米国ルイジアナ州で日本企業参画の液化天然ガス「キャメロンLNG」の輸出事業が本格化
(米国)
米州課
2019年10月31日
米国ルイジアナ州で、日本企業が参画する液化天然ガス「キャメロンLNG」の輸出事業が本格化し、10月24日に現地で落成式が行われた。同州のジョン・エドワーズ知事、在米日本大使館の杉山晋輔大使、三井物産の安永竜夫社長ら関係者が出席した。
同プロジェクトは、Cameron LNG(以下、キャメロンLNG)が保有・運営しているキャメロンLNG基地において、第1フェーズ(第1~第3系列、各400万トン)で年間1,200万トンの天然ガスを液化生産・輸出していくもの。キャメロンLNGには、米センプラ(本社:カリフォルニア州)が50.2%、三井物産、ジャパン・LNGインベストメント(三菱商事と日本郵船の合弁企業)、フランス・トタルの3社がそれぞれ16.6%を出資している。第1系列の生産は、トランプ大統領の立ち会いの下、2019年5月14日から始まり(2019年5月15日記事参照)、センプラは5月末にファーストカーゴを出荷している。キャメロンLNGの第2、第3系列の生産開始は2020年第1四半期以降を予定している。
日本側は、100%子会社を通じて米国内で原料ガスを調達し、キャメロン基地へ輸送、キャメロンLNGに委託し液化されたLNGを、20年間にわたり引き受け販売していく。米国産のLNGは米国のヘンリーハブ天然ガス市場価格に基づく価格設定がされ、仕向け先の制限がない。今後、需要拡大が期待されるアジア向けを中心に輸出される。とりわけ、中国では発電用燃料として、石炭から二酸化炭素(CO2)排出量が少ない天然ガスへのシフトが進んでいる。米国エネルギー情報局(EIA)は10月28日に発表したレポートで、中国の天然ガス消費は2050年には2018年の3倍近くに達する、と予測している。
ルイジアナ州によると、キャメロンLNGは、建設時のピークで1万1,000人を雇用、第1系列での生産開始後の現在は200人以上を雇用しているほか、LNG基地周辺部で650人以上の間接雇用を生む、とみている。落成式に出席したエドワーズ知事は「ルイジアナ州は米国のLNG輸出を底上げしており、今後、第2、第3系列の稼働に向けて、これらプロジェクトが生み出す数百億ドルの投資と質の高い雇用機会の創出を期待している」と述べた。
(木村誠)
(米国)
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