全国一律の新型コロナ規制を大幅緩和、今後は各州政府が追加措置導入、職場の感染対策は企業責任に
(ドイツ)
ベルリン発
2022年03月23日
ドイツ連邦参議院(上院)は3月18日、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を定める感染症予防法の改正案を承認した。全国一律の行動制限などの措置は基本的な予防措置を除き撤廃され、今後は各州政府が感染危険地域を「ホットスポット」に指定し、感染対策を講じる。なお、移行措置として、各州政府は3月19日までの規制を最長で4月2日まで延長することが可能なことから、各州の規制を確認する必要がある(注)。3月18日には新規感染者数が過去最多の29万7,875人を記録しており、足元の感染状況を踏まえ、3月末あるいは4月2日まで延長している州が相次いでいる。
3月20日から9月23日まで適用される主な措置は以下のとおり。
〇継続される基本的な予防措置
- マスク着用義務:公共交通機関、医療機関や介護施設などの特定の場所のみ。
- 新型コロナウイルス検査義務:学校や医療機関・介護施設など。
〇各州が「ホットスポット」を指定し講じる追加措置
各州政府は、感染率、医療逼迫状況、変異株の感染力などを勘案し、感染状況が悪化した地域を「ホットスポット」に指定し、マスク着用義務の強化、対人距離の確保、ワクチン接種証明などの証明書提示義務など、追加的な感染予防措置を講じる。
職場の感染対策は企業が策定
職場における感染対策を定めた、新型コロナ労働者保護政令の改正案が3月16日に閣議決定された。同20日に施行され、有効期限は5月25日までとなる。これまで同政令に基づき連邦レベルで規定されてきた職場における感染予防対策は、企業が所在地域の感染状況と業務の特性を勘案し、企業の判断と責任の下で策定する。
同政令に定められた主な職場内感染予防策は、以下のとおり。
- 基本対策:対人距離の確保、衛生措置、マスク着用、定期的な換気など。
- 新型コロナウイルス検査:出勤する従業員に週1回の無料検査を提供。
- 職場内の接触低減:室内スペースの利用者数を削減し、業務における社員間の接触を低減。
- 在宅勤務:在宅勤務の義務規定は撤廃された。しかし、接触削減を図る観点から、事務作業などの業務従事者については在宅勤務の可能性を検討。
(注)各州の行動規制の詳細は、在ドイツ日本大使館のウェブサイトの新型コロナウイルスに関する最新情報を参照。
(中村容子)
(ドイツ)
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