カナダ渡航者への新型コロナ関連国境措置、少なくとも6月30日まで延長

(カナダ)

トロント発

2022年06月07日

カナダ保健省およびカナダ公衆衛生庁は5月31日、カナダへの渡航者に対する現行の国境措置を少なくとも2022年6月30日まで延長すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

外国人渡航者は、これまでどおり入国時にワクチン接種完了済みであることを証明する必要がある。加えて、連邦政府指定の情報登録フォーマット「ArriveCAN」のスマホアプリ版外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますまたはウェブサイト版外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを用いた健康情報の提出が義務付けられるとともに、入国後の無作為検査(2022年4月27日記事参照)も継続される。

カナダでは、旅行需要が急拡大する中、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国境措置は継続している。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大により、渡航者の出入国検査などを担当する空港職員が削減されたこともあり、カナダに到着後、すぐに空港を出られない入国者や、空港到着後、何時間も待たされ、飛行機に乗り遅れる出国者が出るなどの問題が生じていた。これに対処するため、オマー・アルガブラ運輸相らは5月27日、空港で従事するカナダ航空輸送安全局(CATSA)やカナダ国境サービス庁(CBSA)の職員の増員などを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたが、空港を運営する業界は、政府の対応を評価するものの、これでは不十分として、国境措置を含めた規制の緩和を求めている。カナダ空港評議会のモネット・パッシャー暫定会長は「空港に対する圧力を直ちに軽減するために、(1)空港での強制検査の撤廃、(2)税関検査場や出入国審査でのカナダ公衆衛生庁による健康確認に関する重複質問の撤廃、(3)空港で従事するCATSAやCBSAの職員に対する予防接種の義務付けの撤廃について、短期間で具体的な行動をとるよう求める」とコメントした。

他方、ジャスティン・トルドー首相は翌6月1日、「新型コロナウイルス感染の流行が収束したように振る舞いたくとも、現実はまだ収束していない。新型コロナウイルスで死亡する国民は後を絶たない。新型コロナが流行する前の状況に早く戻りたいという気持ちは分かるが、(感染拡大による)波が来た場合には、観光産業にさらにダメージを与えることになる」と記者団に語り、政府の措置継続へ国民の理解を求めた(CTVニュース6月1日)。

カナダ公衆衛生庁の発表によれば、6月3日時点のカナダの新型コロナウイルス感染者数は1,743人(累計387万8,307人)、死者は8人(累計4万1,261人)で、5月初旬の第6波のピークで1週間当たり感染者数が5万人台(1日当たりでは約7,000人)に達し、その後は減少傾向が続いている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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