オーストリア政府、6月末までに全ての新型コロナ対策廃止
(オーストリア)
ウィーン発
2023年02月06日
オーストリア政府は2月1日の閣僚会議後、2023年6月末までに全ての新型コロナウイルス対策を廃止する方針を発表した。2020年2月25日に新型コロナウイルスが初めてオーストリアで確認されたと報じられてからほぼ3年後になる。ヨハネス・ラウヒ社会・保健・福祉・消費者保護相は「(パンデミックが去っても)新型コロナウイルスは残る。これからの主な課題は、通常の保健制度の枠組みで新型コロナウイルスに対応することだ。」と述べた〔現地メディアAPAが運営するプレスリリース転載サイトOTSの社会・保健・福祉・消費者保護省(BMSGPK)プレスリリース)〕。
具体的には、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染の報告義務、病院や介護施設でのマスク着用義務などの特例規制などを廃止し、無料の新型コロナ検査は病院のみで受けられることになる。今後の撤廃スケジュールなどは以下のとおり。
- 5月1日以降:4月30日まで延長される新型コロナ関連基礎対策指令の廃止に伴い、病院や介護施設などでのマスク着用義務がなくなる。同日に、職場での感染リスクが高く在宅勤務が不可能な、高リスクと分類される人に認められる特別休暇制度も廃止する。
- 6月30日以降:全ての新型コロナ対策を撤廃。新型コロナ感染の報告義務や行動規制も撤廃する。
検査とワクチンは今後も提供する予定だ。
- 無料検査:症状がある人が病院でのみ受けることができる。
- ワクチン接種:新型コロナワクチン接種は引き続き無料で提供する計画。費用分担のための政府、州政府、健康保険間の交渉が今後行われる予定。
保健省は、流行病法での新型コロナ関連規制の廃止に加えて、流行病法の抜本的な改正に向けて準備している。改正案は2023年末までに発表される予定。また、新型コロナ禍の経験に基づき、パンデミック発生に備えた実施基準を作成している。同実施基準はパンデミックの進行状況に応じたコミュニケーション(政府の情報発信)指針を含む。
(エッカート・デアシュミット)
(オーストリア)
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