新型コロナワクチンパス対象年齢を引き下げ、接種率向上へ

(香港)

香港発

2022年09月12日

香港特別行政区政府は9月8日、新型コロナウイルスワクチン接種者にのみ飲食店や商業、娯楽施設などの利用を認める「ワクチンパス」について、対象年齢を拡大すると発表した。従来は12歳以上を対象としていたが、9月30日から5~11歳の子どもにも適用する(2022年2月9日5月31日記事参照)。

5歳から11歳に対する「ワクチンパス」の要件は以下のとおり。

  • 9月30日以降:2回接種者、もしくは1回目接種から3カ月未満の者
  • 11月30日以降:2回接種者

香港政府はまた、12歳以上に対する「ワクチンパス」の要件について、従来の「3回接種者、もしくは2回目接種から6カ月以内の者」から以下のとおり変更するとした。

  • 9月30日以降:3回接種者、もしくは2回目接種から5カ月以内の者
  • 11月30日以降:3回接種者

香港政府報道官は「新型コロナ流行の第5波(注)以降、3~11歳の子ども6人の感染後の死亡が確認されている。いずれもワクチン接種歴がないか、接種回数が1回のみだった」と指摘。その上で、5~11歳のワクチン2回接種率を現状の70%からさらに引き上げる必要があるとの認識を示した。

「ワクチンパス」は、モバイルアプリでスマートフォン上にQRコードを表示させて使用するもの。対象年齢の引き下げにより、本人がスマートフォンを所有していない可能性もあり、その際はあらかじめQRコードを印刷した紙を持参するか、保護者などのスマートフォンなどに保存したQRコードの写真を提示することで代用できるとしている。また、保護者は「医健通(eHealth)」アプリに子どもをマイファミリーメンバーとして登録できるほか、今後は「安心出行(LeaveHomeSafe)」アプリでも、保護者と子ども両方のワクチンパスを保存することができるよう、機能が追加されるという。

(注)香港では一般的に、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大開始を「第1波」、同年3月中旬以降の輸入症例拡大を「第2波」、同年7月中旬以降と11月下旬、2021年12月末以降の域内感染拡大をそれぞれ「第3波」「第4波」「第5波」と呼んでいる。

(山口雅史)

(香港)

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