米上院、400億ドルのウクライナ支援法案を可決、大統領署名で成立へ

(米国、ウクライナ、ロシア)

ニューヨーク発

2022年05月20日

米国議会上院は5月19日、400億ドル規模のウクライナ支援法案を86対11の賛成多数で可決した。下院では5月10日に368対57の賛成多数で可決していた。法案の早期成立を要請していたジョー・バイデン大統領は議会を称賛する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出しており、近く大統領の署名を経て成立する見込みだ。

法案の予算規模は、バイデン大統領が要請していた330億ドルを上回る400億ドルとなった(2022年5月2日記事参照)。その多くはウクライナに対する武器供与など、軍事支援に充てられることになる。バイデン大統領は声明で「要請した予算はより多くの武器をウクライナに送り、われわれ自身の在庫を補填(ほてん)し、NATO領域に派遣している米兵を支援することを可能にする」と述べ、同日付でウクライナへの新たな武器などの供与を含む支援パッケージを発表した。国務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同パッケージは1億ドル規模に上り、ロシアによるウクライナ侵攻、同国に対する軍事支援は累計39億ドルに達する。

米国内の党派対立が激しい昨今、バイデン大統領が要請した法案が上院で圧倒的多数の賛成で成立した背景には、上院共和党トップのミッチ・マコーネル少数党院内総務(ケンタッキー州)のリーダーシップがある。マコーネル氏は、共和党上院議員数人と5月14日にウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問して、ボロディミル・ゼレンスキー大統領と面会し、米国による支援継続を表明した。19日の上院での法案採決前には「ウクライナへの支援は慈善の範囲をはるかに超えている。米国の安全保障と戦略的利益の未来は、この戦いの結果によって左右される」とし、超党派で賛成票を投じるよう呼び掛けていた。

(磯部真一)

(米国、ウクライナ、ロシア)

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