米トヨタ・リサーチ・インスティテュートとノースウェスタン大学、輸送部門脱炭素化の新材料発見で提携

(米国、日本)

ヒューストン発

2022年08月25日

人工知能(AI)などの研究を実施している米国のトヨタ・リサーチ・インスティテュート(本社:カリフォルニア州ロスアルトス、以下TRI)は817日、ノースウェスタン大学(イリノイ州エバンストン)と、輸送部門のエネルギー転換を推進する新材料の発見に向けて提携すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回の提携は、AIを用いて膨大なデータセットを探索し、必要なデータを収集した後、所定の用途に最適な材料を見つけるもので、従来の試行錯誤による手法に比べてはるかに効果的としている。

両者はまずは、燃料電池自動車の効率を高めるための新しい材料の発見を目指す。本手法を活用することで、クリーンな水素製造、大気からの二酸化炭素(CO2)の回収、高効率太陽電池など、将来的に幅広い用途に応用できるとしている。

両者は、高速で材料合成が可能なAIアルゴリズムを開発し、世界が依存しているプラチナやイリジウムといった高価で希少な材料の代わりに使用できる材料を発見しようとしている。

今回の共同研究以前は、AIアルゴリズムの学習のために低品質で一貫性のないデータセットが用いられていたが、ノースウェスタン大学との提携により、高品質のデータセットを使用して複雑なアルゴリズムを学習させることができ、材料を迅速かつ客観的に発見することが可能になったとしている。

TRIのエネルギー・材料部門のシニアディレクターであるブライアン・ストレー氏は「CO2を排出せずに、モビリティへの拡大する需要に対応することは大きな課題だ」「ノースウェスタン大学との提携を通じて、輸送部門の脱炭素化のためのバッテリーや燃料電池に使用できる新材料の試験や発見にかかる時間を大幅に短縮できている」と述べている。

ノースウェスタン大学のジョージ・ラスマン教授は「TRIと協力して、クリーンエネルギー転換を後押しする最高の材料を見つけるための態勢を整えることができる」と期待を寄せている。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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