島唐食品

当社は「唐揚げ屋の島唐」として店を開き、これまでに「からあげグランプリ」で5年連続金賞を受賞してきました。宮古島産、沖縄産食材を使用した商品の製造・販売も行っています。地元企業の海外展開を後押ししている沖縄県および宮古島市にも支援を受け、ジェトロ沖縄に相談し、新輸出大国コンソーシアムのハンズオン支援に2020年度、採択されました。コロナ禍で現地視察もできず、ターゲット層の嗜好の理解に苦慮したほか、オンライン商談、英文資料の作成にも苦労しましたが、ハンズオン支援を通じて各国の需要動向や選定市場の策定など、幅広い指導を受け、米国ならびに台湾、シンガポール向けに取組むことにしました。
さらに、宮古島産カツオの旨味と南国の名物食材やスパイスを凝縮して開発した万能調味料「節（ぶし）照（てり）たれ」が、「離島フェア2021」県知事賞（優良特産品優秀賞）を受賞し、テレビ局の企画にも選ばれ、注目を浴びたことで輸出意欲にはずみがつきました。

越境ECで米国向けに販売できていたことから、本格的に輸出を始めることにしました。米国は大消費地であり、日本人在住者も多く、一定の市場性が期待できます。また、成功すれば、それを日本に逆輸入でき、当社の国内認知度向上につながると考えました。他方、アジアは和食になじみもあり、かつお節の旨味を理解いただけると考えていたところ、農水省のオンライン輸出塾で知り合った企業から声がけがあり、台湾、シンガポールも輸出先に加えました。なかでも親日的な台湾はインバウンド需要の大きさから輸出につながり、好評を得ています。ハンズオン支援の専門家には、各地の市場規模や競合関係、商流や契約、クレーム対応などに加え、法規制や輸出に必要な認証など、事業計画や損益見通し、さらには英文での資料作成など、数多くの課題に対し指導いただきました。販売ルートの検討に際しては、ジェトロの海外事務所から、調味料を含めた日本食材に関する情報もいただきました。