性を強調するものだ。年内に(金利が)4%に到達すれば、(中銀は)利上げをいったん停止する方向に近づく」と予想した(TDエコノミクス1019日)。一方、モントリオール銀行(BMO)のマネージング・ディレクター兼チーフエコノミストのダグラス・ポーター氏は「来週、中銀は0.75ポイントの利上げを行うと予想する。この場合、金利は4.0%となるが、利上げはこれで終わらず、12月にはさらに0.25ポイントの利上げがあるものと予想する」とコメントした(BMOエコノファクツ1019日)。

次回の政策金利発表は1026日に予定されている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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