生酒で新たな市場を拓く ‐“ケグ”で届ける搾りたての味‐
2018年06月21日
「世界は今」のアクセシビリティ対応について
ジェトロ・ウェブアクセシビリティ方針に基づき、「世界は今」では次のような取り組みを行っています。
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- 視覚障害をお持ちの方向け
- 動画の内容をテキストに起こした「テキスト解説」をご利用ください。動画の次にテキスト解説を表示させるリンクがあります。
火入れ(加熱処理)をしない製法で造られる日本酒、「生酒」。デリケートで品質管理が難しく、輸出は困難とされてきた。これに対し、ビールなどの貯蔵やサーバーに使われる“ケグ”を用いて空気と光を遮断するとともに、空輸で輸送時間を短縮して、鮮度を保ったまま生酒を輸出しようとする動きがある。生酒の搾りたての味は欧州のバイヤーに届くのか。兵庫県明石市の酒どころ「西灘」の取り組みを取材した。
(9分30秒)
テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。
映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図から飛び出した、中が空洞になった地球儀が、 回転しながら拡大表示される。 さらに世界のさまざまな都市の画像が周囲を取り巻きタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」
映像説明: スタジオ。 地球儀が回転するコンピューターグラフィックスのスタジオに女性キャスターが入ってくる。 白いVネックのブラウスに薄茶のフレアスカート。
テロップ: 宮瀬 茉祐子(みやせ まゆこ)
宮瀬キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 年々、輸出量が増えている日本酒(にほんしゅ)。 和食が無形文化遺産になったこともあり、その人気はますます高まっています。 最近では和食店以外でも飲まれるようになり、お酒の種類も多様化しています。 その中で、今回ご紹介するのは、「生酒(なまざけ)」です。 「生酒(なまざけ)」は非常にデリケートで、品質管理が難しいと言われています。 原酒の搾りたての味と香りを届けようとする取り組みを取材しました。
タイトル: 生酒(なまざけ)で新たな市場を拓く ‐“ケグ”で届ける搾りたての味‐
映像説明: 客でにぎわうバー。立ち飲みカウンターの上には大皿に盛られた料理。カウンタの天板に取り付けられたグラスグラスハンガーには、グラスがたくさん並んでいる。日本酒(にほんしゅ)がつがれたグラスをカウンター越しに差し出すショートカットの女性店員。満面の笑みを浮かべた白いシャツを着た男性客が受け取り、空いたグラスをショートカットの女性に返す。酒を口に含み、満足げな表情でコメントをする。
白いシャツを着た男性客: おいしいです。
映像説明: 日本酒(にほんしゅ)が入ったグラスを持った茶色い髪の女性客が、笑顔でコメントをする。
茶色い髪の女性客: とても甘くて飲みやすいです。
映像説明: 満席のカウンター。厨房にある冷蔵ケースの中に、数種類の酒瓶(さかびん)。カウンターにボトルクーラーが置かれ、数本の酒瓶(さかびん)が氷水で冷やされている。天井のはりには、地酒の説明が書かれた貼り紙が並ぶ。 酒店の表(おもて)。棚や木箱に陳列された、たくさんの酒瓶(さかびん)。「久保田」「兼八(かねはち)」など、日本酒(にほんしゅ)の名前が書かれたのれんや木製パネルが飾られている。「たなか屋」の看板の横には、「STANDING BAR 田中」の看板もあり、入り口(いりぐち)が別々になっている。 バーの店内。泡立った飲み物を差し出すショートカットの女性店員。客席にいるポニーテールの女性客が受け取る。 スーツを着た男性客の手元に、グラスにつがれた日本酒(にほんしゅ)。その横には刺身がのった皿。
テロップ: たなか酒店
