インドのミルクが新時代!? 牧場で挑むビジネス“モ~”デル

2022年05月12日

人口およそ13億人が暮らすインド。大きな経済発展を遂げ、巨大な消費市場が注目されている。食品分野の自給率は高く、なかでも乳製品は、世界最大規模の生産量といわれ、その材料となる生乳を生産するのは、全国に広がる8,000万戸の小規模な酪農家たちだ。一方で、小規模ゆえに酪農家の生活改善、農村でのブランド開発など課題があるという。インドの酪農を刷新させようとする、企業の取り組みを追った。

(11分55秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 フランス・パリのエッフェル塔や凱旋門、アニメキャラクターのコスプレをした20代くらいの海外の女の子や、渋谷のスクランブル交差点の写真など、世界中の12枚の写真が画面の奥から飛び出してくる。水色を基調としたコンピューターグラフィックスの背景に、中が空洞になった緑色(みどりいろ)の地球儀が回転しながら現れる。画面右側で地球儀が回転し、左側に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: スタジオ。横長の薄い黄緑色(きみどりいろ)の背景モニターに緑色(みどりいろ)を基調とした地球儀と「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」のロゴが映し出されている。前方にも小さいモニターが置いてある。モニターには奥から光が差し込む牛舎内で十数頭ほどの黒い牛が並んで飼槽(しそう)に入れられた餌を食べている映像が映し出されている。モニターの左側、スタジオ中央に女性キャスターが座っている。青いタイトスカートに紺色で植物の柄(がら)が描かれた白い服を着ている。

女性キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。

映像説明: スタジオ。薄い黄緑色(きみどりいろ)のモニターを背景にした女性のバストショット。

テロップ: 江連 裕子(えづれ ゆうこ)

江連(えづれ)キャスター: 大きな経済発展を遂げ、巨大な消費市場が注目されるインド。さまざまな産業でデジタル化や新たなブランド開発が進んでいます。

映像説明: スタジオ。江連(えづれ)キャスターが左のほうに体の向きを変える。画面の左側に江連(えづれ)キャスター。右側に、木で組まれた牛舎内に数頭の牛と白い服を着た2人の人物が牛の世話をしている映像、 数頭の牛が餌を食べている映像、牛の乳を手搾りする人物の手元の映像が映し出された小型モニターがある。江連(えづれ)キャスターが話を続ける。

江連(えづれ)キャスター: そこで今回は、インドの13億人の栄養を支える地方都市での、酪農の取り組みを取材しました。

テロップ: インドのミルクが新時代!? 牧場で挑むビジネス“モ~(モー)”デル

映像説明: 色とりどりの服を着た大勢の人が行きかう市場(いちば)の通り。荷物を入れた白い大きい袋 を頭のうえや肩に乗せた数人の人物が歩いているのが見える。 石畳の歩道がある通り。十数人の人物が歩道を歩いていて、路地からバイクが道路に出ようとしている。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): 人口約13億人のインド 実は乳製品が盛ん

テロップ: インド

ナレーション: 人口、およそ13億人が暮らす、インド。

映像説明: 市街地の通りの歩道。ヘルメットを手にしたピンク色のシャツを着てリュックを背負い、眼鏡をかけた男性、黒と白のチェック柄のシャツに黒いベストを着て右肩でリュックを背負った男性、水色とオレンジのチェック柄のシャツを着た眼鏡をかけた男性などが歩いている。画面右側にバイクや車が走る道路が見える。 ドーム状の屋根がある建物に掲げられたインド国旗がはためいている。

ナレーション: IT(アイティー)や自動車産業の発展で、大きな経済成長を遂げている。

映像説明: 高台から見た遠くまで広がる街並み。低層の建物が密集している街。遠くには十数棟もの高層ビルが建ち並んでいる。

テロップ: 巨大な消費市場

ナレーション: 巨大な消費市場があり、

映像説明: 白やクリーム色(いろ)、赤茶色などのビルや建物がひしめいていて、合間に森が広がっている。 銀色の大きい鍋いっぱいに表面が泡立ったクリーム色(いろ)の液体が入っている。そばに水色と紺色のボーダー柄の服を着た人物が立っている。

テロップ: 高い食料自給率

ナレーション: なかでも食品においては高い食料自給率を有する国だ。

映像説明: コンセントがあるベージュ色(いろ)の壁の部屋。壁際にステンレス製の台が設けられ、金色のカップや電気ポット、卓上クッキングヒーターなどが置かれている。黒い服を着て青いゴム手袋をした人物が、クッキングヒーターに乗せた銀色の小さい鍋で作った表面が泡立った薄茶色(うすちゃいろ)の飲み物を右手で持ったひしゃくですくい、左手に持った金色のカップに注ぎ、黒いカウンターに置く。 黒い作業台。ピンク色の服を着た女性が赤い器に盛られた黄色いクリーム状のものを銀色の器に移している。

テロップ: 乳製品

映像説明: 花柄が描かれた黄色い壁の部屋。青と緑(みどり)の民族衣装のサリーを着た女性が、花柄の白いテーブルで仕切りのある銀色のプレートに盛られた料理をスプーンで口に運んでいる。 白とグレーの床の部屋。紺色のTシャツに青いズボンをはいた男の子が床に座り、黄色い丸皿(まるざら)に盛られたごはんを手で口に運んでいる。男の子の両脇には白いTシャツを着た女性と白いポロシャツを着た男性が座っている。

ナレーション: インドでは乳製品は、貴重なたんぱく源として、料理のほか、紅茶に入れたり、バターにして使われるなど、インドの食卓に欠かせないものになっている。

映像説明: 白い棚のある室内。「BUTTER」と書かれた青を基調とした化粧箱や「Pancit(パンチット)」と青と白を基調とした袋の商品が棚に置かれている。 白いテーブルに置かれた商品の写真。青を基調とした花柄が描かれた白いパッケージのカップ、白い直方体のチーズ3ピースを積んだ写真に「Paneer(パニール)」と書かれたパッケージの袋などが並んでいる。 オレンジのラインが入った白いカップの商品を手に持った写真。黒いフタをめくったカップに黄色いクリーム状のものが入っていて、赤いプラスチックスプーンが添えられている。(写真提供 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブラボ)) 牛の後ろ脚のそばに座った赤い服を着た人物が両足のあいだに置いた白い搾乳バケツへ牛の乳を両手で手搾りする手元。

