ノースボルト、VWとリチウムイオン電池セル生産拠点をドイツに設立へ
(ドイツ、スウェーデン)
ブリュッセル発
2019年06月24日
リチウムイオン電池メーカーのノースボルト(スウェーデン・ストックホルム)とフォルクスワーゲン(VW)は6月12日、ドイツ北部のザルツギッターに、年間16ギガワット時(GWh)相当の生産能力を持つリチウムイオン電池セルの生産工場の建設を発表した。その後、生産能力を増強し、最終的に年間24GWh相当の生産を目指す。工場の建設開始は早ければ2020年、生産開始は2023年末か2024年を計画している。工場建設に向けて、両社は出資比率50%ずつの合弁会社を立ち上げる。
VWは約9億ユーロを拠出し、ノースボルトとの合弁会社設立に充てるほか、ノースボルトの株式20%を取得する。VWは、今後10年間で約70車種の電気自動車(EV)の発売を予定しており、同社のリチウムイオン電池に対する需要は、欧州とアジアだけでも年間300GWh以上に達すると試算している。同社は、電池事業でのノウハウをコアコンピテンス(中核能力)として位置付け、欧州域内で電池生産をすることが競争力の観点からも重要だとして、2019年5月に電池工場に対する約10億ユーロの投資を同社の監査役会が承認していた。
ノースボルトは、VWだけでなく、ドイツ自動車大手BMWやスウェーデンの保険大手フォルクサムなどからも資金調達を行う。同資金は、欧州投資銀行からの融資と合わせて(2019年5月27日記事参照)、スウェーデン北部のシェレフテオでの工場建設に充てられる。ノースボルトは、スウェーデンの工場に加え、ポーランド北部のグダンスクでの工場建設を既に発表しており(2018年11月6日記事参照)、今回のドイツの工場は、同社にとって3つ目の生産拠点となる見込みだ。
(大中登紀子)
(ドイツ、スウェーデン)
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