操業開始時期の延期が各省に波及、湖北省は2月14日までの延期を発表
(中国)
中国北アジア課
2020年01月30日
中国では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業の操業再開時期や新学期の開講時期の延期を発表する地域がさらに拡大している。1月28日までに上海市や吉林省、浙江省、重慶市、江蘇省、広東省が延期を発表し(2020年1月29日記事参照)、1月29日には、山東省や安徽省、福建省、雲南省、江西省も省内企業の操業開始を2月10日以降とする通知を発表したほか、感染症の発生源とされる湖北省は2月14日に延期すると発表した(表1参照)。
こうした中、休業期間中の出勤および在宅勤務を行う場合の報酬について、上海市人力資源・社会保障局は1月28日に、「市が通知した操業再開日(2月10日)までは休日扱いとなるため、企業は労働契約にのっとり通常の賃金を支払うものとし、業務の都合上その間出勤を命じる場合には、休日出勤扱いとして振り替え休日を与える、または規定に沿って休日出勤日の割り増し賃金、すなわち一般的には2倍の賃金を支払わなければならない」との見解を示した。このほか、中国の人力資源・社会保障部は1月24日に、「新型コロナウイルスによる肺炎の予防・抑制期間における労働関係問題の適切な対応に関する通知」を発表し、感染の影響により企業の生産および運営に困難が生じる場合は、従業員との協議により給与の調整や交代勤務、労働時間の短縮などの方法を採用し、可能な限り人員解雇や人員削減は避けることが望ましい旨などを示している。
感染者は8,000人弱に拡大、全ての省・自治区・直轄市で感染を確認
新型コロナウイルスによる肺炎の累計感染者は、中国全土で7,711人(1月30日午前0時時点、以下同)となり、前日に比べ1,737人増加した(表2参照)。うち、湖北省での感染者は4,586人(前日比1,032人増)に達し、全体の約6割を占めた。また、浙江省(428人)、広東省(311人)などでも感染拡大の勢いが増している。1月29日にはチベット自治区でも1人の感染者が確認され、これにより中国全ての省・自治区・直轄市において感染がみられた。なお、中国全土で既に退院した感染者は124人に上る一方、死亡者数は170人(前日比38人増)に達した。
世界保健機関(WHO)は1月29日、ジュネーブで会見し、「1月30日に緊急委員会を再度開き、『国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態』に当たるか否か、あらためて対応を協議する」とした。
(小林伶)
(中国)
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