テロップ: 小規模な酪農

ナレーション:   こうした乳製品。材料となる生乳の多くは、家庭で1頭から2頭の牛を飼う、小規模な酪農を通じて、生産されている。

映像説明: 白と黒のまだら模様の牛が青いバケツに口を突っ込みながら餌を食べている。そばにピンクの半袖シャツを着て白いズボンをはいた白髪の男性が腰を落とし、牛の頭部に結んだ手綱に手を伸ばしている。牛の後ろ脚のそばに座った赤いTシャツを着た男性が搾乳バケツに向かって牛の乳を両手で手搾りしている。

テロップ: 約8,000万戸

ナレーション: 全国ではおよそ8,000万戸の酪農家がいるといわれている。

映像説明: 牛舎。茶色の牛が立っているそばで黒い牛が膝を折って座っている。 トタン屋根がある平屋の建物の前にオレンジ色(いろ)のトラックが 止まっている。トラックの荷台の後部に「MILK」の文字、荷台の側面に牛のイラストが描かれたロゴや「75 YEARS OF SERVICE(セブンティーファイブイヤーズオブサービス)」の文字、「Arna(アルナ)」とパッケージに書かれた円筒の缶や袋に入った商品の写真が印刷されている。トラックのそばに黒い牛1頭がたたずみ、トタン屋根の柱の土台にピンクの服を着た白髪の男性が腰を掛けている。 白と黒のまだら模様の牛2頭と茶色の牛がたたずみ、赤い服を着た男性とピンクの服を着た白髪の男性が作業をしている。 赤い扉が開いた白い壁に棚が設けられた部屋。室内で青いポロシャツを着て銀色のハーフヘルメットをかぶった男性が水色のミルクタンクに入った生乳を銀色の容器へ流し入れている。そばでピンクと白のチェック柄のポロシャツを着た男性がその様子を見ている。赤と黒の柄模様(がらもよう)とオレンジのサリーを着た女性が部屋に入っていく。全員マスクをつけている。

ナレーション: 冷蔵設備や輸送システムなどの、サプライチェーンが発展途上であるインドでは地域ごとに、小規模な生産が行われることが多く、大規模な酪農事業はまだ少ない。牛の健康管理や搾乳の効率化、生乳の品質向上などまで、取り組む余裕のない生産者も多い。

映像説明: 白い背景に球状の線で描かれた円形のロゴと紺色で「stellapps(ステラップス)」の文字などが表示される。 写真が印刷された水色のポスターが貼られた白い壁の部屋。白いシャツを着た男性が身振りを交えながら話をし、胸元に「stellapps(ステラップス)」の文字とロゴが書かれた紺色のポロシャツを着た4人の従業員が話を聞いている。 縦型ブラインドが窓に掛かった白い壁の部屋。赤とベージュ色(いろ)の長机(ながづくえ)が設けられていて、長机(ながづくえ)にグレーのパイプのようなものやノートパソコン、モニターが置かれている。紺色のポロシャツを着た8人の従業員が長机(ながづくえ)に向かい合って座り、モニターに視線を向けている。モニター横に座った紺色のポロシャツを着た1人の従業員がモニター画面を指し示していて、2人ほどの従業員がメモを取りながら話を聞いている。全員マスクをつけている。 ホワイトボードが置かれた茶色い壁の部屋。ノートパソコンやグレーのパイプなどを置いた赤とベージュ色(いろ)の長机(ながづくえ)に向かい合って座り、紺色のポロシャツを着た従業員たちが身振りを交えながら話をしている。全員マスクをつけている。 赤い壁の部屋。白いシャツを着て眼鏡をかけた男性がノートパソコンに向かい薄茶色(うすちゃいろ)のテーブルに座っている。そばに金色と茶色の台形の盾と「IE20(アイイートゥウェンティー)」、「Winter 2017」、「Stellapps Technologies(ステラップス テクノロジーズ」と書かれた赤を基調とした長方形の盾が置かれている。 グレーの収納棚が置かれた白い壁の部屋。オフホワイトの服を着て白いビニールのエプロンをつけた2人の人物が箱詰めと梱包の作業をしている。(映像提供 ステラップス)

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): 酪農を変える IoT(アイオーティー)や金融サービス

テロップ: ステラップス

ナレーション: 近年、こうした酪農の生産性、酪農家の生活を向上させようと、あるスタートアップが、取り組みを始めている。ベンガルール発のスタートアップ「ステラップス」。

映像説明: 鏡がついた赤茶色(あかちゃいろ)の壁面収納棚と扉がある部屋。水色のシャツを着た男性がインタビューに答える。(Zoomのビデオ通話) 白い壁の牛舎内。乳頭カップをつけられた白と黒のまだら模様の牛6頭が銀色の手すりの内側に並んで立っている。赤い服を着て赤いキャップをかぶった従業員が牛の乳房に乳頭カップを装着している。銀色の手すりには数字が表示された計測機が設置されている。 搾乳された生乳がチューブを通り容器に溜まっていく。 搾乳された生乳がミルククローを通過していく。 黒い機械が装着された牛の脚元。 鏡がついた赤茶色(あかちゃいろ)の壁面収納棚と扉がある部屋。水色のシャツを着た男性が話を続ける。 白い壁の室内。紺色のポロシャツを着た従業員が壁に設けられたベージュ色(いろ)の「stellapps(ステラップス)」と書かれた箱型の機械の扉を開ける。 2人の従業員が機械の中を眺め、1人が機械へ手を伸ばす。紺色のポロシャツの背中に「stellapps(ステラップス)」の文字が書かれている。 紺色のポロシャツを着た従業員とブルーグレーの服を着た男性がクリーム色(いろ)のボックス状の機械を手に持ち、回転させながら眺めている。そばにいる男性がその様子を見ている。

