クリーンテック有望100社発表、「Cleantech Forum North America」開催
(日本、米国)
イノベーション促進課
2023年02月16日
米国パームスプリングスでクリーンテックの祭典「クリーンテック・フォーラム・ノースアメリカ(Cleantech Forum North America)」が開催され(会期:1月23~25日)、世界30カ国から革新的な持続可能社会に向けた技術に携わるスタートアップ、投資家、大企業など400人が参加した。会期中40のセッションが行われるなか、注目を集めたのは主催のクリーンテックグループが発表する「2023 グローバル・クリーンテック100(2023 Global Cleantech 100)」の授賞式だ。これは、カーボンニュートラルに寄与する有望なスタートアップ100社を世界の有識者とともに選出し授賞するもので、2009年から毎年行われている。授賞式に登壇したクリーンテックグループ最高経営責任者(CEO)のリチャード・ヤングマン氏は、選出された100社への強い期待を示すとともに「この100社だけでなく、何千もの企業が脱炭素社会の実現に向けて取り組みを続けていることに敬意を表する」とコメントした。
授与式後のオープニングセッションでは、天然由来のシルクプロテインを利用し食品の腐敗を防ぐ米国企業モリCEOのアダム・ベーレンス氏と、空調システムに使用することでエネルギーロスを20~40%削減できるシーリング材を開発する米国企業エアロシールCFOのマーク・モデラ氏がリスト初選出のライジングスターとして登壇し、プロダクトの詳細や今後の展望について発表した。
「2023 Global Cleantech 100」には日系スタートアップは選出されていないものの、同賞を主催するクリーンテックグループが別途、アジア大洋州地域を対象に有望な25社を選出したリスト「2022 APAC Cleantech 25」(現地時間2022年8月31日公表)には下記の日系スタートアップ3社が選出された。ジェトロがこれらの企業にヒアリングしたところ、以下のコメントを寄せている。
〇アークエルテクノロジーズ:代表取締役CEOの宮脇良二氏
「われわれはネットゼロの実現に向け、EV充電マネジメントや分散電源マネジメント等のデジタルサービスを提供しています。アジア地域のネットゼロ実現に向け、大手企業と協業しながら積極的に海外展開していきます」
〇EFポリマー:創業者兼CEOのナラヤン・ラル・グルジャール氏
「ノミネートによりグローバルリーダーとより強固なネットワークを構築し、農家の皆様の節水と収穫量の向上を一層支援できます。環境保全のために世界レベルの変化をもたらすには、積極的に互いをサポートしていくことが必要でしょう」
〇つばめ BHB:取締役 執行役員の中村公治氏
「弊社は東京工業大学発のアンモニア生産技術を通じて環境・食糧問題の解決を目指しています。昨年はAPAC Cleantech 25に選定いただきましたが、今後も海外での認知度向上を目指し、海外展開をより推進してまいります」
次回の「Cleantech Forum North America」は2024年の1月22~24日に開催される。また、2023年6月6~7日にはシンガポールにおいてアジア地域の祭典「Cleantech Forum Asia」が開催されるほか、「2023 APAC Cleantech 25」の発表が5月に予定されている。持続可能な社会の実現に向け、新たな有望スタートアップの登場が期待される。
(植田百香)
(日本、米国)
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