バイデン米大統領、新型コロナ変異株対策でインド滞在外国人の入国を停止
(米国、インド)
ニューヨーク発
2021年05月06日
ジョー・バイデン米国大統領は4月30日、新型コロナウイルスによる米国内での感染拡大を防ぐため、米国到着予定日から数えて過去14日以内にインドに滞在歴のある、外国人の非移民目的の入国を停止する大統領布告を発表した。
大統領布告では、インドでは合計1,835万人以上の感染者数を記録しているという世界保健機関(WHO)の数字を引用し、全世界の新型コロナウイルスの新規感染者数に占めるインドの割合は3分の1を超え、現在1日平均30万人以上増え続けているとし、本措置の理由を説明した。
また、インドでは3種の変異株、B.1.617、B.1.1.7、B.1.351がまん延しており、米国疾病予防管理センター(CDC)は専門家による分析に基づき、これらの変異株はワクチンによっては効き目が少ない可能性があるとの懸念を勧告している。そのため、CDCは、米国の公衆衛生を守るためにはインドから米国に入国する渡航者へ規制をかけるという先回りした防護策が必須だとした。米政府はこれまでにも、同様の入国停止措置を中国、イラン、シェンゲン協定圏内の欧州26カ国、英国、アイルランド、ブラジル、南アフリカ共和国からの渡航者にも課している(2021年1月26日記事参照)。
なお、規制の対象外は、永住権保持者、非市民米国籍保持者、米国市民または永住権保持者の配偶者、21歳未満で未婚の米国市民または永住権を保持する子供の親、米国市民または永住権を保持する者の兄弟(ただし、両者が21歳未満で未婚であること)などとなっている。
(吉田奈津絵)
(米国、インド)
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