トランプ政権、2,000億ドル相当の対中追加関税第3弾を9月24日発動
(米国、中国)
ニューヨーク発
2018年09月18日
トランプ大統領は9月17日、1974年通商法301条(以下、301条)に基づく、対中輸入額2,000億ドル相当の第3弾の追加関税を9月24日に発動するよう米通商代表部(USTR)に指示した。
USTRが公表した最終対象品目リストは5,745品目で構成されており、パブリックコメント前のリスト(6,031品目)から297品目の全てまたは一部(注1)が取り除かれている。USTRの発表によれば、除外された品目には、スマートウオッチやブルートゥース機器などの一部の消費者家電、工業製品に使われる一部の化学製品、繊維、農産品、安全や健康にかかわる自転車用ヘルメット、子供用のカーシートやベビーサークルなどが含まれる。これらは、パブリックコメントや公聴会(注2)の結果を受けて除外された。
追加関税率は2018年末までは10%、2019年以降は25%に設定された。米国政府高官によれば、この2段階の関税発動は、中国に対して段階的に圧力をかけるほか、関税引き上げの影響を考慮した調整期間を米国企業に与えることを目的としている。また、クリスマス休暇のショッピングシーズンにおける消費者への影響を軽減する狙いもあるという(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版9月17日)。第3弾の関税発動がなされれば、米国の対中輸入額の約半分に301条による追加関税が課されることになり、消費財も多く対象になる。
スティーブ・ムニューシン財務長官は、中国政府に対して通商協議の再開を呼び掛けていた。「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版(9月17日)によれば、中国の劉鶴副首相は9月21日に、協議のためワシントンに入ることを予定していた。同紙は、トランプ政権が今回の関税発動日を協議前に設定したことについて、第3弾の関税発動を協議により延期する意志がないことを米国政府が示したと報じている。
一方、トランプ大統領は「尊敬し敬愛する習近平国家主席と私自身により、この貿易をめぐる状況が解決されることを期待したい」と述べ、首脳間で問題解決に取り組む意志を示している。
(注1)USTRの発表どおり。
(注2)第3弾の関税発動に関する公聴会の内容は2018年9月7日記事参照。
(鈴木敦)
(米国、中国)
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