秋冬の新型コロナ感染防止策、10月1日から適用
(ドイツ)
ベルリン発
2022年09月16日
秋冬の新型コロナウイルス感染拡大に備え、感染防止策を定めた感染症予防法の改正案が9月8日、ドイツ連邦議会(下院)で可決された。9月16日の連邦参議院(上院)での承認を経て、施行となる見込みだ。
全国一律の主な規制は、長距離公共交通機関などでのマスク着用義務だ。都市封鎖(ロックダウン)、夜間外出禁止令、学校閉鎖などは行われない。このほかの追加措置は各州が定める。適用期間は、10月1日から2023年4月7日まで。
主な措置は以下のとおり。
【全国一律で適用される規制】
- 長距離公共交通機関:長距離鉄道やバスでのマスクの着用義務。着用するマスクは、14歳以上はFFP2マスク、6歳以上13歳以下は医療用マスク。5歳以下は着用義務なし。また飛行機内での着用義務なし。
- 医療機関・介護施設:FFP2マスク着用と新型コロナ検査の陰性証明の提示が義務。
【各州の権限で感染状況に応じて適用可能となる規制】
- 近距離公共交通機関:FFP2マスクまたは医療用マスクの着用義務。
- 小売店などの屋内:FFP2マスクまたは医療用マスクの着用義務。
- 飲食店、文化・スポーツ施設など:FFP2マスクまたは医療用マスクの着用義務、あるいは新型コロナウイルス検査の陰性証明の提示義務。ただし州政府は、マスク着用や陰性証明提示の義務を、3カ月以内のワクチン接種証明、回復証明保持者には免除することができる。
- このほか、感染状況が悪化した場合、医療システムや社会基盤サービスなど重要インフラの機能を維持するため、小売店やイベント会場など屋内施設における入場者数の制限などの追加措置を講じることができる。
また、職場における新型コロナウイルス感染予防策を定めた新型コロナ労働者保護政令も、感染症予防法改正案にあわせて公布される予定だ(注)。在宅勤務については、雇用主には業務上不都合がない場合に従業員に在宅勤務を提案することが義務付けられる一方で、従業員は在宅勤務を行うかどうか自分で選択できる。適用期間は、10月1日から2023年4月7日まで。
【職場における主な感染予防対策】
- 1.5メートルの対人間隔の確保。
- 消毒液の設置などの衛生措置、くしゃみやせきエチケットの順守、室内換気。
- 業務での人との接触機会を低減させる。
- 業務上、不都合がない限り、在宅勤務を従業員に提案する。
- 在宅勤務ができず出勤する従業員への新型コロナウイルス検査の提供。
- 職場において、対人間隔を確保できない、身体的接触を伴う業務、執務室を同時に利用する人数が多いなど十分な感染予防対策をとれない場合は、従業員への医療用マスクの提供義務や、従業員にはマスク着用義務が課される。
(注)これまでの新型コロナ労働者保護政令(2022年3月23日記事参照)は、感染状況が落ち着いたため、有効期限を延長せず5月に失効した。そのため今回、新たな内容で政令案が作成された。
(中村容子)
(ドイツ)
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