EU理事会、域外15カ国からの入域制限を解除する勧告を採択
(EU)
ブリュッセル発
2020年07月01日
EU理事会(閣僚理事会)は6月30日、一部の域外国からEU加盟国および欧州自由貿易連合(EFTA)諸国(注)への不要不急の入域制限を、7月1日から解除する勧告を採択した。制限解除の対象となる国のリストには、日本を含む以下の15カ国が入った。勧告は法的な拘束力を有さず、勧告に従った制限解除の実施は各国の当局が行う。
- アルジェリア
- オーストラリア
- カナダ
- ジョージア
- 日本
- モンテネグロ
- モロッコ
- ニュージーランド
- ルワンダ
- セルビア
- 韓国
- タイ
- チュニジア
- ウルグアイ
- 中国(ただし、中国については相互主義に基づく措置をとることを条件とする)
対象国は2週間ごとに見直し
勧告によれば、対象国は疫学的な状況、および新型コロナウイルス感染拡大に対する抑制措置の実施、その他経済的および社会的状況を考慮して選定された。疫学的な状況の考慮においては、とりわけ以下の3つの基準が用いられた。
- 直近の14日間の10万人当たりの新型コロナウイルス新規感染者の数がEU平均に近いこと、もしくはそれを下回っていること。
- 直近14日間における新規感染者数が、その前の14日間と比較して、安定しているもしくは減少傾向にあること。
- 感染試験の実施、監視体制、接触状況の追跡、感染拡大の抑制措置など、入手可能な情報およびその信頼性を考慮し、新型コロナ対策が全体的に十分に行われているといえること。
さらに、対象国との相互主義、つまり当該相手国がEUからの入国者に対し、同等の待遇を行っているかという点もケースバイケースで随時考慮される。リストに入っていない域外国に対して、加盟国が独自に入国制限を解除すべきではない、としている。
EU理事会は今後、欧州委員会および関連機関と協議の上、上記の基準を基に2週間ごとにリストを見直す。リストの対象国において感染状況が急速に悪化した場合は、迅速な意思決定を行うとしており、再び入域制限が課されることもあり得る。
また、対象国の居住者が域内に入国する場合であっても、当該個人が公衆衛生を脅かす恐れがあるかについて、入国を管理する当局がケースバイケースで判断する。入域制限の解除対象者は、国籍ベースではなく居住ベースで決定される。
(注)シェンゲン協定に加盟するアイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインも勧告の対象。
(安田啓)
(EU)
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