テロップ: ステラップス ランジート・ムクンダン CEO

ムクンダンCEO・英語: われわれは2011年に創業したスタートアップ。 酪農のバリューチェーン(商流)における 搾乳前からその後(あと)まで川上から川下までを扱っている。 IoT(アイオーティー)、データサイエンス、人工知能を使って 生産性、品質、トレーサビリティーの向上に取り組んでいる。

映像説明: 光がさしこむ牛舎内。十数党の白と黒のまだら模様の牛が柵のなかに並び、餌を食べている。 黄色いベルトがついた黒い機械が装着された後ろの脚元。 脚元に黄色いベルトがついた白と黒のまだら模様の牛がたたずんでいる様子。 薄紫色(うすむらさきいろ)の壁の部屋。白い柄(がら)のある黒い服を着た女性が、はかりの上に載せた銀色のミルクタンクに白いバケツに入った生乳を流し入れている。 「CODE」、「QTY(クウォンティティー)」、「FAT(ファット)」、「SNF(エスエヌエフ)」、「RATE(レート)」、「AMT(エーエムティー)」といった項目が書かれた電光表示板が壁面に設けられ、それぞれの項目の数値が表示されている。そばに現地の言葉で書かれた紙が貼ってある。 ベージュの台に四角い機械と小型モニターやパソコンのキーボードが置かれている。白い服を着た人物が生乳を入れた小さな筒状の容器を機械に取り付ける。そばに銀色の丸い皿のような機械、モニターがついたはかりが置かれている。 カードを手にした人物がハンディーターミナルで読み取りをする。 棒状のセンサーが設けられた銀色の箱型の機械から生乳を入れた小さな筒状の容器を隣のセンサーがついた機械に移動する手元。 手に持たれたスマートフォン画面に計測された数値が表示されている。

ナレーション: 生乳の品質の向上を図るため、牛の個体管理のモニタリングや搾ったミルクの栄養の成分分析、価格の統計を取っている。さらに、こうした情報をデータベース化し、生産者を評価する仕組みを作った。

映像説明: 小さい窓がある白い壁の部屋。壁に四角い機械や電光表示板などが設けられている。オレンジ色(いろ)のシャツを着た男性がはかりに載せたミルクタンクを白い棚の上に移動する。 屋外。奥に多くの木々(きぎ)が植えられ、手前の広場に14頭ほどの牛がたたずんでいる。 トタン屋根がある平屋の建物の前。紫のパーカを着た男性が銀色の搾乳バケツに入った生乳をミルクタンクへ流し入れている。トタン屋根の下に牛3頭がたたずんでいる。 牛の後ろ脚のそばに座った紫のサリーを着た女性がこちらのほうを向きながら牛の乳を片手で銀色の搾乳バケツへ手搾りをしている。

ナレーション: これを基に、酪農家に対して、餌や資材購入などの資金の貸し付けを行うなど、小規模な酪農家でも利用しやすいサービスを一貫して提供している。

映像説明: トラックの木製の荷台にミルクタンクが2段に積まれ運搬されている。画面左下に「ConTrak(コントラック)」と表示されている。 格子状の窓がある黄色い壁の部屋。部屋の中央に「powerol by Mahindra(パワーオール バイ マヒンドラ)」と書かれたグレーの扉がついたオレンジ色(いろ)の四角い機械が置かれている。茶色のTシャツを着た男性が壁際に置かれたグレーの装置を操作している。腰丈ほどの高さの仕切りの壁の奥に白い袋が積まれている。 窓がある白い壁の部屋。天井にシーリングファンがあり、壁際にインドの国旗が立てかけられている。オレンジの柄(がら)があるスカートに紺色の服を着た女性が銀色のバケツを持ち、はかりの前に立っている。オレンジのTシャツを着た男性が座ってミルクタンクに入った生乳の重さをはかっている。奥で機械が置かれた台の前に座った白い服を着た男性が計量の様子を眺めている。 街の一角。大きなミルクタンクが4つ置かれ、小さい銀色のミルクタンクを持った数人の人物が並んでいる。白いシャツに薄茶色(うすちゃいろ)のベストを着た男性が銀色のミルクタンクからグレーのミルクタンクに生乳を流し入れている。 屋外。草地(くさち)で白と黒のまだら模様の牛が草を食べている。黒地に青と白のボーダー柄がある服を着た男性が牛をつないだヒモを手に持ち、草を食べる牛を眺めている。男性の隣に立っている青いポロシャツを着た男性がスマートフォンで牛の様子を撮影している。 グレーの機械が縦長の袋に牛乳を充填し、袋を閉じている様子。 紺色のズボンをはいた人物が銀色のバケツに入った生乳を銀色のミルクタンクに流し入れている。画面左上に「Bhilwara Union(ビルワラ ユニオン)」の文字、画面右上に「stellapps(ステラップス)」の文字とロゴが表示されている。

ナレーション: ステラップスが、あえて「酪農」に事業参入したのは、酪農がビジネスとして認識されず、生産性やデジタル化などの課題に十分な投資がされてこなかったという背景がある。

