モリシン工業株式会社

タイではまだハニカムパネルは普及しておらず、認知度を向上させる必要がありました。そこで、2018年に岐阜県の支援を活用して、ASEAN最大の機械分野の展示会「METALEX」に初出展しました。引き合いも多くいただき好感触でしたが、展示会後のフォローを続けていくうちに、製造業向けではコストが合わないことが分かってきました。弊社の強みはお客様のニーズに併せて特注品を生産できることですが、輸出に係る諸経費を考慮すると、性能とコストのバランスが取れなくなってしまうのです。そこで、海外戦略を今一度考え直し、高付加価値製品の一つである家具・インテリア分野をターゲット市場に再設定しました。翌年、富裕層向けやデザイナー連携の製品を主軸として、「METALEX」に再挑戦しました。また、集客を中心に事前準備にも注力しました。タイでは多くの人が使うFacebookに広告を出稿し、弊社および弊社製品を紹介するとともに、「METALEX」に出展することを広報しました。Facebookを見て弊社ブースまで来ていただいた方も多く、非常に効果的な宣伝となりました。

「海外で成功したい」という想いを地方の片田舎の企業が抱いても、それを相談できる相手は身近にはそういません。誰に相談すればいいのか、それはやはりその道の専門家ですよね。専門家との面談を繰り返すうちに、最初はぼんやりとしていた事業計画が具体化していきます。今まで見えなかった課題も多く出てくるでしょう。駄目だと思ったなら海外事業を見直せばいい。駄目ということが分かるだけでも進歩です。 弊社は、今回の海外展開にあたりジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」の専門家による支援を利用しました。担当の専門家からは、海外展開戦略の具体化や貿易実務に関するアドバイスをいただきました。事業計画を具体化させた結果、当初の弊社の想定とは違う家具・インテリア市場に挑戦しています。一つ一つの判断を行うあたり、経験豊富な専門家からのアドバイスに背中を押してもらいました。専門家に相談するたびに的確な提案をいただき、経営判断をするうえで非常に参考にさせていただきました。