ナレーション: 常連客でにぎわっているたなか酒店は、四季折々の料理とお酒を楽しむ場を提供している。
映像説明: 天井のはりに並んだ、日本酒(にほんしゅ)の説明書き。「喜久醉(きくよい)」「作(ざく)」「竹泉(ちくせん)」「鶴齢(かくれい)」とあり、それぞれの産地や蔵元、味わいなどについて書かれている。 酒店の店内。酒瓶(さかびん)がぎっしりと陳列された壁沿いの棚。しょうゆ瓶の写真とともに「あかしの魚笑(うおしょう)」と書かれた貼り紙もある。壁と壁のあいだに渡された棚板(たないた)には、5個の招き猫が並べられ、隅には青々とした杉玉(すぎだま)が吊されている。
ナレーション: 明石の地酒など、品質の高い商品を厳選して取り扱う。
映像説明: バーの店内。カウンターの中で、ショートカットの女性店員が日本酒(にほんしゅ)をグラスについでいる。 丸テーブルの上に酒瓶(さかびん)が3本。「来楽」と書かれたラベルが貼られている。後ろには、赤地に黒い文字の屏風。
テロップ: 「生酒(なまざけ)」 明石の地酒 来楽
ナレーション: 先ほど、常連客が飲んでいたのは、お店、一番人気の生酒(なまざけ)だ。
映像説明: 酒店の店内。「大吟醸35」「純米生(じゅんまいなま)原酒」など、さまざまな種類の「来楽」が並んでいる。
ナレーション: たなか酒店と蔵元は、この生酒(なまざけ)の、ヨーロッパ市場への輸出に取り組んでいる。
映像説明: 壁際の棚にぎっしりと陳列された「来楽」の酒瓶(さかびん)を背景に、「日本酒(にほんしゅ)の輸出」と題された折れ線グラフ。2010年には100億円を切っていたが、2017年には約187億円になっている。(出所:財務省貿易統計)
ナレーション: 2017年の日本酒(にほんしゅ)の輸出金額はおよそ187億円で、8年連続で過去最高額を記録している。
映像説明: 世界地図を背景に、「日本酒(にほんしゅ)の輸出(2017年)」と題された表。順位、国・地域、金額(億円)の順に、1位から10位までが表示されている。1位米国60.4億円、2位香港28億円、3位中国26.6億円。4位韓国18.6億円、5位台湾9.5億円、6位シンガポール6.9億円、7位カナダ4.9億円、8位オーストラリア4億円、9位英国3.5億円、10位ベトナム2.7億円となっている。(出所:財務省貿易統計)
ナレーション: 主な輸出先はアメリカ、香港、中国などである。 ヨーロッパ向けはイギリスが9位に入っているが、市場は小さく、拡大に向け、どう取り組むかが課題だ。
映像説明: グレーのスーツを着た男性がオフィスでインタビューに答える。
テロップ: ジェトロ 加工食品・酒類支援課 課長 濱田 哲一(はまだ あきかず)
濱田(加工食品・酒類支援課 課長): 日本酒(にほんしゅ)の輸出をさらに増やすためには、レストランで主に飲まれているワインの代わりに、日本酒(にほんしゅ)を提案することが必要です。
映像説明: 緑に囲まれた白い建物。屋上から伸びる展望台の頂上に時計が設置されている。外壁には「明石市立天文科学館」の文字。 海峡にかかる長いつり橋を背に、船が進む。 四角い枠の中に地図のイラスト。兵庫県は大阪府の西部に位置する。明石市は兵庫県内の南部にあり、瀬戸内海に面している。
ナレーション: 兵庫県 明石市。
映像説明: 木造の壁の前。木枠の中に収まった陶器の酒樽が2つ並んでいる。 四角い枠の中に地図のイラスト。淡路島の対岸に明石市。その西北に、江井島(えいがしま)や大久保町(おおくぼちょう)、魚住町(うおずみちょう)がある。
テロップ: 300年以上前から 酒造りが盛んな地域
ナレーション: 江井島(えいがしま)から魚住にかけての一帯は、300年以上前から酒造りが盛んな地域。
映像説明: 裏路地に延びる板塀(いたべい)。門の脇に白い洋風の建物。表(おもて)のひさしには茶色の杉玉(すぎだま)が下がる。
テロップ: 西灘
ナレーション: 東の酒どころである神戸の「灘」に対して、この辺りは「西灘」と呼ばれている。
映像説明: 瓦屋根の木造平屋。入り口(いりぐち)に「明石の地酒 来楽」と書かれた暖簾が下がっている。その横には茶色い杉玉(すぎだま)。
