香港でジョン・リー新政権が発足

(香港)

香港発

2022年07月05日

香港の中国返還から25周年を迎えた7月1日、香港特別行政区トップの行政長官に李家超(ジョン・リー)氏が就任した。当日の就任式には、中国の習近平国家主席のほか、国務院香港・マカオ事務弁公室の夏宝龍主任、中央人民政府駐香港特別行政区連絡弁公室の駱惠寧主任など中央政府高官も参加した。

李長官は5月8日に実施された行政長官選挙で、過去最高の得票率を得て当選していた(2022年5月11日記事参照)。新政権主要幹部については、添付資料図参照。

政権ナンバー2である政務長官には、李長官と同様、警察・治安畑(出入境)の経験が長く、前政権で行政長官事務所主任を務めた陳国基(エリック・チャン)氏が就任した。その他、李長官を支える財務長官には、陳茂波(ポール・チャン)氏が留任し、新型コロナウイルスなどの影響を受けて打撃を受けた香港経済回復に向けて、引き続き指揮を執る。司法長官には、香港大律師(バリスター)公会の元首席で大湾区弁護士資格(2021年6月28日記事参照)を保持する林定国(ポール・ラム)氏が就任した。

局長級(日本の大臣に相当)をみると、企業活動や産業の支援を担当する商務・経済発展局長に丘応樺(アルジャーノン・ヤウ)が就任した。丘氏は新規設立された大湾区航空の最高経営責任者(CEO)で、キャセイドラゴン航空のCEOを務めるなど航空業界に明るい。スタートアップやイノベーション促進担当の創新科技・工業局長は、北京生まれで自ら起業経験もある孫東氏が就任した。その他、都市計画やインフラ整備を管轄する発展局長には、寧漢豪(バーナデット・リン)氏が、環境・生態局長には謝展寰氏が、それぞれ内部昇格した。

就任式で、李長官は「全面的かつ正確に、『一国二制度』『港人治港(香港人による香港統治)』、高度な自治を実施し、国家の主権、安全、発展の利益を守りながら、香港を長期的安定と繁栄を確保する」と決意を述べた。

(渕田裕介)

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