北京市、新エネルギー車の買い替えに最大1万元補助
(中国)
北京発
2022年07月01日
中国・北京市商務局など7部門は6月26日、「自動車の買い替えの奨励に関する方案」を発表した。条件を満たす新エネルギー車(注1)の買い替えに当たり、最大1万元(約20万円、1元=約20円)の補助金を支給する。
同法案では、2022年6月1日から12月31日までの期間に、1年以上、自己名義で登記している乗用車を廃車または他者へ移転登録し、新エネルギー車を購入する消費者を補助対象としている。具体的には、新エネルギー車または、所有期間が1年以上6年未満の新エネルギー車以外の乗用車(ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車などを含む)からの買い替えについて、8,000元を補助する。所有期間が6年以上の新エネルギー車以外の乗用車からの買い替えについては、1万元を補助する。2022年7月1日から2023年2月28日までにオンライン上で申請し関連手続きを完了すれば、補助金が消費者個人の銀行口座に振り込まれる。
中国では、各地での新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、社会消費品小売総額が3月、4月、5月と3カ月連続で前年同月比マイナスとなっている(2022年6月21日記事参照)。この状況を踏まえ、一部乗用車の車両取得税の半減や、中古車の移転登記制限の撤廃による中古車市場の活性化など、自動車の消費振興に向けた取り組みが相次いでいる(2022年6月6日記事参照、2022年6月29日記事参照)。
中国自動車流通協会専門家委員会の顔景輝委員は、新エネルギー車のナンバープレート割り当て拡大(注2)に加えて、今回の補助金政策が実施されることで、下半期の北京市の新エネルギー車販売台数は大幅に増加することが見込まれると評価した。また、新エネルギー車への買い替えを目的とした他者への移転登録によって、中古車市場の活性化も期待されると指摘した(「北京商報」6月27日)。
なお、北京市の「第14次5カ年(2021~2025年)規画」では、2025年までに北京市における新エネルギー車の累計保有台数を200万台にすることを目標としている。北京市の発表では、同市の新エネルギー車の累計保有台数は、2021年末までに50万7,000台に達している(「第一財経」2月11日)。
(注1)同方案で言及されている新エネルギー車は、小型の純電動乗用車を指す。
(注2)北京市は5月26日、2022年の北京市の新エネルギー車のナンバープレートの発給枚数を6万枚から7万枚に引き上げると発表した(「北京日報」5月24日)。
(張敏)
(中国)
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