京都機械工具株式会社

当社は軽くて強くて使いよい工具を創るという創業精神に基づき、12,000点を超える製品ラインアップを持つハンドツールメーカーです。海外輸出は1961年から実績はあるものの、売上の大半は国内販売が中心で、今後の成長機会を見据えると、飽和状態にある国内市場に依存せず、海外事業を会社経営のもう一つの軸として育成していく必要があると考えました。2018年に、以前からお付き合いのあったジェトロ京都事務所が主催するセミナーに参加した際、新輸出大国コンソーシアム事業について知り、2019年度に応募し、ハンズオン支援が始まりました。コロナ禍の渡航制限で出張ができず、各国で異なる市場動向について直接情報を入手することができず、対策や戦略を立てにくい難しさがありました。当社のメイン商品・四輪車工具は、高品質ゆえに高価格で、当初日系企業の多いアジアでの展開を試みたものの、EUや米国での需要の方が大きいことが分かり、欧米を重点地域として展開しています。

製品の中には現場を見ながら提案するIoT工具などもあるため、コロナ禍での渡航制限で販路開拓には困難を強いられました。頼みの綱は現地の営業代理人。ハンズオン支援の専門家から紹介されたドイツの営業代理人はとても頼りになりました。またドイツ一つをとっても幅広い業界があるため、特に絞らずに、農機具や園芸用品の大手業者などさまざまな業界へとアプローチし、想像以上に多様な場面でニーズがあることも確認できました。専門家にも同席いただいたオンライン商談を通じて、ハンガリーなどEUの数カ国のバイヤー向けに有償サンプルを出荷するなど、話が進みました。韓国向けにはRCEPを、ベトナム、タイ、インドネシア、英国、ASEAN向けにはEPAを利用して価格競争力を高めており、EU向けにもEPAの活用を検討しています。ジェトロを通じて水平展開を行う中で、各国で異なる税制面の対応については、スポットでのエキスパート支援で教えていただきました。