欧州投資銀行、ノースボルトへの融資計画を再び承認

(EU)

ブリュッセル発

2019年05月27日

欧州投資銀行(EIB)は5月16日、スウェーデンのリチウム電池メーカー、ノースボルトに対する約3億5,000万ユーロの融資計画を承認したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ノースボルトへの融資は、2018年2月の約5,250万ユーロに続き、2回目となる(2018年2月27日記事参照)。

ノースボルトはまず、スウェーデン北部のシェレフテオに16ギガワット相当の生産能力を持つリチウム電池工場の最初の区画を2020年に建設する。この区画が今回の融資対象だが、その後生産能力を増強し、最終的に年間32ギガワットの生産を目指す計画だ。同工場では、自動車産業や蓄電池、産業用および携帯用アプリケーションを想定した材料の生産や、セルの組み立て・リサイクルなどを行う。電池システムの組み立ては、ポーランド北部のグダンスクに建設中の工場で行う想定だ(2018年11月6日記事参照)。

EUは域内電池産業育成に注力

欧州委員会のシェフチョビチ副委員長(エネルギー同盟担当)は「欧州委員会とEIBは、急速に拡大する電池産業でEUが世界的なリーダーシップを発揮するため、産業界と緊密に連携している」と、EIBのノースボルトに対する支援を歓迎した。欧州委は、需要拡大が見込まれる電池産業で産官学の連携を推進し、欧州企業の育成やサプライチェーンの強化を目指している。

一方、EUでは域外企業の電池生産に向けた動きも活発だ。中国の世界最大手の電気自動車(EV)用畜電池メーカー・寧徳時代新能源科技(CATL)は、ドイツ東部で2022年までに14ギガワットの生産能力を持つEV用電池生産工場の建設を目指している。また、欧州委は1月、韓国のLG化学のEV用電池生産工場新設(総額3億2,500万ユーロ)に対するポーランド政府による3,600万ユーロの投資補助を承認している。同工場では、年間8万台分の電池生産が可能になる見込みだ。

(大中登紀子)

(EU)

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