映像説明: 街の一角。2人の人物が大きな鍋にミルクタンクから生乳を流し入れている。 鏡がついた赤茶色(あかちゃいろ)の壁面収納棚と扉がある部屋。ムクンダンCEOがインタビューに答える。 牛の両脇に座ったピンクのサリーを着た女性と紺色の服を着た人物が両手で牛の乳を手搾りしている。ピンクのサリーを着た女性はこちらのほうに顔を向けている。 レンガの壁の前に2頭の牛がたたずんでいる。白い柄(がら)の青いスカートをはき、黄色いスカーフを頭からかぶった女性が銀色のバケツを持ち歩いている。女性の左前方にバケツに口を寄せている2頭の牛がいる。 街の一角。2人の人物が大きな鍋にミルクタンクから生乳を流し入れている。 白い壁がある一角。黒い服を着た男性と赤いチェック柄の服を着てオレンジのスカーフを頭からかぶった女性が銀色のミルクタンクから置かれた別のミルクタンクへ生乳を流し入れている。 屋外、奥に多くの木々(きぎ)が植えられ、手前の広場に14頭ほどの牛がたたずんでいる。 トタン屋根がある平屋の建物の前。紫のパーカを着た男性が銀色の搾乳バケツに入った生乳をミルクタンクへ流し入れている。トタン屋根の下に牛3頭がたたずんでいる。 牛の後ろ脚のそばに座った紫のサリーを着た女性がこちらのほうを向きながら片手で銀色の搾乳バケツへ牛の乳を手搾りしている。

テロップ: ステラップス ランジート・ムクンダン CEO

ムクンダンCEO・英語: 農業分野というのは必ずしも魅力的な投資先ではなかった。 一方で医療や教育であれば都市部と同様のビジネスモデルが通用し、 早々に資金を回収することもできた。

映像説明: 白い壁の牛舎内。乳頭カップをつけられた白と黒のまだら模様の牛6頭が銀色の手すりの内側に並んで立っている。赤い服を着て赤いキャップをかぶった従業員が牛の乳房に乳頭カップを装着している。画面右側に数字が表示された計測機が銀色の手すりに設置されている。 搾乳された生乳がチューブを通り容器に溜まっていく。 搾乳された生乳がミルククローを通過していく。 黒い機械が装着された牛の脚元。 白い壁の部屋。大きく開いた出入り口に銀色のバケツやミルクタンクを手にした多くの人物が行列をなしてい る。室内側に大きな容器が置かれ、画面左側で薄いピンク色のシャツを着た男性がグレーのミルクタンクに銀色のバケツに入った生乳を流し入れ、画面右側にいるオレンジの服を着た男性が生乳を計量している。 はかりの表示画面に計量中の数字が表示されている。 壁際にインドの国旗が立てかけられている部屋の一角。はかりの前にオレンジのTシャツを着た男性が座ってミルクタンクに入った生乳の重さをはかっている。奥で機械が置かれた台の前に座った白い服を着た男性が機械を眺めている。 「stellapps(ステラップス)」の文字とロゴが書かれた黄色い計測器の表示画面。画面に「Results」の文字、5つの項目と計測されたそれぞれの数値が表示されている。

ナレーション: 従来難しいとされていた酪農における近代的な経営だが、アメリカなど、海外の企業からも投資を受けフランスにも現地法人を設立した。

映像説明: 青空の下。ビルが建ち並ぶ通りに建つ鏡張りのビルの外観。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): インドの酪農の課題解決へ 日本企業(にほんきぎょう))の参入機会にも

テロップ: 東京都 文京区

テロップ: ARUN

ナレーション: インドでの酪農ビジネスの高まり。彼らに注目している人たちは、日本にもいる。

映像説明: ビルのなかの一室。六角形の白いプレートに青い文字で「ARUN」と書かれた看板がガラスに掲げられている。ガラスの奥にマスクをした人物がテーブルに座っているのが見える。 黒い枠にガラス張りの扉から縦型ブラインドが掛かった窓がある白い壁に木目調の床のオフィス内に進んでいくと、白い変則的な六角形のテーブルが複数組み合わせて置かれている。5人の男女がテーブルに座り、ノートパソコンに向かっている。壁際にグレーのラックとモニターが置かれている。窓際のグレーの床になった一角には白い円卓やカウンターが設けられている。 ガラスで仕切られた室内。ガラスの向こうのスペースには六角形のテーブルが置かれている。白い服にベージュのカーディガンを着て眼鏡をかけてマスクをした女性が木目調のテーブルに座りノートパソコンに向かい作業をしている。

テロップ: ARUN 功能 聡子(こうの さとこ) 代表

ナレーション: ARUN。開発途上国で、社会課題を解決しようとするスタートアップに資金援助を行っている。日本で、企業や個人から、クラウドファンディングなどを通じて資金を募り、海外の起業家の取り組みを支えている。

映像説明: 白い壁の部屋。白い服を着た功能(こうの)代表が水色のシャツを着たムクンダンCEOと身振りを交えながら話をしている。 白い壁の別の部屋。青い柄(がら)のあるワンピースを着た功能(こうの)代表と5人の外国人の男女が立って話をしている。部屋の奥に長机(ながづくえ)に座る数人の人物が見える。 倉庫内。たくさんのダンボール箱が隙間なく置かれた壁際の黒いラックの前で、功能(こうの)代表と白い服を着た外国人女性と白いサリーを着た女性が話をしている。 ベージュの机が壁際に置かれた白い壁の部屋。功能(こうの)代表と白いサリーを着た女性が話をしている。そばに白い服を着た外国人女性などが立っている。 ガラスから光がさし込む建物内。植物のモチーフがあしらわれた手すりの横に設けられた木目調のテーブルで白いシャツを着た男性とムクンダンCEOが話をしている。 白いシャツを着た男性の前に置かれたノートとムクンダンCEOの手元。 洗濯物が干された白いトタン屋根の下。功能(こうの)代表と紫のサリーを着た女性とオレンジのサリーを着た女性が白い椅子に座り話をしている。奥に植えられた植物が見える。 木の柱と茶色い壁の部屋。白い服を着た功能(こうの)代表が水色のシャツを着た外国人男性に話をしている。そばでサリーを着た女性を含めた3人の女性が話を聞いている。 白い壁の部屋。功能(こうの)代表と3人の外国人女性がベージュのテーブルを囲み食事をしている。功能(こうの)代表がうなずきながら話を聞いている。奥にテーブルで話をする3人ほどの男性が見える。 くもりガラスの扉がある白い壁の部屋。水色の服を着た功能(こうの)代表が白地に深緑色(ふかみどりいろ)のラインが入ったポロシャツを着た外国人男性が身振りを交えて話しているのを聞いている。 白い収納棚が設けられた白い壁の部屋。椅子に座った水色の服を着た功能(こうの)代表と柄(がら)のあるワンピースを着た外国人女性、床に座った白いポロシャツを着た外国人男性が話をしている。功能(こうの)代表がメモを取りながら話を聞いている。(映像提供 ARUN)

