協業をめざす世界のスタートアップ ‐環境課題の解決への一歩‐

2021年11月18日

技術や製品を普及させるためには、市場ごとの商習慣や規制も考慮しなくてはならない。今や、世界の喫緊の課題といえる「環境問題」においても、グローバルな課題解決のために、海外との連携を模索する動きが進んでいる。インドのスタートアップと日本企業が協業を目指す動きや、日本の環境課題解決を図ろうとする海外企業の取り組みを取材した。

(11分23秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 フランス・パリのエッフェル塔や凱旋門、アニメキャラクターのコスプレをした20代くらいの海外の女の子や、渋谷のスクランブル交差点の写真など、世界中の12枚の写真が画面の奥から飛び出してくる。水色を基調としたコンピューターグラフィックの背景に、中が空洞になった緑色(みどりいろ)の地球儀が回転しながら現れる。画面右側で地球儀が回転し、左側に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: スタジオ。横長の薄い黄緑色(きみどりいろ)の背景モニターに緑色(みどりいろ)を基調とした地球儀と「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」のロゴが映し出されている。前方にも小さいモニターが置いてあり、砂漠にたくさんの太陽光パネルが並んでいて、パネルの上にオレンジ色(いろ)の機械がある様子が映し出されている。モニターの左側、スタジオ中央に女性キャスターが座っている。薄いピンク色のブラウスとクリーム色(いろ)のスカートを着ている。

女性キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。

映像説明: スタジオ。画面の左側に女性キャスターが、右側に小型モニターが映っている。モニターには、太陽光パネルの上に積もった砂をオレンジ色(いろ)の機械が移動しながら掃除する様子、パネルの上に積もった砂を白い機械が掃除する様子、4分割された画面に3人の男性と太陽光パネルが映し出されているモニターを、白い壁のオフィス内で白いシャツと黒いジャケットを着てマスクをつけた男性が見ている様子が映し出されている。女性キャスターが話をする。

テロップ: 江連 裕子(えづれ ゆうこ)

江連(えづれ)キャスター: 今や世界の喫緊の課題といえる、「環境問題」。その解決に向けて、多くの技術開発が進んでいます。今回は、日本とインドの企業の取り組みを取材しました。

テロップ: 協業をめざす世界のスタートアップ ‐環境課題の解決への一歩‐

映像説明: 砂漠地帯にある太陽光発電所の空撮映像(くうさつえいぞう)。太陽光パネルが等間隔に何列も並んで設置されていて、手前に白い施設が建っている。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): 環境問題支える清掃ロボ 世界初の技術で砂漠地域へ

テロップ: アラブ首長国連邦 ドバイ

テロップ: 再生可能エネルギーへのシフト

ナレーション: 今、世界では再生可能エネルギーへのシフトが急務となっている。

映像説明: 設置された太陽光パネルの上をオレンジ色(いろ)の機械が移動している。

ナレーション: 中東諸国でも、こうした太陽光発電所の建設が急速に拡大している。

映像説明: 太陽光パネルの上を白い文字で「MIRAI」と書かれたオレンジ色(いろ)の長方形の機械が移動している。進行方向と反対側にクリーム色(いろ)のローラーブラシがあり、回転している。

テロップ: 太陽光パネル清掃ロボット

ナレーション: こちらは、太陽光パネルを清掃するロボット。

映像説明: 太陽光発電所の写真。砂漠の中に並べられている太陽光パネル。 並べられた太陽光パネル一面が砂に覆われている様子。 砂に覆われた太陽光パネルと砂のついた人さし指の写真。

テロップ: 1ヵ月 約15% 発電効率低下

ナレーション: 雨が少なく、乾燥している砂漠地域ではパネルに砂が積もりやすく、1ヵ月で、およそ15%も発電効率が下がってしまうという。

映像説明: ローラーブラシがついた、大人の膝の高さほどのクリーム色(いろ)の清掃ロボットが太陽光パネルの上に積もった砂を掃除しながら移動している。白や青、黄色(きいろ)のヘルメットをかぶり、オレンジや黄色(きいろ)のベストを着た6人ほどの人物が太陽光パネルのまわりで作業をしている。4人の作業員がブラシを使って太陽光パネルの上を掃除している。

ナレーション: そのため、こうした自動清掃の製品が必要不可欠なのだ。

映像説明: 雲が浮かぶ空の下。海沿いの街並み。赤茶色のマンションや白い5階建ての建物、2階建て見えるの住宅が建ち並んでいる。堤防沿いの通りに街路樹が植えられていて、奥には山が見える。

