香港新政権にウィズコロナ政策への転換期待も、在香港日系企業アンケート調査
(香港、日本)
香港発
2022年07月27日
ジェトロは在香港日本総領事館、香港日本人商工会議所と共同で、在香港日系企業などを対象にした「第10回 香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査」を実施し(7月4~8日)、その結果を7月27日にジェトロウェブサイト上に調査レポートとして公開した。主なポイントは以下のとおり。
DI値は前期から大幅低下も、今後の見込み値は上昇
2022年1~6月期のDI値(注)は、前期の2021年7~12月期と比べて35.8ポイント低下のマイナス16.7となった。2022年7~12月期のDI値(見込み値)は同年1~6月期より34.5ポイント上昇する17.8となった(添付資料図参照)。
業績悪化の最大要因で「新型コロナウイルス」が7割以上
業績への最大の影響要因について尋ねたところ、「新型コロナウイルス」と回答した企業が71.6%と最も多く、次いで「中国の景気動向」が11.5%だった。13.6%を占めた「その他」の中では「輸送費の高騰」「サプライチェーンの停滞」などの回答が多かった。
国家安全維持法により約6割が「影響は生じていない」
香港国家安全維持法施行について「大いに懸念している」(7.8%)、または「懸念している」(33.3%)との回答は全体の41.1%となった。一方、法施行の影響について「影響は生じていない」との回答が57.3%と最も多く、「現時点では分からない」が24.2%と続いた。「マイナスの影響が生じている」は17.1%にとどまった。
3割以上が「本社は香港の実情を悲観的に認識」
本社による香港の評価は32.5%が「悲観的に認識している」と回答し、「実情を正確に把握している」(24.8%)を上回った。悲観的に認識する要因としては、「日本国内での報道が悲観的過ぎるから」が65.9%を占めて最大。悲観的に認識することによるビジネスへの影響として、「拠点縮小の検討を指示されたり、促されたりしている」との回答が47.5%となった。
8割以上が「ダイナミックゼロコロナ政策によるマイナスの影響あり」
中国本土や香港における新型コロナウイルス対策のダイナミックゼロコロナ政策による直接的な影響について尋ねたところ、「マイナスの影響が生じている」と回答した企業は84.1%に上った。その理由として「往来の制限により事業活動に支障をきたしている」が多かった。
香港新政権に、7割がウィズコロナ政策への転換や入境規制の緩和を期待
香港特別行政区政府で7月1日に発足した李家超(ジョン・リー)新政権(2022年7月5日記事参照)への期待について自由記述形式で尋ねたところ、足元の課題解決として、「ウィズコロナ政策への転換」「往来制限の早期撤廃」に関する期待が約7割を占めた。中長期的な政策としては「香港のビジネス環境や優位性の維持」に期待する声が寄せられた。
(注)DI値はDiffusion Indexの略で、「改善」と回答した企業の割合から「悪化」「大幅悪化」とした企業の割合を差し引いた数。
(横田覚)
(香港、日本)
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