テロップ: 兵庫県 明石市 茨木(いばらき)酒造
テロップ: 1848年創業
ナレーション: 魚住にあるこちらは1848年創業の「茨木(いばらき)酒造」。
映像説明: 茨木(いばらき)酒造の店内。紺色のポロシャツを着た若い男性が、不織布(ふしょくふ)で「来楽」の一升瓶を包んでいく。ポロシャツの胸に「来楽」とプリントされている。
テロップ: 茨木(いばらき)酒造 9代目 茨木 幹人(いばらき みきひと) さん
ナレーション: 昔ながらの手造りを継承している、茨木(いばらき)酒造 9代目の茨木 幹人(いばらき みきひと)さん。
映像説明: 種類の違う4本の「来楽」が置かれた丸テーブルの前で、茨木(いばらき)さんがインタビューに応じる。
茨木(いばらき)さん: この辺(へん)(西灘)のお水の良さっていうのは、灘の地域は神戸の六甲山からの伏流水と言われていて、私たちの西灘の地域も同じ六甲山系の水脈なので、酒造りに適した水が出るっていうことで酒蔵が栄えたと。
映像説明: ラベルのデザインが異なる3本の「来楽」。アルファベットで「RAIRAKU」と書かれているものもある。
テロップ: 明石の地酒 「来楽」
ナレーション: こちらでは、明石の地酒、「来楽」という生酒(なまざけ)を作っている。 名前の由来を聞くと…。
映像説明: インタビューに答える茨木(いばらき)さん。
テロップ: 「朋あり遠方より来る(きたる)、また楽し(たのし)からずや」 心の友と呼べるような親友が 遠くから訪ねて来てくれるのはたいへん楽しいもの
茨木(いばらき)さん: 論語の中に「朋あり遠方より来る(きたる)、また楽し(たのし)からずや」っていう、その「来る」と「楽しい」を取って「来楽」っていう銘柄になったんですね。
映像説明: 酒蔵。頭に手ぬぐいを巻いた白衣姿の茨木(いばらき)さんが、ビニールで蓋(ふた)をされたタンクにホースの先端を差し入れる。 ホースがつながった先にある大きな装置。茨木(いばらき)さんの後ろから、眼鏡をかけた男性がやって来る。茨木(いばらき)さんと同様、頭に手ぬぐいを巻き、白衣を着ている。
テロップ: 火入れを一度もしていない 「生酒(なまざけ)」
ナレーション: 通常の日本酒(にほんしゅ)は、品質を安定させるために「火入れ」をするが、この火入れを一度もしていないのが「生酒(なまざけ)」。
映像説明: 開けられた装置の小窓(こまど)。ホースから日本酒(にほんしゅ)が流れ出る。 ガラスのさかずきで日本酒(にほんしゅ)をすくい上げる茨木(いばらき)さん。さかずきの中の日本酒(にほんしゅ)を光にかざす。香りを確かめ、口に運ぶ。
ナレーション: 「火入れ」を行わないことで、香りも華やかで清涼感あふれるフレッシュな味わいと、さらりとした軽快な飲み口(のみくち)が生まれる。
映像説明: 茨木(いばらき)さんが、長い櫂をタンクの中に入れてかき混ぜる。液体は酵母に覆われ、白く濁っている。 オレンジ色の透けた横長の枠の中に、2つの花の写真。1つは鐘形の小さな白い花が密集した「アベリア」、もう1つは白い花びらが重なり合うように開いた「月下美人」。その下に「花の酵母を使用」と書かれている。
ナレーション: 茨木(いばらき)酒造では、アベリアと月下美人の花の酵母を使って仕込み、今まで日本酒(にほんしゅ)が苦手だった人にも、飲みやすい味に仕上げている。
映像説明: STANDING BAR田中の店内。黒いシャツを着た男性が、「来楽」の瓶を傾けて茶色い髪の女性が持つグラスに酒を注ぐ。その様子を笑顔で見ている赤いシャツを着た男性。 カウンターでは、男性客たちが談笑しながら日本酒(にほんしゅ)を傾けている。 グラスの中で明かりに照らされて輝く日本酒(にほんしゅ)。 涼しげな水滴がガラスの表面を覆う。
テロップ: 地元で飲む 搾りたての生酒(なまざけ)の味を 海外でも味わってもらいたい
ナレーション: 地元で飲む、搾りたての生酒(なまざけ)の味を海外でも味わってもらいたい、知ってもらいたいと思い、この生酒(なまざけ)を取り扱う、たなか酒店は、5年前から輸出に取り組んでいる。