テロップ: 香川県 高松市

映像説明: 住宅の前に水路がある1車線の道路。道路沿いに建つ平屋の白い建物の外観。外壁に赤い文字で「MIRAI」と書かれた白い看板が掲げられている。手前の駐車場には乗用車が6台ほどとまっている。

テロップ: 未来機械

ナレーション: このロボットを開発したのは、香川県高松市に本社を置く、未来機械。

映像説明: 白い壁に窓がある作業場。スチール製の棚に青いプラスチックケース、麦わら帽子、工具などが置かれている。白いシャツに黒いジャケットを着た男性と、クリーム色(いろ)の作業服を着た男性が、グレーの四角い機械や黒いコードがついたボタンがある機械を操作していて、クリーム色(いろ)の服に深緑色(ふかみどりいろ)のズボンを着た男性が傍らでその様子を見ている。全員マスクをつけている。

テロップ: 未来機械 三宅 徹 社長

ナレーション: 2004年、代表の三宅さんが、香川大学の大学院在学中に仲間たちと設立した企業だ。

映像説明: 白いシャツに黒いジャケットを着た三宅社長が体の後ろに手を組み、クリーム色(いろ)の服を着た2人の男性の話を聞いている。 駐車場に置かれた太陽光パネルの上にオレンジ色(いろ)の機械が置かれている。機械の側面に白い文字で「MIRAI」と書かれていて、上部には黒いシートのようなものと2つの持ち手(もちて)がついている。 並べられた太陽光パネル。パネルの上に積もった砂をオレンジ色(いろ)の機械がブラシを回転させて掃除しながら移動している。

ナレーション: 彼らが開発したこの清掃ロボットは、世界初となる技術で注目されている。

映像説明: 未来機械の作業場がある建物の前の駐車場。白いシャツに黒いジャケットを着た三宅社長が、太陽光パネルの上に乗ったオレンジ色(いろ)の清掃ロボットを手で示しながらインタビューに答える。

三宅社長: えー、まずソーラーパネルを掃除するロボットで、水を使わずに全自動で走れるもの。 これがわれわれの世界初の技術です。

映像説明: 砂漠地帯の太陽光発電所の空撮映像(くうさつえいぞう)。広大な土地に並んでいるたくさんの太陽光パネルの列の上をオレンジ色(いろ)の清掃ロボットが移動している。 砂に覆われた太陽光パネルの上を清掃ロボットが移動し、回転するローラーブラシが砂を除去していく様子。 砂に覆われた太陽光パネルの上をオレンジ色(いろ)の清掃ロボットがブラシを回転させて移動しながら砂を除去したり、パネルの上で方向転換をしている様子。

テロップ: 水を使わない清掃

テロップ: センサーによる自動走行

ナレーション: 砂漠地域では、水も貴重な資源。この、特殊なブラシで水を使わずに清掃できる技術と、センサーによる自動走行ができる技術で、特許を取得している。

映像説明: 未来機械の駐車場。太陽光パネルの上に清掃ロボットが置かれている。 横に3列、縦に2段に組まれた太陽光パネルが6枚置かれていて、1枚のパネルの部分の縦が「2m」、横が「1m」という、大きさを説明する文字が表示される。

ナレーション: こちらは、未来機械の製品の中でも小型のロボット。1台で、この大きさのパネルを1時間に最大200枚、清掃することができる。

映像説明: 白い壁の会場の写真。、「TMEIC(ティーマイク)」という看板や白いパーティションなどがある。太陽光パネルの上に未来機械のオレンジ色(いろ)の清掃ロボットが置かれていて、そのそばで、三宅社長が白いシャツに襟元に黄色いバッジをつけた黒いジャケットを着た外国人男性に話をしている。傍らで柄(がら)のある服を着た女性、黒いジャケットを着た2人の男性、頭に白い布をかぶり、黒い輪で留めた白い民族衣装を着た男性、黄色(きいろ)の民俗衣装を着た男性が三宅社長の話を聞いている。

ナレーション: 2008年にこれらの清掃ロボットの実用化に成功し、サウジアラビア、カタールなど中東諸国に相次いで進出。

映像説明: 砂漠地帯の太陽光発電所の空撮映像(くうさつえいぞう)。広大な土地に等間隔に太陽光パネルの列が並んでいる。 パネルの上をオレンジ色(いろ)の清掃ロボットが掃除しながら移動している。

