OPECプラス、10月は原油減産で合意
(世界、中東、サウジアラビア、ロシア)
中東アフリカ課
2022年09月07日
「OPECプラス」(注1)は9月5日、第32回閣僚級会合をオンラインで開催し、10月は原油の追加増産を行わず、2022年8月の生産水準に戻すことで合意した。
OPECは6月に決定した追加増産方針に従い、8月までは日量64万8,000バレルの増産ペースを維持することで合意していたが、9月は増産幅を大幅に縮小し、日量10万バレルの増産とした(2022年8月5日記事参照)。10月からは方針転換し、小幅だが減産に踏み切るかたちとなった。
また、OPECは同日付のプレスリリースで、変動性・流動性の低さが原油市場に及ぼす悪影響と、市場の安定性やその効率的な機能を支援する必要性に言及している。このコメントについては、サウジアラビアのアブドゥルアジーズ・ビン・サルマン・エネルギー相が8月22日、米国ブルームバーグのインタビューにおいて、同じく現在の原油市場は実際の需給関係を適切に反映していないと述べ、今後OPECプラスが減産を含む対応を取る可能性を示唆していた(2022年8月26日記事参照)。
原油価格は6月中旬ごろから下落傾向が続いている(添付資料図参照)。米国エネルギー情報局(EIA)の統計によれば、8月29日時点で米WTIが1バレル当たり97.4ドル、8月26日時点で北海ブレントが101.13ドルとなっている。
次回の第33回会合は10月5日に開催の予定(注2)。
(注1)サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などOPEC加盟国と、ロシア、メキシコなど非加盟の産油国で構成される。
(注2)なお今回の会合で、市場動向に対応するため、必要に応じていつでもOPECプラス会合を招集できるようにすることでも合意があった。
(久保田夏帆)
(世界、中東、サウジアラビア、ロシア)
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