ナレーション: インドの酪農の発展が、農村の貧困問題へ影響を与えられると考えたARUNは、2016年から、ステラップスの活動を支援している。今後、インドの酪農を支えていくことで、社会課題の解決だけでなく、日本企業(にほんきぎょう)のビジネスチャンスにもつなげていきたいと、功能(こうの)代表は話す。

映像説明: ガラスで仕切られた室内。ガラスの向こうのスペースには縦型ブラインドが掛かった窓があり、白いテーブルや椅子が置かれている。功能(こうの)代表がインタビューに答える。 白い壁に牛舎の写真に「Smart way to Profitable Dairy」と書かれたポスターが貼られ、その下に「stellapps(ステラップス)」と書かれた機械が設置された白い壁の部屋で話をするムクンダンCEOと手元の資料に視線を落とす功能(こうの)代表の写真。 青空の下、黄緑色(きみどりいろ)の建物が建つ未舗装の茶色い道路で功能(こうの)代表と4人の外国人男性が並び、笑顔を向けた写真。 奥に樹木が茂っているのが見える草地のなかを功能(こうの)代表と3人の外国人男性がカメラに笑顔を向けて歩き、そばに立っている紺色のポロシャツを着た外国人男性も笑顔を向けている写真。(写真提供 ARUN)

テロップ: ARUN 功能 聡子(こうの さとこ) 代表

功能(こうの)代表: インドっていうのは世界最大の生乳生産国でありますので、そこであの、事業をしたいって考えておられる(日本(にほん))企業さんも、あのー、あります。 で、われわれがステラップスさんと、あの、一緒に事業をしていることで、 そういった日本企業(にほんきぎょう)さんとの橋渡しができたり、 また、あの、コミュニケーションのお手伝いができていることは、 ま、双方にとって、あの、お役に立てるのかなというふうに、あの、思っています。

映像説明: 街なかを走行する車窓風景。右側に1階に店舗を構えた3階建てや4階建ての建物が建ち並び、店の前にはバイク数台が止まっている。左側には大きな樹木があり、車が止まっている。道路をバイクや車が走行している。 街なか。緑(みどり)や黄色(きいろ)の模様が入ったえんじ色(いろ)のサリーを着た女性が、柄(がら)のある薄紫の服を着た女の子を片手で抱き(だき)、スマートフォン を耳にあてて話をしている。そばに黒い牛がいて、後ろには白い車が止まっている。奥には店舗が建ち並んでいる。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): インドで牧場経営 日本の中小企業の挑戦

ナレーション: こうしたなかインドの農村部では、新たな動きが始まっている。

映像説明: 柄(がら)がある白い服を着た男性、白いターバンを頭に巻き白い服を着た男性、黒いキャップをかぶり黒と黄色(きいろ)のTシャツを着た男性が並んで座っている。黒いキャップをかぶり黒と黄色(きいろ)のTシャツを着た男性が、深緑色(ふかみどりいろ)の液体が入ったプラスチックコップを口に運ぶ。白いターバンを頭に巻き白い服を着た男性が、ターバンをずらし、頭をかいている。 曇り空の下。丘の上にウメイド・バワン宮殿が建っている。手前には白と茶色の高層ビルが建ち、周辺に多くの樹木が植えられている。 薄曇りの空の下。岩山の上にメヘラーンガル城塞が建っている。手前には樹木が植えられている。画面左下の四角い枠にインドの地図。インドが緑色(みどりいろ)で示されている。インドの北部に位置するニューデリーが赤い丸印で示され、北西部に位置するジョードプルが赤い星印で示されている。 青空の下。案内標識や現地の言葉で書かれた看板が設置され、信号機がある交差点。多くの車やバイクが走行している。車道より一段高い歩道に警察官のような人物が立っている。

ナレーション: 西部ラジャスタン州。州2番目の人口を抱える、ジョードプルは、インド有数の観光地であり、およそ127万人が暮らす都市だ。

映像説明: 道路脇に樹木がある舗装された道路を走行する車窓風景。前方に白いタンクを両脇に下げたバイクが走行している。 道路脇に「62」や現地の言葉が書かれたコンクリート製の標識が設置されている。舗装された道路をトラックが走行する。

ナレーション: 中心部から南に60キロ。

映像説明: うっすらと雲がある空の下。茶色い未舗装の道路から、門を通り、柵がある牧場へ入っていく車窓風景。 グレーの平屋の建物の前に塀が設置され、隣には、斜め格子の壁の平屋の建物が建っている。奥には、壁がなく柱と屋根だけの建物が建っている。

テロップ: H2 Milk Farm(エイチツー ミルク ファーム)

ナレーション: 車で1時間ほど走ると広大な平野のなかに、牧場が現れた。H2 Milk Farm(エイチツー ミルク ファーム)。

映像説明: 白と茶色のまだら模様や黒い牛が4頭並んで、コンクリート製の飼槽(しそう)に入れられた干し草のような餌を食べている。 牛舎。コンクリート製の飼槽(しそう)が2列設置され、黒い牛数頭が向かい合い、並んで飼槽(しそう)に入れられた干し草のような餌を食べている。