テロップ: 107万枚の大規模発電所

ナレーション: ドバイでは、太陽光パネル107万枚が設置された大規模発電所に60台以上の清掃ロボットを販売した。

映像説明: 砂漠地帯に建てられた記念碑の写真。記念碑には白い文字で、アラビア語と英語で「Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Park ‐ Phase Ⅰ(ムハンマド ビン ラーシド アール マクトゥーム ソーラー パーク フェーズ ワン)」などと書かれ、その前に白いシャツに黄色いベストを着た2人の男性と一緒に立つ三宅社長が写っている。 高台から見たインドの街並み。遠くの方まで市街地が広がり、ビルの合間のところどころに背の高い樹木が茂っている。

テロップ: インド

ナレーション: 中東諸国での販路獲得に成功した未来機械が次に狙ったのは…インド。

映像説明: 少し高いところから見下ろした市場(いちば)の通りの様子。色とりどりの服を着た多くの人が行き交っていて、荷物を入れた白い大きい袋を頭のうえや肩に乗せた人々が歩いている。 市街地の歩道。ピンク色のシャツを着てリュックを背負い、眼鏡をかけた男性、黒と白のチェック柄のシャツに黒いベストを着て右肩にリュックを背負った男性などが歩いている。歩道沿いの車道をバイクや車が走っている。 ハンバーガー店など、さまざまな店が並ぶ通り。車道を数台の車が走行していて、路肩には何台もの車が駐車している。 クリーム色(いろ)の丸屋根がある横に長い建物がある大通り。建物の前の車道を車やバイクが走行し、広い歩道を6人の男女が歩いていく。

テロップ: 電力需要の増加

テロップ: 環境課題

テロップ: 再生可能エネルギーの導入

ナレーション: これまで石炭による火力発電に依存していたインドだが、経済成長に伴う電力需要の増加と環境課題に直面し、再生可能エネルギーの導入を政策に掲げている。

映像説明: 白い雲と青空の下の山の斜面の写真。太陽光パネルが設置されていて、奥に見える山肌に雪が積もっている。

ナレーション: そのため、太陽光発電所の建設は急ピッチで進んでいるのだが…。

映像説明: 未来機械の作業場。スチール製の棚や清掃ロボットが載った太陽光パネルが置かれている。三宅社長がインタビューに答える。

三宅社長: えー、われわれが設計して、えー、日本(にほん)や中東で走らせることはできるようなロボットでも、 インドでは、こう、(パネルのつなぎ目の)段差の問題が大きすぎて走らなかったりとか。 じゃあ、それに対応できるロボットを設計すると非常にコストがかさみます。 それに対して、えー、インドの方々の要求するコストは非常に低いものです。 われわれはどうやって応えたらいいのかということを考えてきたのですけれども、えー、そこをマッチする条件というのは見いだせなかったんですね。

映像説明: 太陽光パネルの上にオレンジ色(いろ)の清掃ロボットが置かれている。 屋外に設置された太陽光パネルに取り付けられた清掃の機械が稼働している様子。ローラーブラシが回転しながら砂で汚れた太陽光パネルの上を移動していき、ローラーブラシが通過したあとのパネルがきれいになっていく。

ナレーション: 建設技術などの違いから、中東で使えた製品が、そのままではインドで使えない。さらにコストや商習慣の違いでも苦戦を強いられ、進出は行き詰まった。

映像説明: 未来機械の作業場。三宅社長がクリーム色(いろ)の作業服を着て工具やノートパソコンを持ちながら話している2人の従業員のほうに歩いていき、声をかける。全員マスクをつけている。 三宅社長が2人の従業員が作業している様子を見ている。全員マスクをつけている。

ナレーション: なんとか自社の技術を生かす方法はないかと、模索する三宅さんのもとに、ある出会いが訪れた。

映像説明: 3分割された画面。画面右上に白い壁の部屋で白いシャツを着て眼鏡をかけた男性、画面右下にホワイトボードと観葉植物が置かれたクリーム色(いろ)の壁の室内で右手を上げて話かけるマスクをつけた三宅社長、画面左側に白い部屋で水色のシャツを着てヘッドホンをした外国人男性が話す姿が映し出されている。

三宅社長: ハロー、ジャティンさん。

水色のシャツを着てヘッドホンをした外国人男性・英語: ハロー、ミヤケ。

映像説明: 白い長机(ながづくえ)が置かれた未来機械の室内。三宅社長が白い長机(ながづくえ)にノートパソコンを置き、4分割された画面が映し出されたモニターを見ている。画面右上にジャティンさんが映し出されている。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): 日本×海外スタートアップ 協業のメリットは?

