香港、入境者に対する強制隔離措置を撤廃、往来の正常化へ
(香港)
香港発
2022年09月26日
香港特別行政区政府(以下、香港政府)トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は9月23日の記者会見で、海外から香港への入境者に義務付けている指定検疫ホテルでの強制隔離措置を撤廃すると発表した。これまでの「3+4(3日間の強制隔離と、4日間の健康観察)」から、「0+3(3日間の健康観察のみ)」に変更される。適用は9月26日から。
香港政府の発表によると、日本を含む海外からの新たな入境要件は以下のとおり。
- 渡航前(出発予定時刻)24時間以内に実施した迅速抗原検査の陰性結果を衛生署のオンラインサイトに登録(従前は渡航前48時間以内に実施したPCR検査の陰性証明が必要とされていた)。
- 香港在住者(香港IDまたは長期滞在査証を保持者)に限り、搭乗前のワクチン接種完了要件を撤廃。
- 空港到着時にはPCR検査を受検。ただし、空港内で検査結果を待つ必要はなく、公共交通機関などにて自宅や一般のホテルへの移動が可能。
- 到着日を0日目として、0日目(上述の空港到着時の受検)、2日目、4日目、6日目にPCR検査を受検。また1日目から7日目まで毎日、迅速抗原検査を実施。
なお、3日間の健康観察期間中は、ワクチンパス(2022年8月26日記事参照)で黄色のQRコードが表示される。表示が黄色の間は、公共交通機関の利用、出勤、ショッピングモールや百貨店、市場などへの出入りは可能だが、飲食店、フィットネスセンター、美容院などに立ち入ることはできない。
香港政府報道官は、新型コロナウイルス感染対策に関する今回の変更について、7月から9月にかけての感染者数および入院・重症・死者数が、〔感染拡大第5波(注)が急速に拡大した〕2月から4月の期間に比べ、はるかに少なくなっていると指摘。また、香港の全人口に占めるワクチン2回接種率が、2022年初め時点の70%未満から90%以上に上昇したと言及した。加えて、7日間の強制隔離措置から「3+4」の措置への変更(2022年8月10日記事参照)を適用した8月12日以降、インバウンド旅行者が20%増加した一方で、香港への到着乗客数に占める輸入症例の割合は減少傾向を示したと説明した。
中国本土およびマカオからの入境者に対する措置も変更
香港政府はあわせて、中国本土、マカオからの入境者に対する措置(2022年9月6日記事参照)についても、以下のとおり変更すると発表した。
- 事前の申請、入境前のPCR検査を廃止。
- 入境後の自宅などでの隔離措置を撤廃し、入境後3日目までを自己観察期間とする。
- 入境後2日目にPCR検査を受検。
(注)香港では一般的に、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大開始を「第1波」、同年3月中旬以降の輸入症例拡大を「第2波」、同年7月中旬以降と11月下旬、2021年12月末以降の域内感染拡大をそれぞれ「第3波」「第4波」「第5波」と呼んでいる。
(山口雅史)
(香港)
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