映像説明: 櫂が差し込まれたタンクの中。真っ白な酵母が浮かんでいる。 大きな寸胴の容器につがれる日本酒(にほんしゅ)。表面には細かな気泡が浮いている。 茨木(いばらき)酒造の裏手を歩く白衣を着た男性。頭の手ぬぐいを結び直している。
ナレーション: しかし、「生酒(なまざけ)」は火入れをしていないため酒質が変わりやすく、時間の経過とともにそのフレッシュさが失われていく。非常にデリケートで品質管理が難しいのだ。
映像説明: グレーのスーツを着た男性が、棚に並べられた「来楽」の前でインタビューに答える。
テロップ: ジェトロの専門家(食品分野) 渡邉 大(わたなべ ひろし)
ナレーション: 茨木(いばらき)酒造の生酒(なまざけ)の輸出を支援するジェトロの専門家に話を聞いた。
渡邉(ジェトロの専門家(食品分野)): こんなおいしいもの(生酒(なまざけ))が、なぜ海外に行くと飲めないのか。やっぱり、品質管理ができない、イコール、輸送のコントロールとか倉庫での保管のコントロールができないっていうことに突き当たってですね。そういう意味で考えれば、それ(輸送や保管)のコントロールできれば、いい状態の品質のものが出していけるんじゃないか。
映像説明: 黒々(くろぐろ)とつやめく瓦屋根。 板張りの外壁は、焼き焦がされた黒と本来の木材の茶色が混じり合い、風情ある色合いになっている。
ナレーション: そして、たなか酒店と茨木(いばらき)酒造は、渡邊専門家とともに、あるものを持ってドイツへ乗り込んだ。
映像説明: 西洋建築が取り囲む広場に1体の騎馬像。 四角い枠の中に地図のイラスト。ドイツは、ベルギー、フランス、オーストリア、チェコ、ポーランドなどに隣接している。デュッセルドルフは、ドイツの西部に位置する。
テロップ: デュッセルドルフ
ナレーション: ドイツ、デュッセルドルフ。
映像説明: 広場の周囲に、屋根窓のある4、5階建てほどの建物が立ち並ぶ。円筒形(えんとうけい)の建物もある。 車や人が行き交う橋。川沿いにそびえる木々(きぎ)の向こうで、赤と白の旗がいくつも風に揺れている。
ナレーション: デュッセルドルフは多くの日本企業が進出しており、日本文化や日本食に関心が高い街として知られている。
映像説明: 広々とした吹き抜けのホール。ガラス張りの天井から下がる垂れ幕には、英語で「Welcome to ProWein(プロワイン)」などと書かれている。 通路や階段、エスカレーターを、大勢の人たちが途切れることなく通りすぎていく。
テロップ: ドイツ デュッセルドルフ
テロップ: 3月18~(から)20日 「ProWein(プロワイン) 2018」
ナレーション: そのデュッセルドルフで、世界最大級の国際ワイン・アルコール飲料展「ProWein(プロワイン) 2018」が開催された。
映像説明: 会場の一角。多くの来場者でにぎわうブース。赤丸に桜を重ねたロゴマークとともに、「JAPAN」の文字が掲げられている。
ナレーション: ジェトロは、国税庁などと、25社からなる日本産酒類プロモーションブースを初めて設置した。
映像説明: オフィスでインタビューに応じる濱田課長。
テロップ: ジェトロ 加工食品・酒類支援課 課長 濱田 哲一(はまだ あきかず)
濱田(ジェトロ 加工食品・酒類支援課 課長): 欧州向け(日本酒(にほんしゅ)の)輸出は過去5年で倍増していますし、ワインの本場、欧州で売り込むことで、日本酒(にほんしゅ)の市場はさらに拡大することが期待できます。
映像説明: 「ProWein(プロワイン) 2018」の日本ブース。来場者のグラスに日本酒(にほんしゅ)をつぐスタッフ。外国人男性たちがグラスを揺らしたり、香りを確かめたりしている。 カウンターにはさまざまな種類の酒瓶(さかびん)。スーツを着たスタッフが、眼鏡をかけた外国人男性とカウンター越しで話している。 背中に「来楽」や「真澄」と書かれた法被を着たスタッフたちが、ブースの一角で話し合っている。
テロップ: 来場者数は6万人超 過去最多
