容器回収を促すデポジット制度導入に向け、委員会を設置
(フランス)
パリ発
2019年06月28日
フランスのブリュヌ・ポワルソン環境移行・連帯副大臣は6月19日、小売価格に容器代を上乗せして容器回収を促すデポジット制度を導入するため、関係者を集めたプロジェクト推進委員会を立ち上げた。容器の返還方法や対象容器の種類などの具体的内容について協議を重ね、9月から国会で審議予定の「循環経済のための廃棄物削減に関する法案」に盛り込む予定。
フランス政府は2018年4月、2025年までにプラスチックの100%リサイクルを目指す「循環経済のためのロードマップ」を発表。フランスを含むEU加盟国は2029年までにプラスチック製ボトルの回収率を90%とする目標の達成で合意済みだが(2019年5月22日記事参照)、「フランスはリサイクル可能な廃棄物の分別で後れをとっている」と、ポワルソン氏は語った(「ル・パリジャン」紙6月18日)。さらに、「フランスにおける回収率は、プラスチック製ボトルが55%、スチール缶は45%と低い。現行の回収システムは限界に達しており、EUの目標に届きそうにない」「解決策として、ドイツや北欧で非常に良く機能しているデポジット制に着想を得た」と述べた。
現行のリサイクルのシステムでは、地方自治体がプラスチック製容器などの回収を実施し、売却益を得ている。ポワルソン氏は「リサイクルシステム構築のため、大規模な投資を行って高い回収率を実現している地方自治体もあるが、デポジット制度の導入により地方自治体が損害を被ることのないよう考慮する」とした。
同デポジット制度は、「循環経済のための廃棄物削減に関する法案」が可決され次第、試験的に実施される見込みだ。
(奥山直子)
(フランス)
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