米FDA、オミクロン株新派生型に有効な改良ワクチン開発を製薬企業に要請
(米国)
ニューヨーク発
2022年07月01日
米国食品医薬品局(FDA)は6月30日、諮問委員会の28日の新型コロナウイルス用ワクチンに関する討論を経て、2022年秋から追加接種として使用する新型コロナワクチンのオミクロン株に対抗する要素を含めることを推奨すると投票した委員が圧倒的多数を占めたと発表した。FDAは、科学的実証を基にワクチンメーカーに対して、既存のワクチンを同年秋からの追加接種用に改良し、オミクロン株の新派生型「BA.4」と「BA.5」に有効な改良版を開発していくよう要請したとしている。
これら2種の新派生型に関して、米国のモデルナは22日、同社の改良ワクチンの有効性が確認されたと発表している。同社は同月8日の発表で、新型コロナウイルスに対する改良ワクチンの臨床試験で接種から1カ月後のオミクロン株への有効性が現時点で利用可能な同社製ワクチンよりも高い結果が出たと明らかにし、新派生型への効果を今後検証するとしていた(2022年6月10日記事参照)。今回、新たな実験データで、過去の感染有無にかかわらず全被験者(2回接種に加え、追加1回接種済み)で「BA.4」「BA.5」に対する強力な中和抗体反応が確認できたという。同社のステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は「これらのデータを緊急に規制当局に提出し、2022年の初秋にもオミクロン亜変異体による感染が増加するのに備え、8月から次世代のブースターワクチンを供給する用意を進めている」と述べている。
また、ファイザー・ビオンテックは6月25日、同社の改良ワクチンは、追加接種として接種した場合に、オミクロン株「BA.1」に対して高い有効性があると発表した。「BA.4」と「BA.5」に対しては、「BA.1」に対する効果の3分の1程度だとし、今後数週間にわたり「BA.4」と「BA.5」に対する研究結果を収集するとしている。
(吉田奈津絵)
(米国)
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