ナレーション: 来場者は過去最高で、生酒(なまざけ)を含む日本酒(にほんしゅ)に対する関心は高く、多くのバイヤーが訪れていた。
映像説明: たなか酒店。日本酒(にほんしゅ)のサーバーの前でインタビューに応じる田中社長。 「ProWein(プロワイン) 2018」の会場。日本ブースは多くの来場者でにぎわっている。スタッフと熱心に話す金髪の外国人女性。隣のブルゾンを着た男性もグラスに入った日本酒(にほんしゅ)を口に含む。 カウンターに並んだ色とりどりの酒瓶(さかびん)。来場者はスタッフと話したり、日本酒(にほんしゅ)をテイスティングしたりしている。 田中社長のインタビューが続く。
テロップ: たなか酒店 田中 泰樹 社長
田中社長: ドイツの、日本酒(にほんしゅ)に興味を持たれてる人たちが飲んでる反応を見てると、本当にもっともっと知ってもらいたい、もっと奥深い(おくぶかい)ところを知ってもらいたいっていうのは、すごく感じました。
映像説明: 「ProWein(プロワイン) 2018」の会場。茶色のジャケットを着た外国人男性が、ホールでインタビューに応じる。
テロップ: バイヤー
バイヤーの男性・ドイツ語・吹き替え: フルーティーな日本酒(にほんしゅ)もあるし、お米(こめ)の味わいもある。 日本酒(にほんしゅ)の種類が多いことに驚いた。
映像説明: インタビューに答える、スカーフを巻いた外国人女性。
テロップ: バイヤー
バイヤーの女性・ドイツ語・吹き替え: 生酒(なまざけ)はワインよりもっとフルーティーフレーバーや、酵母の香りなど、いろいろなタイプが楽しめます。
映像説明: 日本ブース。グラスを手に話し合う、法被を着た外国人たちの中に、「来楽」の法被を来た笑顔の茨木(いばらき)さん。 冷蔵ケースに収められたサーバーから「来楽」をグラスについでいる。
テロップ: ケグ
ナレーション: 茨木(いばらき)さんが来楽をグラスについでいるのは、通常、ビールの貯蔵、サーバーとして使用されている、ケグ。
映像説明: グラスを持つ手。ケグから透明な日本酒(にほんしゅ)が注ぎ(そそぎ)込まれている。
テロップ: ボトルではなく グラスで提供
ナレーション: 生酒(なまざけ)をボトルでではなく、グラスで提供できるのだ。
映像説明: 茨木(いばらき)酒造の酒蔵。頭に手ぬぐいを巻いた白衣を着た茨木(いばらき)さんが、タンクにつながったホースの口をひねる。 圧力メーターがついたバルブを握る手。 逆さまに置かれたケグの中に、少しずつガスが流れ込む。 ケグの開口部を布で拭う茨木(いばらき)さん。
テロップ: ケグ ビールの貯蔵 サーバーとして使用されている 主にアルミニウムなどでできた容器
ナレーション: ケグの構造は、空気を通さず、光も全く通さない。 これにより、「生酒(なまざけ)」の特徴である、フレッシュさや、香りなどの品質が保たれるため、最後の一滴まで蔵元で飲む生酒(なまざけ)と同じ味わいを実現。
映像説明: 充填前のケグ。開口部と一体化した大きな透明の容器。内部には生酒(なまざけ)を充填するアルミの袋が装着されており、開口部とつながっている。
ナレーション: そしてもう1つの特徴として、この容器はプラスチックでできており、環境にも考慮している。
映像説明: 太いはりが連なる木造の酒蔵で、茨木(いばらき)さんと話すジェトロの渡邉。 2人のそばにプラスチック製のケグが積み上げられている。
テロップ: ジェトロの専門家(食品分野) 渡邉 大(わたなべ ひろし)
渡邉(ジェトロの専門家(食品分野)): 世界中の飲食店の方(かた)が、ほとんどこの容器(ケグ)の特性と構造と(を知り)、あとはその接続する道具も持たれてると。これもやはり海外に日本酒(にほんしゅ)が新しい形で出ていくには非常に使いやすいツールになるんじゃないかなと。
映像説明: 生酒(なまざけ)を詰める前のケグ。開口部の周辺は持ち手(もちて)のようになっている。金属製の業務用ビール樽よりコンパクトな外観。
ナレーション: グラスで提供するために工夫を行った。
