米USTR、対中追加関税の適用除外の一部復活を検討、パブコメ募集を発表
(米国、中国)
ニューヨーク発
2021年10月07日
米国通商代表部(USTR)は10月5日、発動済みの対中追加関税について、適用除外の部分的な復活に向けたパブリックコメントを募集すると発表した。USTRのキャサリン・タイ代表が4日に適用除外手続きの再開を発表し(2021年10月5日記事参照)、その翌日に正式に手続きが公開された。
USTRが公示予定の官報によると、コメントを募る対象は、USTRがこれまでに適用除外を延長した549品目となる(注1)。USTRは2018年7月以降、1974年通商法301条に基づき、中国からの3,500億ドル超相当の輸入に最大25%の追加関税を課す一方、同関税の適用除外手続きを設け、一部について除外を認めていた。適用除外は累計2,200品目超に与えられたのに対して、延長された品目数は限定的で、延長品目の大半が2020年12月末で期限切れとなっていた。
USTRは今後、パブコメを踏まえ、適用除外の復活の是非を品目ごとに検討するとしている。コメントは50日間(米東部時間10月12日~12月1日)、USTRのポータルサイトで提出を受け付ける。USTRは、製品が中国でしか調達できないか否かを評価する上で、以下に関するコメントを重点的に募集する。
- 当該品目または同等品目が米国、もしくは中国ではない第三国で調達できるか。
- (関税発動後の)2018年9月以降、当該品目に関するグローバル・サプライチェーン上の変化、もしくは関連する産業の発展があったか。
- 2018年9月以降、当該品目の輸入者もしくは米国内の購入者が調達先を米国、もしくは中国ではない第三国に変更する努力を行ったか。
- 当該品目を米国内で生産するための能力があるか。
復活が認められた品目については、2021年10月12日以降に行われた輸入(注2)に適用除外が遡及(そきゅう)適用される。USTRは、適用除外を復活させる期間についても、コメントを受け付ける。なお、コメントの対象が複数品目に及ぶ場合は、それぞれ個別にコメントを提出する必要がある。USTRは、対中追加関税がバイデン政権の経済対策と整合するよう、中小企業庁を含む関係省庁とも相談するとしている。
(注1)具体的な品目や提出に必要な記入項目については、USTRウェブサイト参照。USTRによると、パブコメの対象品目数の内訳は、以下のとおり。適用除外の経緯については、添付資料参照。
- リスト1(対中輸入額340億ドル相当の818品目、追加関税率:25%):137品目
- リスト2(対中輸入額160億ドル相当の279品目、追加関税率:25%):59品目
- リスト3(対中輸入額2,000億ドル相当の5,757品目、追加関税率:25%):266品目
- リスト4A(対中輸入額1,114億ドル相当の3,243品目、追加関税率:7.5%):87品目
(注2)米国税関国境保護局(CBP)に(復活した)適用除外が申請された時点で、清算(CBPが輸入に伴う関税額を最終決定する手続き)が行われていない輸入に限られる。
(藪恭兵)
(米国、中国)
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