テロップ: Jetsons Robotics(ジェットソンズ ロボティクス) ジャティン・シャーマ CEO

ナレーション: 三宅さんと打ち合わせをしているのは、ジェットソンズロボティクスのシャーマさん。

映像説明: 窓にロールスクリーンがある白い壁の部屋。黒い服を着て眼鏡をかけた男性と、青いTシャツを着て眼鏡をかけた男性が木目調の机に置かれたパソコンに向かっている。机の上に青のペットボトルと黄緑色(きみどりいろ)のペットボトルが置かれていて、パソコン画面には機械のコンピューターグラフィックス画像が映し出されている。 白い壁で黒い机が置かれた部屋。黒いTシャツを着て眼鏡をかけた男性が机に置かれたパソコンに向かっている。パソコン画面には基盤のコンピューターグラフィックス画像が映し出されている。 茶色い木目調の床に白い壁の部屋。オレンジ色(いろ)の帽子をかぶり、グレーのTシャツを着た男性が黒い机に向かい基盤のハンダ付けをしている。 砂がついた太陽光パネル。銀色の金属製の機械がローラーブラシを回転させながらパネルの上で動いている。(映像提供 Jetsons Robotics(ジェットソンズ ロボティクス))

ナレーション: 2018年に設立されたインドのスタートアップで、実は彼らも、太陽光パネルを清掃するロボットを開発している同業者。

映像説明: 白い壁の部屋。白いポロシャツを着たシャーマCEOがインタビューに答える。(Zoomのビデオ通話)

シャーマCEO・英語: 世界的に見て未来機械はすばらしい企業です。 しかし、日本で製造するにはコストが高すぎるでしょう。 私たちは、未来機械の技術を応用して、太陽光パネル関連製品を作ることも出来るし、 インドで大量生産することで、コストをかなり低く抑えることが可能です。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の室内。4分割されたモニター画面をマスクをつけた三宅社長がノートパソコンを置いた白い長机(ながづくえ)に座り、見ている。

テロップ: 協業への可能性の模索―

ナレーション: シャーマさんのラブコールから同業他社による、協業への可能性の模索が始まった。

映像説明: 4分割された画面。画面右上にホワイトボードと観葉植物が置かれたクリーム色(いろ)の壁の室内にいる三宅社長、左上に白い部屋で白いシャツを着て眼鏡をかけた男性が映し出されている。画面右下と左下には、屋外に置かれた太陽光パネルの上で清掃ロボットが動いている様子が映し出されている。ロボットが動く画面にはボカシ加工がかかっている。

三宅社長・英語: ロボットがしっかり動いていますね。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の室内。マスクをつけた三宅社長がモニターを見ながら話をしている。 4分割された画面が映し出されたモニターの右上や左下に太陽光パネルの上を動いている清掃ロボットが映し出されている。画面にはボカシ加工がかかっている。

ナレーション: コロナ禍で、実際に試作品を見ることができないなかでも、オンラインで技術アドバイスをして、コミュニケーションを重ねている。三宅さんは、録画のデータではなく、リアルタイムで動作チェックをすることに意味があると話す。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の室内。スチール製の棚が置かれていて、クリーム色(いろ)のパーティションで仕切られた部屋が見える。窓際の白い長机(ながづくえ)の上にモニターが置かれていて、パソコンに向かう男性が見える。三宅社長がインタビューに答える。 4分割されたモニター画面の左下に太陽光パネルの上を動いている清掃ロボットが映し出されている。マスクをつけた三宅社長が4分割されたモニターに映し出された清掃ロボットの様子を真剣に見ている。

三宅社長: 開発の段階って100回やって10回しか動かないかもしれない。 50回しか動かないかもしれない。それも大事な情報な訳なんです。 こういうふうにちょっと変えてみてやってとか、 実際、その場に僕が立ち会って試験するのと同じことができるので、 んー、まあ、こういうやりかたを、で、一緒に開発してます。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の室内。4分割された画面が映し出されたモニター。 マスクをつけた三宅社長がノートパソコンを置いた白い長机(ながづくえ)に座り、モニターを見つめている。 マスクをつけ、話をする三宅社長の顔のアップ。

ナレーション: しかし、まだ研究開発の過程にある若いスタートアップと、この分野ですでに広く知られている未来機械。協業を目指すメリットはあるのだろうか。

映像説明: 未来機械の作業場。スチール製の棚や清掃ロボットが載った太陽光パネルが置かれている。三宅社長がインタビューに答える。 建物の屋根に設置された太陽光パネルを清掃ロボットが掃除している。パネルの傍らで水色の作業服を着て白いヘルメットをかぶった外国人男性が清掃ロボットの様子を見ている。奥のほうに生い茂る樹木や街並みが見える。 未来機械の作業場。三宅社長が話を続ける。 建ち並ぶビルや生い茂る樹木が見える屋外。太陽光パネルの上をらせん状のローラーブラシを回転させながら清掃ロボットが移動している。 未来機械の作業場。クリーム色(いろ)の作業服を着てマスクをつけた男性と、マスクをつけた三宅社長が機械の部品を見ている。 未来機械の作業場。三宅社長が話を続ける。

