お知らせ・記者発表
「外資系企業ビジネス実態アンケート」調査結果概要
2023年03月22日
ジェトロは2022年10~11月にかけて日本国内に拠点を置く外資系企業6,607社を対象にアンケートを実施し、1,348社より有効回答を得ました(有効回答率20.4%)。
本調査は、日本国内に拠点を置く外資系企業*の現状と動向、日本のビジネス環境の魅力と課題、必要とされている支援について把握するために実施したものです。なお、本調査は、こうした目的意識に基づき、調査対象をジェトロ支援企業から国内外資系企業全般に広げて実施した昨年度調査につづく、第2回目の調査となります。
(1)国内における今後の事業拡大意向(2)日本のビジネス環境の魅力と課題(3)人材確保の状況と外国人材の就労・在留円滑化(4)協業・連携とその活性化にむけて、として調査結果のポイントを発表します。
*本調査における国内外資系企業とは、外国資本比率にかかわらず外国企業・投資家が出資している企業を指します。
4つのポイント
1.国内における今後の事業拡大意向
- 半数弱の企業で売上高が前年度比で増加、国内外資系企業の業績の回復傾向が鮮明。
- 将来的な国内事業について、「強化・拡大」意向は56.1%(前回調査より3.5pt増)
- 新規拠点の設置、既存拠点の強化意向も、前回調査より上昇しており、拡大志向が見られる。
2.日本のビジネス環境の魅力と課題
- 最大の魅力は「市場規模」、製造業では「顧客産業・関連産業の集積」がトップとなった。
- 親会社が設立して間もない企業や近年日本に参入した企業では、自社のビジネス分野での中長期的な成長性を魅力と捉える傾向が見られる。
- ここ数年では、「行政手続きの簡素化・デジタル化」「外国語でのコミュニケーション」が改善している。
- ビジネス環境について、改善への期待が特に高いのは「人材確保」となった。
3.人材確保の状況と外国人材の就労・在留円滑化
- 採用については日本人の経験者採用が主流も、アジア系企業を中心に留学生雇用志向も見られる。
- 「IT・技術人材」「営業・マーケティング人材」で採用難、英語等外国語能力不足が課題となっている。
- 優秀な外国人材の円滑な就労・在留には行政手続き簡素化・デジタル化や在留資格緩和を望む声が挙がっている。
4.協業・連携とその活性化に向けて
- 合わせて33.0%が協業・連携を実施・検討。医薬品・化粧品、情報通信業等で積極姿勢が見られた。
- 協業・連携相手には、 技術力・研究開発力を求める企業が多く、かつ、連携相手としては、代理店ではない企業や大学が選ばれており、日本企業や大学の研究開発・技術力への期待が高い。
- 協業・連携への取組状況により課題は異なり、段階に応じた支援が必要となっている。
以上
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対日投資部対日投資課(担当:福井、藤本)
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