米USTR、医療製品への対中追加関税の適用除外を45日間暫定延長
(米国、中国)
ニューヨーク発
2021年09月28日
米国通商代表部(USTR)は9月24日、1974年通商法301条に基づき発動済みの対中追加関税について、現在、唯一適用除外対象となっている新型コロナウイルス対策用の99の医療関連品目の除外期限を9月30日から11月14日まで(45日間)延長すると発表した。今後、正式に官報で公示する。
USTRは8月末、9月27日を期限として、99品目への適用除外を延長すべきかパブリックコメントを募集していた(2021年8月27日記事参照)。USTRの官報案によると、そこで集まったコメント内容を検証する時間的猶予を確保するために、今回暫定的に45日間、適用除外を延長するとしている。
これまでコメントを提出した中には、米国病院協会(AHA)や、医療産業販売者協会(HIDA)、米国ヘルスケア協会(AHCA)、全米介護生活者センター(NCAL)などの医療関連の業界団体が含まれており、いずれも新型コロナウイルスへの対応のために、適用除外の延長を求めている。他方、米国マスク製造者協会(AMMA)といった米国内で個人防護具(PPE)を製造している団体は、中国からの反競争的な価格でのマスク輸入が国内産業に損害を与えているとして、当該製品に関しては除外の延長に反対している。
301条に基づく対中追加関税全体については、米議会からも政権に対して、抜本的に見直した上で適用除外手続きを再開すべきとの声が以前から上がっている。上院が中国との長期的な競争を念頭に策定し、6月に可決した「米国イノベーション・競争法案(S.1260)」には、それに関連する条項が含まれているが、下院での可決見通しは立っていない。
(磯部真一)
(米国、中国)
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