7月の米小売売上高は1.2%増、3カ月連続の増加
(米国)
ニューヨーク発
2020年08月20日
米国商務省の速報(8月14日付)によると、7月の小売売上高(季節調整値)は前月比1.2%増の5,360億ドルと、3カ月連続の増加となった(添付資料表参照)。なお、6月の売上高は7.5%増(速報値)から8.4%増に上方修正された(2020年7月20日記事参照)。
全米小売業協会(NRF)のチーフエコノミストのジャック・クラインヘンズ氏は「今春にみられた(売上高の)急落を考慮すると第3四半期は堅調な出だしとなったが、経済政策に対する不確実性、新型コロナウイルス感染の再拡大が、芽生えつつある景気回復に圧力をかけている」と指摘した。また、「下半期に向けて予測の不確実性は非常に大きく、経済の先行きについては、今後新型コロナウイルスの感染がどのように終息していくかにかかっている」と述べた(NRFプレスリリース8月14日)。
フードサービス、ガソリンスタンド、家電などが押し上げ要因に
業種別にみると、フードサービスが前月比5.0%増の525億ドルと、全体を最も押し上げた。次いで、ガソリンスタンドが6.2%増の356億ドル、家電が22.9%増の79億ドルで増加に寄与した。
減少した業種をみると、自動車・同部品が前月比1.2%減の1,094億ドル、建材・園芸用品が前月比2.9%減の362億ドルで減少幅が大きかった。
民間調査会社コンファレンスボードが7月28日に発表した7月の消費者信頼感指数は、92.6と、6月(98.3)より5.7ポイント減少した。内訳をみると、現況指数は94.2(6月:86.7)と7.5ポイント上昇した一方で、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は91.5(6月:106.1)と14.6ポイント減少した。
コンファレンスボードの経済指標シニアディレクターであるリン・フランコ氏は、「ミシガン州、フロリダ州、テキサス州、カリフォルニア州で大幅な指数の減少が見られる。新型コロナウイルスの感染者数が再び急増した結果であることに間違いない」と述べた。また、「先行きについては、経済や労働市場の短期的な見通しに対する楽観的な見方は後退し、消費者の財政面の見通しも抑制され続けるだろう」とし、「こうした先行きへの不透明感は、景気回復や個人消費にとってよい兆候ではない」と指摘した。
(樫葉さくら)
(米国)
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