バイデン米大統領、空路での外国籍入国者のワクチン接種義務化規則を発表、11月8日導入
(米国)
ニューヨーク発
2021年10月27日
ジョー・バイデン米国大統領は10月25日、米国に空路で入国する外国籍者に対して、11月8日から新型コロナウイルスワクチン接種を義務化(2021年10月18日記事参照)する大統領布告を発表した。今後、陸路やフェリーで入国する渡航者への同様の義務化も正式に発表するとみられる。
バイデン大統領は布告で、10月20日までに166カ国で検出されているデルタ型変異株に触れ、感染力の強い変異株が国内に侵入する可能性は公衆衛生上の懸念とした。その上で、米国疾病予防管理センター(CDC)がデルタ株を含む新型コロナウイルス感染拡大を抑える第1の方法は個人がワクチン接種を受けることと判断したと述べた。また、バイデン政権では科学に基づいた政策を立てるとし、今回の義務化に至ったとした。
バイデン大統領は、これまで国別にかけていた入国規制(2021年5月6日記事参照)について、これからは個人のワクチン接種状況に基づいてかけることにした背景に関し、各国でのワクチン接種率が以前より着実に上がっており、低所得国ではワクチンはまだ広く行き届いていないものの、米国によるワクチンの寄付が進んでいるためと説明した。
米国への入国に際して認められるワクチンの種類は、世界保健機関(WHO)の緊急使用リストに含まれているもののみで、米国内で接種可能なファイザー・ビオンテック、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製に加え、セラム・インスティトュート・オブ・インディア(SII)製「コビシールド」、アストラゼネカ、シノファーム、シノバック製となっている。また、米国入国には必要回数の接種を完了し、かつ、最後の接種(J&J製は1度目、それ以外は2度目)から14日が経過していなければならない。
ワクチン接種が完了していても、渡航前3日以内の新型コロナウイルス検査の陰性証明も併せて提示する必要がある。18歳未満の子供は今回の規制の適用対象外だが、接種を完了した親が同行する場合は渡航前3日以内の検査の陰性証明、子供単独の場合は渡航前1日以内の検査での陰性証明がそれぞれ必要となる。
CDCによる非米国市民・非移民渡航者向けの勧告、渡航に当たっての陰性証明要請に関する説明、国務省による国際渡航に関するよくある質問のページも参照のこと。
(吉田奈津絵)
(米国)
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