米政府、新疆ウイグル自治区からの輸入禁止法に関する公聴会を4月8日に開催へ

(米国、中国)

ニューヨーク発

2022年03月17日

米国国土安全保障省(DHS)は3月15日、2021年末に成立した中国の新疆ウイグル自治区が関与する製品の輸入を原則禁止する法律〔ウイグル強制労働防止法(H.R. 6256、UFLPA)、2021年12月24日記事参照〕に基づき、中国での強制労働などに関する公聴会を4月8日にオンライン形式で開催すると発表した(注1)。正式には3月18日付の官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公示する。

輸入禁止措置はUFLPAの成立から180日後に有効となるが、それまでにDHSなどから成る強制労働執行タスクフォース(FLETF)がパブリックコメント募集と公聴会開催を経て、具体的な運用計画を策定する。パブコメは3月10日に締め切られ、利害関係者から180件のコメントが提出された。

公聴会では、中国における強制労働の使用、ならびに中国で強制労働に依拠して生産などされた物品の米国への輸入を防ぐ潜在的措置について、証人が証言する。公聴会は次の9つのトピックについて、以下の順に従って実施する。

  • 新疆ウイグル自治区と中国における強制労働のスキーム
  • 強制労働によって全部また一部が生産された物品の輸入リスク
  • 物品の原産地を特定し、サプライチェーンの透明性を向上するための措置
  • (中国で強制労働により生産された物品が関わる)第三国を経由したサプライチェーンを特定するための措置
  • (新疆ウイグル自治区で強制労働に関与している)事業体のリスト(注2)を作成・維持する上で検討すべき要素
  • 法執行で優先的に対応すべき部門(綿、トマト、ポリシリコンに関わるサプライチェーンを含む)
  • 必要とされる輸入者向けガイダンス
  • (非政府組織や民間事業者との)協調・協力のための機会
  • UFLPAに関するその他の一般的なコメントと、複数のトピックに関わるコメント

DHSは公聴会参加予定者に対し、運用計画の策定に向けてパブコメを募集した官報も参照するよう推奨している(注3)。パブコメ募集に対し、米業界団体などは、UFLPAに基づく輸入禁止措置発効までの期間を延長するよう求める意見などを提出している。

(注1)公聴会で証言することを希望する場合、DHSの専用ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで3月30日までに登録する必要がある(証言を希望するトピックの選択が必須)。公聴会の視聴を希望する場合も、同じページから4月6日まで登録可能。

(注2)FLETFは、新疆ウイグル自治区で強制労働に依拠して物品を生産している事業体や新疆ウイグル自治区政府と協力して強制労働に従事させられる者の募集や移送を行っている事業体などのリストを作成し、そのリストを少なくとも年に1回更新する必要がある。

(注3)提出されたコメントは連邦政府のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで閲覧可能。

(甲斐野裕之)

(米国、中国)

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