三宅社長: 彼らはインドのマーケットがどういうふうになっているか、どういったニーズがあるか、 どういった製品がインドで求められているかということを、僕らよりずっとよく理解してるわけです。 製品を世の中に出さないと、そのアイデアは価値を生まないわけです。 われわれも積極的に、えー、技術を開示して、事業を作っていくということのほうが われわれにとってもメリットがずっと大きいというふうな。

映像説明: 白い壁の部屋。シャーマCEOがインタビューに答える。(Zoomのビデオ通話)

シャーマCEO・英語: 他社と協業することで、お互いの強みを生かすことが出来ます。 課題は、どのように連携していくのか、適切な状態を見つけることです。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の室内。4分割された画面が映し出されたモニターを、マスクをつけた三宅社長がノートパソコンを置いた白い長机(ながづくえ)に座り見ている。奥の窓際に白い長机(ながづくえ)に座る人物がパソコンに向かっているのが見える。

テロップ: 技術的なサポート

テロップ: マーケットへの進出

ナレーション: 技術面でのサポートを求めるジェットソンズロボティクスと、マーケットへの進出に課題を持つ未来機械。

映像説明: オレンジ色(いろ)の床でクリーム色(いろ)の壁の室内。クリーム色(いろ)のパーティションで仕切られた部屋があり、スチール製の棚などが置かれている。 三宅社長が4分割された画面が映し出されたモニターを見ている。

ナレーション: それぞれに課題を持つ2社が、互いに補完しあえれば、インド市場の開拓により早く近づいていく。

映像説明: 高いところから見下ろした広い展示会場。「TOPPAN」「TAIWAN」などと書かれたさまざまなブースが立ち並んでいる。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): 世界の環境課題解決へ つながるスタートアップ

テロップ: CEATEC 2019

映像説明: 展示会場の中。「TAISEI」のブース。木材で斜めに組まれた壁や屋根のようなものが設置されている。手前にある白い展示台には、グレーの高層ビルなどの建築模型が並べられている。ブース内では、大勢の人がそれぞれ話をしている。 会場の一角。さまざまなブースが立ち並び、大勢の人がブースや通路で話をしたり、ブースを見ながら歩いている。 会場内の通路。白いシャツを着た男性が、水色のトレーナーを着た男性と白いシャツを着た男性に話をしている。

テロップ: 国際展示会

ナレーション: 彼らのように、海外の企業や組織との協業を必要としているスタートアップは多い。そんな企業同士の貴重な出会いの場の1つが、国際展示会だ。

映像説明: 「CEATEC 2021」のウェブサイト。中央に「CEATEC 2021 CPS/IoT(アイオーティー) EXHIBITION 2021 ONLINE」と題され、左側にアフターイベントの予定表と「CONFERENCE」の文字、右側にはプログラム表と「EXHIBITION」の文字などが表示されているページ。 スライドショーデザインのウェブページ。壁に展示された情報を人々が見ているイラスト、白い点と点を白い線で結んだ幾何学的なデザイン、人物などのさまざまな写真がある、青を基調とした背景に、左側に「2021年11月30日まで開催中!」の文字と「CEATEC 2021 CPS/IoT(アイオーティー) EXHIBITION 2021 ONLINE」と題されたページ、右側には、アフターイベントの予定が表示されているぺージが表示されている。 「CEATEC 2021 CONFERENCE」と題され、「スタートアップ」などのさまざまなカテゴリーが表示されているページ。「OPENING-EVENT オープニングイベント 公開中」と題され、講演をする人物らの顔写真や氏名などが映し出されたページへと次々と切り替わる。

テロップ: 10月19~(から)22日(11月30日までオンデマンドで公開) CEATEC 2021 オンライン

ナレーション: 日本最大級(にほんさいだいきゅう)のIT(アイティー)技術とエレクトロニクスの総合技術展示会、CEATEC。2019年には、インドのシャーマさんも参加している。

