BtoB見本市への参加、入境4日目から可能に
(香港)
香港発
2022年08月26日
香港特別行政区政府は8月23日、海外から香港への入境者を対象とした新型コロナウイルス防疫措置の一部緩和を発表。25日から入境後3日間(3泊)の強制隔離終了後、4日目からBtoBの見本市や、事業関係者を対象とした会議への参加を可能とした。
香港政府は8月12日から、入境者に対する指定検疫ホテルでの強制隔離期間を7日間から3日間に短縮。7日目までは健康観察期間、10日目まで自己観察期間とし、健康観察期間中は当日の迅速抗原検査が陰性の場合には、公共交通機関の利用や出勤が可能としている(2022年8月10日記事参照)。他方、8月9日からはワクチンパス(2022年2月9日記事参照)で、接種記録をひもづけたQRコードに色による識別を導入。陽性者は赤色、海外からの入境者は健康観察期間が終了する入境7日目まで黄色が表示される。表示が黄色の間は、バーや飲食店の店内利用に加え、見本市への立ち入りも禁止していた。
今回の措置は、入境者の強制隔離期間終了後、黄色のQRコード所持者に対し、BtoBの見本市や会議に限って参加を可能としたもの。参加可能となる要件は次のとおり。
- 講演中のスピーカーを除いて、イベント中の全参加者がマスクを着用。
- BtoBのイベントであること。
- 主催者は施設へ入場する参加者の事前登録を求める。
見本市業界はさらなる緩和に期待
香港政府は今回の変更の背景について、BtoBの見本市や会議など関連活動への参加は、出勤して職場で業務を遂行することと本質的には変わらないためと説明している。
香港貿易発展局(HKTDC)の林建岳(ピーター・ラム)会長は、同措置が発表された8月23日、今回の発表を歓迎するとHKTDCのウェブサイト上で表明。見本市はBtoBとBtoCを組み合わせて開催されるかたちが世界的な趨勢(すうせい)なことに触れつつ、黄色のQRコード所持者が一般消費者向けの見本市にも参加可能となるよう望んでいるとした。
香港政府は国際都市としてビジネス往来の重要性を認識しており、入境者に対する制約は徐々に緩和の方向に向かっている。ただし、隔離措置なしで往来可能となっている欧米やASEANなどの多くの国・地域に比べると、入境者の負担は依然として重く、さらなる緩和を望む声が聞かれる。
(山口雅史)
(香港)
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