ナレーション: 2020年に設立された牧場で、現在、24頭の牛を飼育している。

映像説明: 赤いバングルを数本、腕につけた人物が牛の乳を手搾りし、銀色の搾乳バケツで受けている。 牛舎。薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性と紫のスカーフを頭からかぶり、柄模様(がらもよう)がある濃紺の服を着た女性が、飼槽(しそう)に頭を向けた白と黒のまだら模様の牛の後ろ脚のそばに座り、それぞれ牛の乳を手搾りしている。奥にも数頭の牛がいる。

ナレーション: 朝と晩に2回。乳を搾って、近くの集荷所(しゅうかじょ)まで生乳を販売しに行っている。

映像説明: 牛舎。奥に数頭の牛がたたずんでいる。ドット柄の白いシャツを着て眼鏡をかけた男性がインタビューに答える。 薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が白と茶色のまだら模様の牛の横に座り、後ろを向く牛の顔を手で押し前に向かせる。薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が牛の乳を手搾りし、両足の間に置いた銀色の搾乳バケツで受けている。 飼槽(しそう)の前。薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が、白と茶色のまだら模様の牛の後ろ脚のそばに座り、 両足のあいだに置いた銀色の搾乳バケツに牛の乳を搾っている。左側に茶色の子牛がいて、奥には牛が数頭いる。 台はかりに載せた銀色の搾乳バケツに、別の銀色の搾乳バケツから生乳を流し入れている。 牛舎の前。薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が、台はかりに載せた銀色の搾乳バケツに、別の銀色の搾乳バケツから生乳を流し入れている。そばには、銀色やオレンジ色(いろ)のミルクタンクが置かれていて、牛舎の中には多くの牛がいる。

テロップ: H2 Milk Farm(エイチツー ミルク ファーム) ヘマント・パテル さん

パテルさん・英語: 1年半前に牧場を立ち上げた。 当初は10頭程度を飼育して、ビジネスの可能性を探っていたが、 現在は、安定的に生乳を生産し、近くの集荷所(しゅうかじょ)に販売できるようになった。

映像説明: 牛舎。牛が数頭並んで、飼槽(しそう)の中の餌を食べたり、そしゃくをしている。奥で、紫のスカーフを頭からかぶり、柄模様(がらもよう)のある濃紺の服を着た女性が並んでいる牛のあいだを通って飼槽(しそう)を横切る。 たくさんの黒い牛が飼槽(しそう)の前に並んでいる。

ナレーション: 実はこの牧場。経営しているのは、ある、日本の中小企業だ。

映像説明: うっすらと雲が浮かぶ空の下。田園が広がり、建物が点在している。遠くには雪が残る山並みが見える。

テロップ: 宮城県 名取市

ナレーション: 宮城県、名取市。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の部屋。壁には東北地方の地図や帆船の絵が額に入れられ飾られている。壁 際の棚には、3体のこけしやキリンの置物が並べられている。ダークブラウンのテーブルが中ほどに設けられ、カーキ色(いろ)のジャンパーを着た男性とえんじ色(いろ)の服を着た女性が向かい合って座っている。2人ともマスクをつけている。

テロップ: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ)

映像説明: カーキ色(いろ)のジャンパーを着た男性がペンを持つ手をあごにあて、うなずいている。

テロップ: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ) 家村 秀也 (いえむら ひでや)社長

ナレーション: ジョードプルで牧場を立ち上げたのは、この土地で金属加工業を営む家村さん。

映像説明: 光りがさし込むガラス張りの室内で、パテルさんを含む4人の外国人男性と女性が笑顔で写っている写真。 事務所のような室内でノートパソコンに向かっている水色のシャツを着たパテルさんの写真。 事務所のような室内でパテルさんと水色の服を着た男性がノートパソコンを眺めている写真。(写真提供 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ))

ナレーション: 数年前にインド人学生をインターンシップのために受け入れた際、現地の農村では、真面目で優秀であっても、仕事が見つからないと聞いたという。

テロップ: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ) 家村 秀也 (いえむら ひでや)社長

家村社長: あるとき、彼が故郷(インド)に帰んなくちゃいけないなんていう話になって、

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の部屋。奥にブラインドが掛かった窓があり、壁際にはダークブラウンの書棚がある。家村社長がデスクマットが敷かれた長机(ながづくえ)の前に座り、インタビューに答える。

家村社長: 帰るのは、あーっと、いいことなんだけど、帰ったらローカルエリア(農村)には自分の仕事がないっつーんだよね。 なんで、じゃあ、あっと、あなたの田舎に仕事作ってみよっか、なんていうことで話し合い始まったのがきっかけです。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の部屋。奥にブラインドが掛かった窓があり、壁際にはダークブラウンの書棚がある。家村社長が、デスクマットが敷かれた長机(ながづくえ)の前に座り、ノートパソコンに向かい作業をしている。

テロップ: 酪農

ナレーション: 海外ビジネスの経験もなく、インドには、行ったことすらなかったが、なんとか現地で起業できないかと考え、学生と、さまざまなアイデアを出し合い、たどり着いたのが、「酪農」だった。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の部屋。奥にブラインドが掛かった窓があり、壁際にはダークブラウンの書棚がある。家村社長がデスクマットが敷かれた長机(ながづくえ)の前に座り、インタビューに答える。 青空の下、家村社長とパテルさんが笑顔で並んでいる写真。 外国人の男性2人や大勢の子どもたちに囲まれた家村社長の写真。 平野が広がる畑の前で、家村社長と5人の外国人男性が笑顔で立っている写真。(写真提供 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ))

テロップ: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ) 家村 秀也 (いえむら ひでや)社長

家村社長: 何度も、その僕自身がインドを訪れました。 その結果、ま、インドは世界一の乳製品の市場であるっていうことも分かったし、 その、スモールスタートできるっていう可能性があったのが、 このローカルエリアでの酪農だったっていうことですね。