映像説明: インタビューに答える茨木(いばらき)さん。 並べられた10リットルのケグと20リットルのケグ。10リットルのケグは20リットルのケグの半分ほどの高さ。 積み上げられた10リットルのケグのそばで、茨木(いばらき)さんのインタビューが続く。傍らにはジェトロの渡邉。
テロップ: 茨木(いばらき)酒造 9代目 茨木 幹人(いばらき みきひと) さん
茨木(いばらき)さん: ネックになっているのはボトルのサイズ感であって、“by the glass”で飲んでもらうってことが、日本酒(にほんしゅ)に触れてもらうきっかけを広めることにはなると。 メーカーと一緒にお話をする中で10リットルが開発されたので、これを使いたい、これを使った海外展開がしたい、っていう思いです。
映像説明: 茨木(いばらき)酒造の裏手。隅にたくさんの一升瓶用ケースが積まれている。
ナレーション: 小さい容器の方がレストランにとって、さばきやすいというメリットがある。
映像説明: ケグに貼られたラベル。日本語で「来楽 純米生(じゅんまいなま)原酒」、英語で「RAIRAKU JUNMAI DRAFT SAKE(サケ) 2016‐2017 Season」と書かれたシールが貼ってある。
ナレーション: しかし、もう1つ問題があった。それは物流だ。 日数がかかる船便では「生酒(なまざけ)」の品質が保てない。
映像説明: さまざまな「来楽」の酒瓶(さかびん)が置かれた棚の前で、ジェトロの渡邉がインタビューに応じる。 「FedEx(フェデックス)」と書かれた白い箱型の自動車が、駐車場に入ってくる。 眼鏡をかけて紺色のポロシャツを着た茨木酒造の男性社員がケグを運び出し、「来楽」のシールが貼られたダンボールの中に収める。
テロップ: ジェトロの専門家(食品分野) 渡邉 大(わたなべ ひろし)
渡邉(ジェトロの専門家(食品分野)): どれだけ短時間に輸送ができる会社があるのかなと思ったときに、国際一貫輸送をやられている大手キャリアですね、複数社あると思うんですが、そのキャリアの担当の方(かた)と出会うことができて。
映像説明: 輸送会社の男性スタッフがダンボールにバーコードつきのシールを貼る。茨木(いばらき)酒造の男性社員とあいさつを交わし、箱型の自動車へ運んでいく。
ナレーション: 空輸の国際一貫輸送によって、通関手続きもスムーズに行われ、ヨーロッパには48時間以内で輸送が可能だ。
映像説明: 丸テーブルに置かれた3本の「来楽」。 グラスにつがれた日本酒(にほんしゅ)に光があたり、表面がきらめく。
ナレーション: 海外へ品質を落とさずに、蔵元の搾りたての味を届けることができるようになった。 最後に蔵元としての今後について聞いてみた。
映像説明: インタビューに応じる茨木(いばらき)さん。
テロップ: 茨木(いばらき)酒造 9代目 茨木 幹人(いばらき みきひと) さん
茨木(いばらき)さん: 海外で飲んだ「来楽(生酒(なまざけ))」を飲みにまた日本に行きたいなとか、逆のインバウンドなんかにつながっていくことが、僕の今後の目標というか。
映像説明: 「ProWein(プロワイン) 2018」の会場。日本ブースで外国人バイヤーと話すジェトロの渡邉。 法被を着た外国人スタッフが、来場者のグラスに日本酒(にほんしゅ)を注ぐ。その奥では、眼鏡をかけた男性が、グラスの日本酒(にほんしゅ)をテイスティングしている。 にぎわう日本ブース。多くの来場者とスタッフが、それぞれ笑顔で会話している。 茨木(いばらき)酒造の店内。酒瓶(さかびん)やクーラーボックスを運ぶ、茨木(いばらき)さんとジェトロの渡邉。のれんと杉玉(すぎだま)が下がる入り口(いりぐち)へと向かっていく。
ナレーション: 「生酒(なまざけ)」が世界のバーやレストランでワインのように飲まれ、新たな日本酒(にほんしゅ)の世界が広がるかもしれない。
映像説明: 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 中が空洞になった地球儀が回転している。
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