米政府、新型コロナウイルス拡散を受け緊急事態を宣言、中国滞在歴ある外国人の入国停止
(米国)
ニューヨーク発
2020年02月03日
米国保健福祉省は1月31日、新型コロナウイルスの拡散に関して、緊急事態を宣言した。宣言は1月27日にさかのぼって有効となる。世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を出したことや、米国内で人から人への感染が確認された(2020年2月3日記事参照)ことを受けての対応だ。また同省は、宣言に伴い、過去14日間以内に中国に渡航した外国人の入国を拒否するとした。
武漢市から帰国の米国民も14日間隔離
米政府は1月28日にチャーター便を手配して、中国・武漢市から政府職員を含む約200人の米国民を帰国させたが(2020年1月30日記事参照)、米国疾病予防管理センター(CDC)は国内への感染防止のため、帰国した米国民を14日間隔離すると発表した。
米政府は、まだ武漢市に滞在している米国民を帰国させるため、今後も追加のチャーター便を手配する予定だ。今後、湖北省から帰国する米国民も、同様に14日間隔離されることになる。
米国務省は中国全土への渡航中止を勧告
米国務省は2月2日、米国民に対して中国全土への渡航を取りやめるよう警戒レベルを最大の4に引き上げた。ラリー・クドロー米国家経済会議委員長が現地紙(「ブルームバーグ」1月30日)に語ったところによると、米国政府は1月29日時点で米中間の航空便の運航制限を検討している状況だが、まだ結論は出ていないもよう。
事態の深刻化を受けて、アップルやアマゾン、JPモルガン・チェース、フォードといったITや金融、自動車大手など、中国にサプライチェーンを展開している米国企業も相次いで、従業員の米中間の渡航を制限したり、中国内の店舗の一時閉鎖などを行っている。また、フェイスブックは1月30日、同社のSNS内で、新型コロナウイルスに関する誤情報が広がっていることを受けて、そうした誤情報や有害なコンテンツを制限すると発表している。
(磯部真一)
(米国)
ビジネス短信 2bbc1566fcf0d1ea
ご質問・お問い合わせ
ビジネス短信の詳細検索等のご利用について
メンバーズ・サービスデスク(会員サービス班)
E-mail:jmember@jetro.go.jp