カナダ入国には新型コロナワクチン接種完了の必要、無作為検査あり
(カナダ)
トロント発
2022年04月27日
カナダへの新型コロナウイルス関連の入国手続きの最新動向として、ジェトロは「入国前に準備すべき書類・手続き」「入国手続きの手順」「入国後の必要手続き・行動制限」「留意点」などの点につき、4月25日時点の情報をもとにまとめた。概要を以下のとおり紹介する。
1.入国前に準備すべき書類・手続きなど
カナダへの入国に際しては、カナダの国籍や永住権を持たない外国人の場合、基本的に新型コロナウイルスワクチン接種完了者のみ入国を認めている。接種完了者と見なされるには、以下を満たす必要がある。
- 認可済みのワクチン(添付資料参照)を2回以上、もしくは混合して2回接種していること。ただし、ヤンセン製もしくはジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製については少なくとも1回接種していること。
- カナダ入国日から少なくとも14日前までに2回目の接種を終えていること。
- 新型コロナウイルス感染の症状や徴候がないこと。
- カナダ到着前72時間以内に「ArriveCAN」という連邦政府指定のアプリにワクチン接種証明書をアップロードすること。その後、自分の名前の横にI、V、Aのいずれかのアルファベットが表示された「ArriveCAN」の領収書を保持すること。
なお、ワクチン接種完了者への入国前の検査義務は4月1日以降、撤廃されており、「ArriveCAN」への自己隔離計画の入力も同25日以降、不要となっている。
2.入国手続きの手順
カナダでは、空路または陸路での入国者を対象として新型コロナウイルスの無作為検査を実施している。ワクチン接種完了者であれば、検査対象として選ばれた場合でも検査結果の判明を待つことなく、乗り継ぎ便を含めて目的地まで移動することが可能だ。
連邦政府のウェブサイトによると、空路での入国では、空港を出る前に検査を受ける場合があるため、到着空港の検査機関への事前登録を行うと、迅速に検査が可能と説明されている。
3.入国後の必要手続き・行動制限
連邦政府は入国後に必要な手続きとして、以下を義務付けている。
- 前述の無作為検査で陽性反応が出た場合、10日間の隔離を行い、検査結果と症状をカナダ公衆衛生庁(電話:1-833-641-0343)に報告する。
- 旅行中(飛行機や船の中)はマスクを着用し続ける。
ただし、連邦政府と州・準州の規則が異なる場合は、より厳しい規則に従う必要がある。例えば、オンタリオ州では、6月11日まで公共交通機関でマスク着用を求めていることから(2022年4月25日短信参照)、渡航者がオンタリオ州に滞在する場合は、公共交通機関でのマスク着用が必要になる。
4.留意点
以下に、入国時無作為検査についての体験談を紹介する。4月中旬に日本からバンクーバー空港で乗り継ぎ、トロントのピアソン空港に到着した日系企業関係者によると、無作為検査で選ばれたものの、バンクーバーの乗り継ぎ時に空港で検査を受けることができず、長い列に並んで検査キットを受け取った後、自宅でキットを開封してオンライン検査の予約を行ったという。オンライン検査では検査技師らしき人が対応し、幾つかの質問に答えた後に目の前で検査キットを用いて検査するように要求、その後、採取検体を自宅の冷蔵庫へ保管し、フェデックス(FedEx)に集荷を依頼、すぐにバンクーバーまで送付するよう指示されたとのこと。検査結果はバンクーバー到着後3日目に判明し、結果は検査機関のウェブサイトで通知されたという。
ただし、この体験談は4月中旬時点の情報に基づいており、4月25日の執筆時点以降、同様の対応が取られるかは未確認なことに留意を。
(飯田洋子)
(カナダ)
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