火災事故の米フリーポートLNG、11月に一部操業再開、2023年3月に完全稼働目指す
(米国)
ヒューストン発
2022年08月24日
米国テキサス州の液化天然ガス(LNG)製造施設のフリーポートLNGを運営するフリーポートLNGデベロップメント(FLNG、本社:テキサス州ヒューストン)は8月23日、2022年11月に一部操業再開、2023年3月に完全稼働を目指すと発表した。
FLNGは、2022年6月8日の火災事故後、天然ガスの液化施設の再稼働のための代替案を策定していた。今回、その詳細な評価を終え、一部操業再開のための復旧計画を決定したとしている。
復旧計画では、11月初旬から中旬にかけて初期生産を開始し、11月末までに、本施設の輸出能力の85%相当にあたる日量20億立方フィート(約5,663万立方メートル)の生産を想定している。さらに2023年3月には、本施設の輸出能力の100%まで生産を引き上げ、完全稼働再開を想定している。施設の復旧に必要なエンジニアリング、調達、再建設は米国キウイット・エナジーに委託するとしている。発表では、キウイットについて、新規および既存ガス井の開発、大規模および中小規模のLNGプロジェクトを含め、LNG施設に関する豊富な経験を有していると説明している。
また、FLNGは、安全で確実な操業再開に向け、今回発表した復旧計画や是正措置を履行するため、米国運輸省パイプライン・危険物安全管理局、米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)、米国沿岸警備隊、そのほかの規制当局の代表者と緊密に連携を図っているとしている。
FLNGでは、6月8日に火災が発生した(2022年6月13日記事参照)が、当初3週間程度と発表されていた稼働再開時期は2022年後半に後ろ倒しになるなど、稼働停止の長期化が懸念されていた(2022年6月15日記事参照)。また、規制当局がFLNGに対して安全命令を出し、必要な是正措置策定を求めたことについて(2022年7月1日記事参照)、FLNGが8月3日に規制当局と是正措置などに関する合意書を交わすなど、操業再開に向けた動きが進められている(2022年8月4日記事参照)。
(沖本憲司)
(米国)
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