丸友しまか有限会社
パートナーとジェトロと当社が一つのチームのように活動し、三陸の海の幸を世界に届ける
宮古市魚市場などで水揚げされたカキ、サンマ、生ウニ、活ホタテなどの魚介類や原材料にこだわった各種加工品を 製造・販売。三陸の旬の海の幸を味の良い鮮度のまま、おいしくいただけるように届けることがモットー。
岩手県宮古市 ウェブサイト
- 展開国・地域:
-
・2020年度 台湾、香港
・2021年度 台湾、香港 - 事業内容:
- 水産加工品の製造・販売
「おいしい、おいしい」と絶賛いただき決意を固める
当社は四季折々の三陸・宮古の海の恵みを食卓にお届けすべく、鮮魚はもちろん、さまざまな加工品を製造・販売しています。国内人口の減少スピードが加速していくことに脅威を感じていましたが、宮古市産業支援センターからのご紹介でジェトロ盛岡所長が当社を来訪され、ジェトロ盛岡主催の「海外バイヤー招聘商談会」(2019年)への参加を勧められたことがきっかけで海外市場を意識するようになりました。当社の商品は、食品添加物を一切使用しておらず、目の前の浜で取れた旬の新鮮な素材を使用していることから、商談会場で調理した揚げたてのカキフライは、海外バイヤーからも「おいしい、おいしい」と大好評で、その笑顔の反応を目にして海外展開への決意が固まりました。商談会では、シンガポールやエチオピアのバイヤーと商談を実施。その後、2020年度の初めに新輸出大国コンソーシアム事業のハンズオン支援に申請し、採択されました。
コロナ禍では試食のためのサンプル輸送にも一苦労
海外初挑戦のため、各地の法規制や文化・習慣の違いなどはすべて一からの勉強でした。展開先には、水産加工品を輸出しやすい台湾と香港を選定。同地でのビジネス経験と知識が豊富なハンズオン支援のパートナーを頼りに、ジェトロ盛岡による「商品写真撮影会」や「英中翻訳事業」も活用しながら前へ進めていきました。当社が売りたい商品と相手の欲しい商品とが必ずしも一致しないという経験も勉強になりました。コロナ禍では試食も容易ではなく、サンプル品の輸送コストも悩みの種でした。加えて、食品衛生管理上HACCPへの対応が求められたほか、栄養成分表示に係る検査もあり、時間やコストがかかりました。バイヤーとの商談もコロナ禍ではオンラインが主流。対面式とは異なる進行の中、通訳を介してもバイヤーにうまく訴求ポイントが伝わらないと、同席いただいたハンズオン支援のパートナーがうまく橋渡しをしてくださり、とても支えられました。
地元学生らの企画商品も、海外向けに展開
当社商品は、一回のみの凍結でうま味調味料や添加物を加えずに新鮮さと素材本来の味が生きていると、評価いただいています。なかでも初輸出に成功した「鯖しいたけ 煮付缶」は、地元・宮古水産高校と岩手県立大学の学生らによるコラボ企画商品です。県内コンクールでの受賞歴もあるこの商品は、海外でも味の評価は高かったのですが、日本風ラベルの評判がよくなく、価格相応の高級感を備えたパッケージデザインに一新することで国内外の顧客の目を引きつけることに成功しました。海外展開は、売上面だけでなく、社員のモチベーション向上や地域の貢献にもプラスの作用があると感じています。パートナーからは、海外展開は単年度での成果を求めるものではなく中長期的に進めていくものだとの言葉もいただきました。自社単独では難しかった海外展開ですが、パートナーとジェトロと当社が、ワンチームとなって進められたこのご縁に、心から感謝しています。
専門家からのポイント
同社の「鯖しいたけ 煮付缶」は、地元の水産高校の生徒さんと県立大の学生さんとのコラボ商品ということもあり、皆さんの商品への思いをしっかり海外のお客様にお届けしようというのが初年度のゴールでした。裏方でご活躍された先生方や県庁の職員の方々のお話もお聞きして、販促資料をまとめて商談に臨みました。オール宮古のエネルギーを背に受けての成約となりましたが、何より島香専務の輸出に対する情熱が海外のお客様の心を動かしました。今後も「心を一つに」を合言葉に関係者の皆さまとワンチームで頑張ります!
ご利用いただいたジェトロのサービス
- 新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。
丸友しまか有限会社
岩手県宮古市
https://www.marutomo-shimaka.jp/
代表者:島香 尚
設立年:1997年
従業員:12名
事業内容:水産加工品の製造・販売
2021年12月