貿易の安定に向けた13項目の措置を発表

(中国)

北京発

2022年06月07日

中国の国務院は5月26日、「貿易の安定と質の向上の推進に関する意見」(国弁発〔2022〕18号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。輸出入企業の直面する問題の解決を支援し、貿易の安定と質の向上、経済と産業チェーン・サプライチェーンの安定に資するため、13項目の措置と実施を担当する政府部門などを定めたもの。

通知では、各地方政府に対して輸出入企業に対するサービスを保障する制度を確立し、能動的に企業の抱える問題を把握・解決するように求めた。新型コロナウイルスの感染リスクが高い地域については、感染予防を徹底すると同時に、重点輸出入企業、関係する物流企業、人員のリストを作成し、生産回復を支援しサプライチェーンの安定を保障するよう指示した。

また、貨物の滞りない物流を保障するという方針(2022年4月13日記事参照)に基づき、輸出入企業の貨物を重点物資として支援の対象にするとした。空港・港での貨物の積み下ろしの円滑化や、航空便による重要部品、設備、製品の輸送の保障なども定めた。通関効率の向上や、海上運賃の先物制度の検討なども進める。

その他、人民元決済の円滑化、市場開拓に向けた展示会のデジタル化推進、中古車輸出の拡大支援などを行う。

中国国際貿易促進委員会(CCPIT)研究院の趙萍副院長は、外需は旺盛にもかかわらず、中国内の新型コロナウイルス拡大の影響によりサプライチェーンに問題が生じたことで、企業の生産・経営効率が影響を受けており「物流に関する問題を解決することが、貿易の安定にとって重点の中の重点だ」と物流改善の重要性を強調した(「新華網」5月26日)。

中国の4月単月の貿易総額(ドル建て)は輸出額が前年同月比3.9%増の2,736億ドル、輸入額が横ばいの2,225億ドルとなり、輸出の伸びは3月の14.7%から10ポイント以上下落した。4月の貿易貨物輸送量についても輸出が前年同月比11.3%減、輸入が7.3%減と大幅に減少している(2022年5月13日記事参照)。

(河野円洋)

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