映像説明: 「CEATEC 2021」のウェブサイト。左側に、「JETRO Global Connection(ジェトロ グローバル コネクション) 世界のスタートアップと共に創る日本の未来」と題されたタイトルが表示され、右側には、陸地が緑色(みどりいろ)、海が水色で描かれた地球の半円の上に、建物や風力発電の風車が建ち、上空部分には太陽や雲、雨粒などが描かれ、地球のまわりには、ごみ箱やペットボトル、土(つち)から生える双葉、点灯した電球などが地球と点線でつながっているイラストが描かれている。下にスクロールすると、「JETRO Global Connection(ジェトロ グローバル コネクション)について」と題された説明、「STEP1 スタートアップを探す」、「STEP 2 スタートアップと商談をする」、「社会課題テーマから探す」と題された項目などが順々に表示される。 「社会課題テーマから探す」と題された項目の下に3つのテーマが並んでいて、「テーマ1 環境配慮型社会への転換 企業ビジネスや社会活動を、環境配慮型に転換させること」という文字と手のひらに緑の植物を載せた部分がズームアップされる。

テロップ: JETRO Global Connection(ジェトロ グローバル コネクション) 世界18の国と地域から45社のスタートアップが参加

ナレーション: ジェトロは、社会課題解決型のスタートアップによるエリアを設置。世界18の国と地域から45社を招へいし、商談会を開催した。

映像説明: 青空に浮かぶ太陽と青い海の水平線を背景に「SOLARDUCK」と文字と、黄色(きいろ)の放射線の線の中にアヒルの影があるロゴが映し出されている。右下には「zoom」のロゴがあり、右上にある小さな枠の中で水色のシャツに黒いジャケットを着てヘッドフォンをつけた男性が話をしている。 「OUR OFFSHORE SOLAR SOLUTION」と題された画面に切り替わる。右側に、緑と黒の円柱形(えんちゅうけい)の柱のようなものの上に緑の三角形の枠の中に太陽光パネル十数枚が設置されている設備のイラストと湾岸の近くに浮かぶ太陽光パネル十数枚が設置された三角形の設備の写真が表示されている。左側には、英語で説明が書かれている。右上にある小さな枠の中で水色のシャツに黒いジャケットを着てヘッドフォンをつけた男性が話をしている。

テロップ: SolarDuckナレーション: 環境課題解決型のカテゴリーに参加したオランダのSolarDuck。

映像説明: 茶色い川の中に浮かぶ太陽光パネル設備の空撮映像(くうさつえいぞう)。川の奥には木々(きぎ)が生える陸地が見える。緑色(みどりいろ)の円柱形(えんちゅうけい)の柱のようなもので支えられた緑色(みどりいろ)の三角形の設備の上に、4つの三角形のブロックに区切られたそれぞれのスペースに太陽光パネル数十枚が設置されている。

テロップ: 浮体式洋上太陽光発電設備

映像説明: 2本の橋がかかる幅の広い茶色い川の空撮映像(くうさつえいぞう)。手前の橋の上を車が走行している。2隻の船が太陽光パネルを設置した設備を前後で、えい航している。反対側の航路をコンテナ船が航行している。 橋がかかる茶色い川の上。2隻の船が緑色(みどりいろ)の円柱形(えんちゅうけい)の柱のようなもので支えられた太陽光パネルを設置した設備を前後ではさみ、えい航している。 太陽光パネルを設置した設備の空撮映像(くうさつえいぞう)。6人の人物が設備の上で作業をしている。設備には放射状の線の中にアヒルの影がある円形のロゴと「SOLARDUCK」と書かれたパネルがある。設備に小さなボートが横付けされていて、2人の人物が乗っている。

