8月の米小売売上高は前月比0.6%増、4カ月連続の増加
(米国)
ニューヨーク発
2020年09月24日
米国商務省の速報(9月16日付)によると、8月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.6%増の5,375億ドルと、4カ月連続の増加になった(添付資料表参照)。なお、7月の売上高は1.2%増(速報値)から0.9%増に下方修正された(2020年8月20日記事参照)。
全米小売業協会(NRF)のチーフエコノミストのジャック・クラインヘンズ氏は「新型コロナウイルスは、学校の再開に向けた支出などに関して多くの変化や不確実性をもたらした。しかし、8月の売上高の伸びは7月より縮小したものの、個人消費は保たれた」と述べた。また、「失業手当の600ドルの追加給付が終了したことで、一部の消費者は支出を減らした可能性が高いが、これまでの政府支援策による貯蓄の増加が支出を支えた」との見方を示した。ただ、現時点では、経済活動を支える政府支援の効果と最近の雇用増加による需要を区別することは難しい、とも指摘した(NRFプレスリリース9月16日)。
フードサービス、建材・園芸用品、衣料などが押し上げ要因に
売上高を業種別にみると、フードサービスが前月比4.7%増の546億ドルと、全体を最も押し上げた。次いで、建材・園芸用品が2.0%増の373億ドル、衣料が2.9%増の177億ドルと増加に寄与した。減少した業種をみると、食品・飲料が前月比1.2%減の710億ドル、スポーツ・娯楽品・書籍が5.7%減の74億ドルで、減少幅が大きかった。
民間調査会社コンファレンスボードが8月25日に発表した8月の消費者信頼感指数は84.8と、7月(91.7)より6.9ポイント減少し、2014年5月以来約6年ぶりに85.0を下回る低水準となった。内訳をみると、現況指数は84.2(7月:95.9)と11.7ポイント減少し、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は85.2(7月:88.9)と3.7ポイント減少した。
コンファレンスボードの経済指標シニアディレクター、リン・フランコ氏は「ビジネスや雇用環境の悪化により、現況指数は大幅に低下した」とし、「消費者の短期的な展望と財政的な見通しに対する楽観も後退し、下降線をたどっている」と述べた。また、「個人消費は過去数カ月間で改善したが、経済見通しなどを巡って不安が大きくなっていることから、今後数カ月は消費が冷え込むだろう」と指摘した。
(樫葉さくら)
(米国)
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