EU理事会、入域制限解除国リストを改定、日本を除外
(EU、EFTA、日本)
ブリュッセル発
2021年01月29日
EU理事会(閣僚理事会)は1月28日、EU加盟国と欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国(注1)以外の国からの必須でない入域(渡航)制限措置の解除に関する2020年6月30日付理事会勧告(2020年7月1日、12月21日記事参照)の対象国リストを見直す新たな勧告を公表した。今回の勧告により、必須でない入域の制限解除国リストから、日本が除外された。
EUは2020年3月から域外国からの不要不急の入域を制限しているが、同年6月30日付理事会勧告で、日本は入域制限の解除勧告の対象国として指定を受けたことから、ほとんどの加盟国では日本からの不要不急の入国制限を解除していた。今回の勧告で対象国リストから除外したことを受け、日本からの不要不急の入国を現在認めている加盟国でも、今後は入国制限が課されることが予想される(注2)。ただし、加盟国が必要不可欠と認めた場合やEU国籍保持者・加盟国の長期滞在者とその家族は今後も入国が認められる。
なお、今回の勧告で、必須でない入域の制限解除国に指定されたのは、以下の7カ国のみ。
- オーストラリア
- ニュージーランド
- ルワンダ
- シンガポール
- 韓国
- タイ
- 中国(香港、マカオを含む)。ただし、中国(香港、マカオを含む)については、相互主義に基づく措置を取ることを条件とする。
この制限解除国リストは今後も、各国の疫学的な状況などを考慮して、定期的に見直しが行われる予定だ。
(注1)シェンゲン協定に加盟するアイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインも勧告の対象。本勧告で、アンドラ、モナコ、サンマリノ、バチカン市国の居住者はEU居住者と見なされる。
(注2)EU理事会の勧告には法的拘束力はなく、入国管理の権限を持つのは各加盟国。各加盟国はEU理事会の勧告を基づき、それぞれ入国制限を実施している(ジェトロ・ウェブサイト特集「欧州における新型コロナウイルス対応状況」参照)。
(吉沼啓介)
(EU、EFTA、日本)
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