トヨタと米ケンワース、ロサンゼルス港などで燃料電池トラックの実証実験完了

(米国、英国、日本)

ヒューストン発

2022年09月26日

トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(本社:テキサス州プレイノ)は922日、米国ケンワース・トラック・カンパニー(本社:ワシントン州シアトル)と、共同開発したクラス8(注)の燃料電池トラックの性能に関する実証実験が完了したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表によると、本実証実験はロサンゼルス港、ロサンゼルス盆地、南カリフォルニアのインランド・エンパイア地域で実施された。本燃料電池トラックの、自動車連結車両総重量(GCWR82,000ポンド(約37.2トン)まで満積載した場合の航続距離は300マイル(約483キロ)以上に及ぶという。また、1520分の充填(じゅうてん)時間で、1日に複数シフト走行し、最長400500マイル(約644805キロ)まで走行が可能としている。

ケンワースはクラス8のトラックを設計・製造し、トヨタは水素を動力源とするパワートレインの燃料電池システムを設計・製造した。本燃料電池トラックは一般的なディーゼルエンジン搭載のトラックと比較して、トラック1台当たり年間74.66トンの温室効果ガス(GHG)削減を実現したとしている。また、英国石油大手シェル(本社:ロンドン)は、本燃料電池トラックに燃料を供給するため、カリフォルニア州に合計3基の水素ステーションを建設し、本実証実験に貢献したという。

カリフォルニア州内の中型・大型トラックは、登録車両台数シェアは約3%にすぎないものの、路上のGHG排出量では約23%を占めるとされている。ロサンゼルス港は、2035年までにドレージ用自動車のゼロエミッション化を目指すと発表している。

トヨタグループは、米国において燃料電池に関する取り組みを積極的に進めており、20228月に、米国のトヨタ・リサーチ・インスティテュートが、ノースウェスタン大学と燃料電池自動車の効率を高める新しい材料の発見における提携を発表している(2022年8月25日記事参照)ほか、トヨタ・モーター・ノース・アメリカは、米国国立再生可能エネルギー研究所と協力し、メガワット級の燃料電池システムの開発で提携すると発表している(2022年8月26日記事参照)。

(注)人員、貨物などを含む車両総重量が33,001ポンド(約15.0トン)以上の重さの大型トラック。

(沖本憲司)

(米国、英国、日本)

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