新型コロナワクチン接種対象年齢を12歳以上に引き下げ
(インド)
ニューデリー発
2022年03月22日
インド政府は3月16日、新たに12歳以上を対象とした新型コロナワクチンの接種を開始した。政府は1月3日に接種対象年齢を従来の18歳以上から15歳以上に引き下げていたが、さらなる引き下げに踏み切った。また、医療従事者やエッセンシャルワーカー、基礎疾患のある60歳以上を対象として1月10日に始まったブースター接種に関しても、基礎疾患の有無を問わずに全ての60歳以上とし、接種対象を拡大した。
ナレンドラ・モディ首相は3月16日、「インドには今や多くの自国製ワクチンがある」と述べるなど、自国製の新型コロナワクチンの充実化に自信をのぞかせている。今回、新たに対象となった12~14歳が接種するワクチンは、インド地場製薬会社バイオロジカル・Eが開発した「コルベバックス」だ。12歳以上への緊急使用が3週間前に承認されたばかりのワクチンで、28日間の接種間隔を空けた計2回で接種完了となる。15~17歳が接種するワクチンとしては、地場のバーラト・バイオテックが開発した「コバクシン」が指定されている。「コバクシン」は、地場セラム・インスティチュート・オブ・インディアが生産する英国アストラゼネカ製の「コビシールド」とともに、国内で広く流通しているワクチンだ。
インドでは、少なくとも1回のワクチン接種を済ませた接種率は3月16日時点で68.1%となっており、同接種回数は累計18億回を超えた(添付資料図参照)。一方、1日当たりの国内新規感染者数は減少傾向にあり、3月14日は2,503人で、2020年5月以来の低水準となった。首都ニューデリーのあるデリー準州では、オミクロン型変異株を中心とする第3波の感染拡大を受けた各種行動規制が2月28日に全面的に解除されるなど(2022年3月2日記事参照)、各州で規制緩和の動きが広がっている。
また、民間航空省は3月8日、2020年3月から停止してきた一般国際旅客便の運航を2022年3月27日から再開すると発表した。現在はインド入国に原則として隔離措置などは特に設けておらず、入国後14日間、定期的な検温や各種症状有無の自己点検といったセルフモニタリングを求めるのみだ。ただし、無作為に選ばれた全体の2%は、到着時にPCR検査を受けることが義務付けている(2022年2月15日記事参照)。
(広木拓)
(インド)
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