ナレーション: 彼らが開発した太陽光発電システム、「浮体式洋上太陽光発電設備」は、海やダムといった場所でも高波や台風に強く、環境に応じて設置できる。

映像説明: 「JAPAN IS A KEY TARGET MARKET(ジャパン イズ ア キー ターゲット マーケット)」と題された画面。左側に「Market Analysis」と書かれた文字の下に日本地図(にほんちず)が表示され、右側には「Floating Solar is the cheapest option」の文字と、それぞれ英語で説明が書かれている。左端には、青空に浮かぶ太陽と青い海の画像があり、右下には「zoom」のロゴが表示されている。 「OFFSHORE SOLAR IS INEVITABLE(オフショア ソーラー イズ イネヴィテブル)」と題された画面に切り替わる。真ん中には「Need to get to net Zero」の文字と周囲に風力発電設備や太陽光パネル、牛、双葉、人、電気自動車がある緑色(みどりいろ)の地球のイラストと「Only Solar can meet Increasing demand」の文字と太陽のイラスト、「Land scarcity」の文字と青い地球の上に人がピラミッド型に並んでいるイラストの、3つがプラス記号でつながれ、「OFFSHORE SOLAR IS THE ONLY FEASIBLESOLUTION」にイコールで結ばれている式がある。 「TARGET MARKETS」と題された画面に切り替わり、左側には「Metropoles(メトロポールス)」の文字と都市部の写真、「Islands」の文字と島の写真、「Offshore platforms(オフショア プラットフォームス)」の文字と海上設備の写真、「Large inland water bodies」の文字と湖の写真が映し出されている。右側には、海がグレー、陸地が白の世界地図に青で「Sun belt」と書かれた青いラインが表示されている。カリブ海、ヨーロッパ、東南アジアがグレーの枠で囲まれている。右上に小さな枠があり、水色のシャツに黒いジャケットを着て、ヘッドフォンをつけた男性が話をしている。

ナレーション: 彼らもまた、日本の企業とタッグを組んで、太陽光発電のための土地が不足しているアジアの地域へ展開していきたいと話す。

映像説明: 壁に白いカーテンのようなものがかかった室内。水色のシャツに黒いジャケットを着た男性がインタビューに答える。 洋上。5基の風力発電設備が設置されていて、白い棒状のタワーの先端にあるプロペラ型のブレード3枚が回転している。奥には水平線が見え、空には雲が浮かんでいる。 太陽の光がさし込む海底。黄色い支柱に設置された円柱形(えんちゅうけい)の機械がついた3基の設備が設置されている。機械の前後にあるプロペラ型のブレード3枚が回転している。 広大な土地一面に太陽光パネルが設置されている。奥のほうには道路沿いに不規則な間隔で樹木が植えられていて数台の車が道路を走行している。 青空の下で。架台に設置された太陽光パネル。奥まで並んだ太陽光パネルの向きが上向きに動く。 山間部にある巨大ダムの放流の空撮映像(くうさつえいぞう)。奥には水色の湖面と山並みが見える。 壁に白いカーテンのようなものがかかった室内。水色のシャツに黒いジャケットを着た男性が話を続ける。(Zoomのビデオ通話)

テロップ: オランダ国旗 オランダ SolarDuck 共同創業者 オラフ・デ・スワート さん

スワートさん・英語: 私たちが求めているのは、日本についての豊富な知識と プロジェクトを実現するための国内のネットワークを持った企業です。 多くの国が日本と同じような問題を抱えています。 日本の70%は山地ですが、韓国、台湾、インドネシアにも同様の問題があります。 日本の企業はこの技術を普及していく上で、大きな役割を果たすことが出来ると思います。

映像説明: 雲が浮かぶ大空を飛行するだ円形の白い飛行船の静止画が映し出されている。船体に青い文字で「FLYING WHALES(フライング ホエールズ)」と書かれ、下部の開いた開閉口から2つの茶色いコンテナがつり下げられている。右上に「FLYING WHALES(フライング ホエールズ)」のロゴがあり、飛行船のまわりに英語で説明が書かれている。右下に「zoom」のロゴと小さな枠があり、黒い服を着て眼鏡をかけ、ひげを生やした男性が話をしている。 「LCA60T APPLICATIONS(エルシーエー ろくじゅう ティー アプリケーションズ)」と題された画面に切り替わる。一部に雪が積もっている山々の上空を、鉄塔をつり下げた白い飛行船が飛行する様子、風力発電設備が建つ畑の上空をブレードをつり下げた白い飛行船が飛行する様子、建物などが倒壊した沿岸部の上空をコンテナをつり下げた白い飛行船が飛行する様子、海上のコンテナ船の上をコンテナをつり下げた白い飛行船が飛行する様子などの静止画が映し出されている。右下に小さな枠があり、黒い服を着て眼鏡をかけ、ひげをはやした男性が話をしている。

テロップ: FLYING WHALES(フライング ホエールズ)

ナレーション: 今回、多くの参加者から注目を集めた企業の1つ、フランスのFLYING WHALES(フライングホエールズ)。

映像説明: コンピューターグラフィックスの映像。海上を航行するコンテナ船に向かって飛行する「FLYING WHALES(フライング ホエールズ)」のだ円形の白い飛行船の様子。白い飛行船が海上を航行するコンテナ船に近づいていく。 上空から見た薄茶色(うすちゃいろ)の山と谷がある地帯の上空を飛行する白い飛行船。 天井が高いアーチ状の屋根の格納庫の映像。格納庫の前に置かれた白い船台に白い飛行船が着陸する。格納庫の中ではトラックなどが走行している。 緑の山々の上空を白い飛行船が飛行している。 山間部を飛行する白い飛行船が木材3本をそれぞれロープでつり下げている。画面右側に英語で説明が書かれている。

