株式会社𠮷田

クラフトビールで東京というビッグマーケットを狙った場合、消費者向けに「なぜ、このクラフトビールなのか」を訴えかける上で、有名コンペティションでの受賞実績に加え、海外で認知されていることが、大きな訴求力となります。海外展開の実績が商品価値を高め、ブランド力となる。これが、当社が海外進出を目指したきっかけでした。製造販売を始めてすぐに、当社商品の味に対しては国内で評価を得ました。そこで2017年に台湾の商談会へ、翌年には香港の展示会に参加しましたが、当時はコスト計算などの下調べができておらず、輸送ルートについても輸入商社を見つけていないという準備不足もあり、輸出には至りませんでした。そうした中で、和歌山県内にジェトロ事務所が新設され、海外展開について相談。自ら新輸出大国コンソーシアムに応募し、2019年5月からハンズオン支援が始まると、一気に海外への道が開けました。

ハンズオン支援の専門家には、輸出を進める上での展示会の意義や、展示会参加前に準備すべき資料やサンプル、さらには海外輸出の成功パターンや輸出時のノウハウなどを教えていただきました。こうしたアドバイスや支援があって、香港とマカオで販路を開拓でき、スムーズな輸出につながりました。さまざまな準備も手続きも、常にジェトロに手助けいただいたので苦労も少なく、また現在の取引先は、ハンズオン支援の専門家に紹介いただいた企業、日本で取引実績のある企業、信用のある企業となっていますので、これまでトラブルに見舞われたことも特段ありません。当社においても一連の商談から手続き、輸出までを一通り経験したことで、商品PRのチャンスが訪れたときにも、「この話は一過性のものにならないか」と、先々のことまで考えた大局的な判断ができるようになりました。今では米国やオーストラリア、ベトナムなどでも新たな事業機会を探しています。