米政府、3月21日以降、カナダ、メキシコとの間で不要不急の渡航を制限へ、貿易は維持
(米国、カナダ、メキシコ)
ニューヨーク発
2020年03月24日
米国土安全保障省は3月20日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、カナダとメキシコとの間で、不要不急の渡航を相互に制限することに合意したとの共同声明をそれぞれ発表した。いずれも3月21日から30日間実施となり、それ以降の継続は相手国政府との協議次第としている。なお、不要不急の渡航には、観光や娯楽目的のものが含まれるとしている。なお、貿易はこれまでどおり維持される。
米国とカナダの間の渡航制限措置については既に両首脳から事前のアナウンスがなされていたが、措置の詳細は発表されていなかった(2020年3月19日記事参照)。米国とメキシコの間の渡航制限については、トランプ大統領がその可能性を示唆していた。
国土安全保障省が発表した各共同声明文によると、米国はカナダ、メキシコとの間で、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するとともに、両国とのサプライチェーンを維持する目的の下、今回の措置に至ったとしている。米国の両国との貿易は制限されず、必要不可欠な業務や緊急の理由による渡航は影響を受けないとしている。
カナダのトルドー首相は同日、難民申請者が国境に到着した際に、新型コロナウイルスのスクリーニングを行うことの難しさから、「(米国からの)非正規移民については、国境において米国に引き戻すことも合意の一部となっている」と語った。既にカナダ領内に入った者は14日間の隔離後に、亡命のプロセスを継続することを許されるが、21日からはそれも認められなくなる。ビル・ブレア公安・非常時対応準備相は「カナダ人の健康と安全を保護するという政府の明確な目標の下、『必要で限定的な』例外のみがある」と述べ、例として米国籍の同伴者のいない未成年者などを挙げた。
米国では感染者が急増しており、ジョンズ・ホプキンス大学によると3月23日12時時点で3万3,000人以上が感染、死者も400人を超えている。トランプ大統領は3月16日に「感染拡大を遅らせるための15日間」と題するガイダンスを公表しており(2020年3月17日記事参照)、10人以上の集会を自粛するよう国民に呼びかけている。また、感染が拡大する州の中には州民に対して自宅待機を義務付ける州も出てきている。また、カナダでは1,470人が感染し、19人が死亡、メキシコでは251人が感染し、2人が死亡している。
(酒井拓司、磯部真一)
(米国、カナダ、メキシコ)
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