国務院、新型コロナ対策下でも物流を保障するよう地方政府・政府機関に通知
(中国)
北京発
2022年04月13日
中国国務院の新型コロナウイルス防疫メカニズムは4月11日、「貨物の滞りない物流保障業務の適切な実施に関する通知」(国弁発明電〔2022〕3号)を発表した(文書は4月10日付)。医療・防疫物資や生活必需品、政府備蓄物資、郵便・宅配便などの民生物資、農業、エネルギー、原材料などの重要生産物資を重点として、滞りない物流を保障する適切な措置を取るよう地方政府・政府機関に通知した。
中国では新型コロナウイルス感染拡大を受け、各地で物流に関する規制が強化されており(2022年4月5日記事、2022年4月11日記事、2022年4月11日記事参照)、封鎖管理が行われている上海市では、食料品の入手が困難になっているとも報じられている(「新華網」4月11日)。
通知では、各地方政府や関連部門が独自の判断で高速道路を含む道路や航路・閘門(こうもん)を封鎖することを禁じている。また、高速道路のサービスエリアや港、駅、空港の閉鎖や、外航船員の交代を妨げることも禁じている。感染者や濃厚接触者の発生により封鎖・閉鎖などが必要な場合も、実施には省レベルの新型コロナウイルス防疫メカニズム(もしくは領導小組、指揮部)の審査・許可が必要となる。空港の閉鎖や省をまたぐ航空便、国際便の停止は国務院もしくはその関連部門の審査・許可が必要とされている。
また、貨物輸送車両や運転手の通行を根拠なく妨げることや、車両登録地、運転手の戸籍登録地などを通行制限の条件にしたり、運転手や船員の行程コード(注)が緑色であるにもかかわらず、アスタリスクが付いていることを理由として車両や船舶の通行、停車・停泊を制限したりすることを禁じる。
全国統一の重点物資輸送車両通行証制度の整備や、郵便や宅配便を住民生活の重点として関連車両の通行も保障する。企業に対しては、作業場の防疫の精確性を向上させるよう、ECプラットフォームと宅配便関連企業を指導する。
通知にはその他、物流関連企業に対する税・社会保障費用の減免や金融面の支援、物流業従事者への支援などが盛り込まれている。
(注)携帯電話の基地局との通信データを利用し、直近14日間で訪問した都市、国・地域の履歴を管理するコード。専用アプリや微信(WeChat)、支付宝(Alipay)のミニプログラム上などで発行される。現時点では、直近14日間に中国本土、香港、マカオ、台湾に滞在していれば緑色、それ以外に滞在した履歴がある場合は黄色で表示される。表示対象の都市に中・高リスク地域がある場合、都市名の右上にアスタリスクが表示される。
(河野円洋)
(中国)
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