映像説明: 建物の前のレンガ塀(レンガべい)の前で、家村社長とパテルさん、白いシャツを着た外国人男性が並んで立っている写真。 黒いテーブルの前に立つ赤と青、グレーの服を着た外国人の男の子の写真。黒いテーブルの上には、紙幣と白い乳製品が入った透明の袋4つが置かれている。(写真提供 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ))

ナレーション: 農村の酪農は、まだ大規模なビジネスが少なく、参入余地があり、また、中小企業の体力でも十分に投資ができると考えたのだ。

映像説明: H2 Milk Farm(エイチツー ミルク ファーム)の牧場。グレーの平屋の建物の前に塀が設置され、右側には、斜め格子の壁の平屋の建物が建っている。奥には、壁がなく柱と屋根だけの牛舎が建っている。

ナレーション: そして2020年に、このジョードプルに、牧場をオープンさせた。

映像説明: ところどころに草木が生える広大な牧場。 緑(みどり)の壁に竹のようなもので斜め格子に組まれた壁の平屋の建物が建っている。

テロップ: 約5,000坪の牧場

ナレーション: 5,000坪ほどの広さの牧場で、

映像説明: アーチ状の出入り口の上部にひさしがあり、出入り口横の壁には、山と牛のイラストが描かれ、「H2 Milk Farm(エイチツー ミルク ファーム)」と書かれた看板が掲げられている。出入り口の前には木製のベンチが置かれている。

ナレーション: 近くには事務所を併設している。

映像説明: 竹のようなもので編まれた壁の事務所のなか。木製のテーブルの上に置かれたノートパソコンを操作する手元。 パテルさんが木製のテーブルに置かれたノートパソコンで作業をしている。壁には四角い小窓(こまど)があり、光がさし込んでいる。

ナレーション: 日本でインターンシップをしていたヘマント・パテルさんが、責任者として運営にあたっている。

映像説明: 牛舎の前。薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性と赤い襟の黒いポロシャツを着た男の子が、緑色(みどりいろ)のたらいの中の茶色い餌のようなものを混ぜている。牛舎の出入り口には銀色やオレンジ色(いろ)のミルクタンクや銀色の搾乳バケツが置かれ、奥の牛舎の中には数頭の牛がいる。 牛舎。紫のスカーフを頭(あたま)からかぶり、柄模様(がらもよう)がある濃紺の服を着た女性が、ちりとりのようなもので地面の牛のフンを取り除いている。そばには子牛を含む数頭の牛が飼槽(しそう)にのほうを向いて並んでいる。 薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が、オレンジ色(いろ)のミルクタンクから銀色の容器で生乳を汲み、銀色の小さなタンクに流し入れている。白いシャツを着た男の子とオレンジ色(いろ)のTシャツを着た男の子がその様子を眺めている。

ナレーション: 牛の世話から生乳の卸しまでを担っているのは、ジョードプルの農村出身の一家だ。住み込みで牛の世話をしている。

映像説明: 牛舎。奥に数頭の牛がいる。飼槽(しそう)の前で、赤いターバンを頭に巻き、白い服を着て眼鏡をかけた男性がインタビューに答える。

赤いターバンを頭に巻き白い服を着た男性・ヒンディー語: この辺りは雨が少なくて農業が難しい。こういった酪農ができると、とても助かる。

映像説明: 牛舎。奥に黒い牛が1頭いる。飼槽(しそう)に腰をかけ、紫のスカーフを頭からかぶり、柄模様(がらもよう)のある濃紺の服を着た女性がインタビューに答える。

紫のスカーフを頭からかぶり、柄模様(がらもよう)のある濃紺の服を着た女性・ヒンディー語: 子どもが5人います。楽しいですよ。

映像説明: 牛舎。白いシャツを着た男性の合図で、牛数頭が中ほどに設置された飼槽(しそう)に向かって歩き、餌を食べる。赤いターバンを頭に巻き、白い服を着た男性がその様子を見守っている。別の飼槽(しそう)に2人の子どもが腰を掛けている。奥にも数頭の牛がいる。

ナレーション: 現在は24頭を飼育しているが、将来的には50頭まで増やす計画だ。

映像説明: 薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性と紫のスカーフを頭(あたま)からかぶり、柄模様(がらもよう)がある濃紺の服を着た女性が、白と茶色のまだら模様の牛の後ろ脚のそばに座り、2人で牛の乳を手搾りしている。 白と茶色のまだら模様の牛の乳を手搾りし銀色の搾乳バケツで受けている。

ナレーション: 安定的な生産体制の整備が進められているが、まだビジネスとしては、大きな利益を上げるまでには至っていない。

映像説明: 夜の牛舎の前。ミルクタンクを後部の片側に下げ、ライトをつけたバイクが走り出す。 集荷所(しゅうかじょ)。紫のスカーフを頭からかぶり、柄模様(がらもよう)のある濃紺の服を着た女性と柄(がら)のある白いシャツを着た男性が、オレンジ色(いろ)のミルクタンクと銀色の搾乳バケツを運んでいる。そばで青い服を着た男性が付き添っている。 白い壁の建物の前。シャッターの前の腰丈ほどの足場に置かれた白いバケツに、薄い水色のシャツを着た男性と白いシャツを着た男性が、2人で銀色のミルクタンクを傾け、生乳を流し入れている。

ナレーション: インドでは、生乳は小規模農家が集荷所(しゅうかじょ)に持ち込んだあと、そこでほかの酪農家のミルクとまとめられてしまうのが一般的だ。

映像説明: 青空の下。後ろあおりを開け、荷台に銀色のミルクタンクを数個載せたトラックがバックしてくる。 2人の人物がミルクタンクを運び、屋内の緑色(みどりいろ)のマットの上に置く。 銀色の波板(なみいた)の壁の工場。銀色の大きなタンクなど、さまざまな機械が設置されている。数人の人物が、それぞれ話をしたり、機械のそばに立っている。