テロップ: 飛行船

映像説明: 切り立った崖の海岸から広大な海に向かって飛行船の影が映っている様子を上空から見た映像。 曇り空の下。災害を受け、建物が崩壊し、破片や車などが積み上げられた町の上空を白い飛行船が飛行している。飛行船の下部に英語で説明が書かれている。奥には林や山並みが見える。 雲が浮かぶ青空の下。一部に雪が積もっている山々の上を、鉄塔をつり下げた白い飛行船が飛行している。飛行船の左右に英語で説明が書かれている。

ナレーション: 石油への依存を減らすため、輸送手段を模索する動きが強まる今、飛行船が注目されている。2023年の完成を目指し開発中の飛行船は、最大60トンもの荷物の空輸を可能にし、災害時のインフラとしても期待が寄せられている。彼らもまた、日本の企業や組織の協力が必須だと話す。

映像説明: 白い壁の室内。黒い服を着て眼鏡をかけ、ひげを生やした男性がインタビューに答える。(Zoomのビデオ通話)

テロップ: フランス国旗 フランス FLYING WHALES(フライング ホエールズ) オクターブ・ジョリモワ マーケットマネージャー

ジョリモワマーケットマネージャー・英語: 私たちが話している問題や課題を自分たちだけで解決することは不可能です。 この課題に立ち向かうためには、何らかの解決策を見つけなければなりません。 海外の企業とのコラボレーションは、私たちが考えもしなかった新しいテーマや方法、 新たな専門知識や革新的なソリューションをもたらしてくれます。

映像説明: 展示会場の一角のブース。さまざまな機械製品が置かれた展示台の前で、黒いスーツを着た男性が、手の形をした機械を腕に装着し動かしている。隣に立つ黒いシャツを着た男性が黒いスーツを着た男性にマイクを向けられ、話をしている。大勢の人が周りで話を聞いたり、スマートフォンで撮影をしている。 別のブースの一角。白いシャツの上にグレーのベストを着た男性が、グレーのジャケットを着た男性に身振りを交えながら話をしている。

テロップ: CEATEC 2019

ナレーション: いま、日本の企業との連携を、世界中のスタートアップが求めている。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の室内。マスクをつけ、白いシャツに黒いジャケットを着た三宅社長が話をしている。

ナレーション: 未来機械の三宅さんに、海外の企業と協業することの意義を改めて尋ねた。

映像説明: 未来機械の白い壁の作業場。スチール製の棚や清掃ロボットが載った太陽光パネルが置かれている。三宅社長がインタビューに答える。 屋外。トタンの上に設置された砂が積もった太陽光パネルの上をオレンジ色(いろ)の清掃ロボットが動きながら清掃している。 白い壁の作業場。三宅社長が体の後ろに手を組み、クリーム色(いろ)の服を着た2人の従業員の話を聞いている。全員マスクをつけている。 クリーム色(いろ)の壁の室内。三宅社長が、ノートパソコンが置かれた白い長机(ながづくえ)に座り、4分割された画面が映し出されたモニターを見ている。 4分割された画面。右上にホワイトボードと観葉植物が置かれたクリーム色(いろ)の壁の室内にいる三宅社長、左上に白い部屋で白いシャツを着て眼鏡をかけた男性、右下と左下には屋外に置かれた太陽光パネルの上で清掃ロボットが動く様子が映し出されている。ロボットが動く画面にはボカシ加工がかかっている。 白い壁の作業場。スチール製の棚や清掃ロボットが載った太陽光パネルが置かれている。三宅社長が話を続ける。

三宅社長: えー、この今のエネルギー問題、自然エネルギーのどんどん導入していくという流れはですね、本当に強いものがあります。 一方で注目されているがこそ、いろいろなアイデアだとか、いろいろな製品がどんどん沸き起こってきますし、 えー、技術のトレンドだけでなく、規制だとかまた各国のその産業政策によって大きな影響を受けていきます。 えー、未来は誰にも分かりません。つまり変化が積み重なって未来は出来ます。 じゃ、その変化にいかに対応できるか。 そのためには1人ではだめ。社内のメンバーだけでもだめ。 外の人とチームを組んで、取り組んでいくことが、より早く、より確実にたどり着けると考えています。

映像説明: 薄い黄緑色(きみどりいろ)を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。緑を基調とした、中が空洞になった地球儀が回転している。

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