テロップ: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ) 家村 秀也 (いえむら ひでや)社長

家村社長: せっかく弊社で、その、手間暇かけて品質の高いミルクを作ったとしても、 結局は、よそ(生産者)のミルクとも混ざっちゃうんであれば、 コストをたくさんかける意味がなくなっちゃう。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の事務所。書類や電話、パソコンなどが置かれた机が向かい合って設置されている。奥にはカレンダーが貼られたホワイトボードやコピー機などが置かれている。パソコンが置かれた机の前に座り、黒いジャケットを着てマスクをした女性がうなずいている。

テロップ: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ) 周 謙(しゅう けん) 取締役

ナレーション: 現地のコスト管理をする財務担当の周(しゅう)さんは。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の事務所。書類や電話、パソコンなどが置かれた机が向かい合って設置されている。周取締役が、パソコンが置かれた机の前に座り、インタビューに答える。

テロップ: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ) 周 謙(しゅう けん) 取締役

周取締役: 1つのビジネスとしてと思っていないので、 現地のやり方だけだとすると、なかなか収益性が、生むことが難しくて。

映像説明: 牛舎の飼槽(しそう)の前。薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が、白と茶色のまだら模様の牛の後ろ脚のそばに座り、両足のあいだに置いた銀色の搾乳バケツに牛の乳を搾っている。左側に茶色の子牛がいて、奥には牛が数いる。 薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が座り、牛の乳を手搾りしている。両足のあいだに置いた銀色の搾乳バケツで受けている。

ナレーション: ビジネスとして改善に取り組もうという意識やそのためのノウハウも、現地には不足しているようだ。

映像説明: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ)のクリーム色(いろ)の壁の部屋。奥にブラインドが掛かった窓があり、壁には東北地方の地図がフレームに入れられ飾られている。ダークブラウンのテーブルに家村社長と周取締役が座っている。家村社長はノートをテーブルに置きペンを持ち、周取締役はタブレットをテーブルに置いて前方を向きながら話をしている。2人ともマスクをつけている。 竹のようなもので編まれた壁の事務所で、パテルさんが話をしている画面。 クリーム色(いろ)の壁の部屋。奥にブラインドが掛かった窓があり、壁には東北地方の地図がフレームに入れられ飾られている。ダークブラウンのテーブルに座り、家村社長と周取締役がカメラの方を向き、話をしたり、うなずいている。2人ともマスクをつけている。

テロップ: 乳製品開発

ナレーション: いま、家村さんたちは、生乳から、チーズなどの、より付加価値の高い製品の開発を目指している。加工などの手間を加えることで、賞味期限を長めに設定でき、長距離の輸送も可能になることで、より高い収益を生み出すことが期待される。

映像説明: H2 Milk Farm(エイチツー ミルク ファーム)の竹のようなもので編まれた壁の事務所。パテルさんが木製のテーブルの上に置かれたノートパソコンの画面を指さし、グレーの服を着た男性に説明をしている。

ナレーション: こうした製品を、将来的には「ジョードプル」の特産品として、インドの大都市など各地で販売できるようにしたいという。

映像説明: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ)のクリーム色(いろ)の壁の部屋。奥にブラインドが掛かった窓があり、壁際にはダークブラウンの書棚がある。家村社長がデスクマットが敷かれた長机(ながづくえ)の前に座り、インタビューに答える。 牛舎。数頭の牛が飼槽(しそう)の前に並んでいる。 黒い牛が飼槽(しそう)の中に置かれた緑色(みどりいろ)のたらいに入った餌を食べている。 薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が座り、白と黒のまだら模様の牛の乳を手搾りしている。両足のあいだに置いた銀色の搾乳バケツで受けている。 クリーム色(いろ)の壁の部屋。奥にブラインドが掛かった窓があり、壁際にはダークブラウンの書棚がある。家村社長が、デスクマットが敷かれた長机(ながづくえ)の前に座り、話を続ける。

テロップ: 秀イノベーティブ LAB(しゅうイノベーティブ ラボ) 家村 秀也 (いえむら ひでや)社長

家村社長: 例えば、その、日本(にほん)でも各地の農場、牧場が、 その、地方独特の、独自の製品を作って、地域特性を高める取り組みをしています。 例えばジョードプル独特の品物みたいな、ジョードプルでしか出ないものみたいな 加工品を生み出して、それをもとに、その収入を増やす。 えーと、いわゆる、えー、付加価値を高めるみたいなエコシステムを作りたいと思ってます。

映像説明: 牛舎。奥に牛が数頭いる。パテルさんがインタビューに答える。 牛舎。黒やこげ茶の牛3頭が、奥にある飼槽(しそう)の中の餌を食べている。白い服を着た男性が、餌を食べているこげ茶の牛の首に鎖をつなげている。 5頭の黒い牛が飼槽(しそう)の中の餌を食べている。 牛舎。奥に牛数頭がいる。パテルさんが話を続ける。

テロップ: H2 Milk Farm(エイチツー ミルク ファーム) ヘマント・パテル さん

パテルさん・英語: こうした日本企業(にほんきぎょう)による酪農ビジネスは、ほかに類を見ないと思う。 いつかチーズやバターの輸出にもつながるかもしれない。 このプロジェクトを通じてラジャスタン州の酪農を変えていきたい。

映像説明: 空がオレンジ色(いろ)に染まり、建物のシルエットの上に夕日が見える。 牛舎。白や黒などの数頭の牛が飼槽(しそう)の中の餌を食べている。左側に、白と黒のまだら模様の子牛がいる。 薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が、緑色(みどりいろ)のたらいから餌を飼槽(しそう)に入れている。 数頭の牛数が飼槽(しそう)の中の餌を食べたり、そしゃくをしている。

ナレーション: 農村部で進んでいるデジタル化やブランド確立への取り組み。酪農におけるビジネスチャンスを掴もうとする日本企業(にほんきぎょう)やインドのスタートアップの取り組みが、いまも続いている。

映像説明: 薄い黄緑色(きみどりいろ)を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。緑(みどり)を基調とした、中が空洞になった地球儀が回転している。

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